27日目 カニャークマリ
『終焉』
4日連続で日の出を見ていると、さすがにベストポイントが分かってくるので、一番きれいに見える場所で拝む。
今日もさわやかな一日の始まりである。
岬周辺をしばらく散策してから宿へと帰り、入り口に店を構えるおもちゃ問屋で兄ちゃん達とふざけながら暇をつぶす。
そして、おもちゃ屋の仕事が忙しくなってくると、今度は同宿している行商の人達との会話を楽しむことに。
自分の部屋でインド地図を見ながら、どこの町が面白いかなど、各都市の説明をしてもらった。
必ず誰かは暇しているので、話し相手には事欠かない。
その後、室内にいてはもったいないほどの良い天気だったので、外へ散歩に出かけた。
この町は外国人観光客が少ないので、町の人々が顔を覚えてくれて、気さくに声をかけてくれるので嬉しい。
まぁ、中には怪しい雰囲気で近づいてくる人もいるのだが…
今日は大晦日なので、お酒でも飲もうと思い、酒屋へ。
ヒンドゥー教では、アルコールは卑しいものとされているので、ほとんどの人が飲まない。
(裏でこっそり飲んでいるのかもしれないが…)
だからなのか、酒屋の正面はすべて鉄格子で覆われており、酒を買う人は鉄格子の間から手を伸ばし、お酒を購入する。
自分も同じように鉄格子の間からビールを3本購入。
なんだか後ろめたい感じがしたので、ビールを隠しながら宿へと戻った。
その後、夕日が沈みゆく様をずっと見ていようと思い、コモリン岬の岸壁に腰掛け、ボーっと空を眺めていた。
ここの風景は、ずっと見ていても飽きない。
時間がゆっくりと流れ、「あぁ…俺…生きてる…」と、妙に“生きてること”の実感が涌いてきた。
そんなことを思いながら、幸せなひとときを過ごしていると、いつの間にか太陽も地平線へと降りてきていた。
インド人観光客も、今年最後の夕日を見ようと、海岸に押し掛け、大勢の人々が集まる。
俺はタンジャーヴールという町から来たという人々と宗教について会話しながら、日の入りを迎えた。
今年最後の太陽だ。
日が沈んだのと同時に、あちこちから拍手がおこり、とても感動的な夕日を見ることができた。
「今年も今日で終わりだね。」と言いながら、たくさんの人達と握手して宿へと帰った。
今晩の夕食は贅沢しようと、町で一番高そうなレストランに行くが、大衆食堂以下の不味さだったのでブルーになった。
宿に戻り、洗濯を済ませ、水しか出ないシャワーを浴び、昼間に買ってきたビールを飲んだ。
ぬるいし、独りで飲むのは淋しい。
昨日会った日本人と飲むのも、あまり気が乗らないのでやめることに。
ビールを飲み干し、一息ついたところで、外へと出た。
教会でニューイヤーパーティーがあるということを聞いたので、行こうと思ったが、微妙に教会が遠いのでやめた。
とりあえず、人が集まっていそうな、最南端コモリン岬へ。