インド亜大陸旅行記 -36ページ目

28日目 カニャークマリ

『謹賀新年』



明けましておめでとうございます。

新年を迎えた瞬間、俺は4人のインド人とクマリ・アンマン寺院に祈りを奉げていた。
日本でいう“お宮参り”みたいなものか?
新年を無事に、インド最南端の町カニャークマリで迎えられたことに感動した。

日本にいる時と同じように、静かな新年を迎えたな…と思ったのもつかの間。
足は人々が集まる賑やかな方へと向かう。
最南端の海岸で大騒ぎしている集団を見つけ、加わった。

5分も経たないうちにその集団に馴染み、みんなで歌い、踊った。
「アケマシテオメデト~!!」とみんなで連呼し(当然、俺が教えた)盛りあがった。
やっぱり騒いでるのが楽しかった。
静かにしているのは性に合わない。

1時間ほど騒いだり、カバディを見たりして疲れたので、宿へと帰ることにした。
しかし、帰り道でも、会う人みんなと「Happy New Year!!」と祝い、握手し、抱き合うので、なかなか宿に着くことができない。

30分かけて、ようやく宿の近くまで戻ってきたのだが、花火をやっている集団がおり、楽しそうなのでその輪に加わってしまった。
それにしても、インドの爆竹はパワーがありすぎて、音と破裂の仕方が半端でない。
耳を塞ぎ忘れようものなら、鼓膜が破れてしまうのではというくらいの威力である。
本当に恐ろしかった。

花火の後には、男だらけのダンス大会が始まった。
半裸で卑猥な言葉を連呼して踊りまくる。
インドのバカと日本のバカの競演である。

いい加減に疲れてきたので、今度こそ宿へと帰った。
しかし、宿の玄関が閉まっていたので、中へ入ることができなかった。
玄関の床で寝ているオッサンがいたので、呼びかけて開けてもらおうとしたが、オッサンは爆睡していて、全く反応してくれない。
さすがインド人。

宿の裏側に門があるのを思いだし、そちらへとまわってみるが、しっかりと鎖で施錠されていた。
しかも、裏にはBARがあり、酔っ払いたちが集まってきて、自然と輪の中へ。

しばらく酔っ払いにからまれ、どさくさで懐中電灯を盗まれそうになりながらも、無事、表玄関まで戻ってくると、偶然宿から人が出てきたので、中に入れてもらえることができた。
当然、玄関で寝ているオッサンは爆睡したままだった。

部屋に入り、落ちつくために日本から持参した味噌汁をコップで飲んだ。
お湯がないので、水で飲んだが、やはり美味しくなかった。
時刻は3時過ぎ。
初日の出を見ることができるのか?



起きられるかどうかの心配はどこ吹く風で、普段通り、6時には目が覚めた。
習慣って恐ろしいものである。

日の出まで時間があったので、日本の文化を知ってもらおうと、“笑門”と書いた紙を部屋のドアに貼り付けた。
自分なりの訳を書いておいたが、はたしてインド人に理解してもらえるのだろうか?

初日の出を拝みにコモリン岬へと行く。
最初は少し雲が出ていたので心配だったが、日の出の際には見事に晴れ渡り、素晴らしい初日の出を見ることができた。

会う人みんな、「Happy New Year!!」と笑顔で声をかけてくる。
とてもさわやかな新年だ。
ここにきて、良かった。

宿に戻り、正月気分を出そうと味噌汁を飲んだが、いまいち盛りあがらず。
ものすごく和食が食べたくなった。
しかし、帰国まであと2ヶ月。
諦めた。

初詣気分を味わおうと思い、クマリ・アンマン寺院へ。
男性は上半身裸でないと入れないので、シャツを脱ぎ、他の信者と共に列に並んだ。
ヒンドゥー教の寺院内にいる大勢の人の中で、外国人は俺だけだったので、皆の注目を浴びて恥ずかしかった。

初詣を無事に終え、宿屋のオッサンの家に昼食を食べに行く。
オッサンの家族と一緒に楽しく、チキンカレーとヴェジカレー、鳥のから揚げを食べた。
奥さんは、安いほうのヴェジカレーばかり勧めてきたが、お構いなしに美味しいチキンカレーばかりおかわりした。

本当に、ここの家族は明るくて楽しい人々ばかりなので、一緒にいるだけで心休まる。
でも、この温かさを感じてしまうと日本に帰りたくなってくる。
インドに来て2度目のホームシックにかかった。
長居するとますます日本に帰りたくなるので、お礼を言って外に出た。

その後、デジカメを持って、いろいろ撮影しに行く。
途中、ジーンズ屋の兄ちゃんに捕まり、いろいろ写真を撮らされる。
一度撮ってしまうと、次から次へと人を呼んで来て撮らされるので大変である。
俺は写真屋ではない。

カメラを使うと、コミュニケーションのきっかけを作りやすいが、相手の気持ちがカメラへと行ってしまうので、なかなか自分自身と対話してもらうのが難しい。
カメラを持って歩くのも考えようである。

海岸で夕日を見た後、夕飯を食べる店を探していると、屋台を見つけた。
ヤキソバを注文して食べたが、ひどく不味かった。
しかし、「どう?美味しいか?」と笑顔で聞かれると、「ナンハ-!(Good!)」と答えてしまう。
人間、笑顔には弱い。