インド亜大陸旅行記 -18ページ目

46日目 カーンチープラム→約50Km(バスで2時間、20Rs)→チェンナイ

『ウソツキリクシャー』


今日は一日かけてお寺巡りをする予定だったが、なんとなく今日中にチェンナイへと向かいたくなってきたので、午前中に主要なお寺を見学することに。

ホテル前で何台かのリクシャーと値段交渉し、“ワラダラージャ寺院”へ。
この寺院はヴィシュヌ神を祀るお寺なので、額に3本の縦線を入れた人がたくさんいた。
(ちなみに、シヴァ派の人は額に3本の横線を入れる)
寺院内にある石柱に施された素晴らしい彫刻をじっくりと拝見し、見学終了。

次の寺院へ行くために門を出ると、来る時に乗ってきたリクシャーのオッサンが近づいてきた。
「高い料金をふっかけてくるんだろうな…」と思ったので、乗るのは断わって他のリクシャーを探すことに。
しかし、どのリクシャーも高い料金をふっかけてくるので、仕方なく最初に乗ってきたオッサンにお願いし、乗せてもらうことに。

次の寺院である“ヴァイクンタ・ペルマール寺院”に到着。
この寺院はあまり人気が無く、雰囲気がまるで日本のお寺のような感じなので、落ちついて見学できた。
寺院外にもちょっとした庭があり、他の寺院とは違う感じが漂っていた。

カーンチープラムの代表的な4寺院を見学し終えたので、寺院巡り終了。
商店街をチャイを飲みながらフラフラと歩き、宿へ帰る。
荷物をまとめてチェンナイへと向かうことに。

バススタンドに着くと、チェンナイ行きの普通バスが停まっていたのだが、溢れるほど人が乗っており、とても乗れそうになかったので、空いていそうなExpressバスを待つ。
10分も待っているとExpressバスが来たので急いで乗り込み、席を確保しホッとする。
しかし、突然車掌が現れて「座席指定だから外でチケット買って来い!」と叱られてしまった。
どおりで空いている訳である。

仕方なくバスから降り、チケット売り場の長い列に並ぶ。
バスが来てるのにも関わらず、チケット売り場のオッサンは発券するような素振りも見せない。

30分後、ようやく売り場が開いてチケットが発券されたのだが、窓口にチケットを求める客が殺到。
列にも並んでいなかった人達も我先にと押し寄せたため、その場はたちまち混乱状態に。
こんな状況には慣れっこなので、自分も負けじと人を押しのけながら、窓口に近づき、手を入れたら抜けなくなりそうなほど無数の手が押しこまれている小さな窓口に金を握った手を突っ込んだ。

苦労の末、鉛筆で座席番号が書かれただけの紙を手に入れ、バスに乗り込む。
ようやく一息つけると思いきや、両隣にきっちりと挟まれ、すし詰めのように身動きが取れない座席に腰掛ける。
周りを見渡すと、通路もいっぱいで誰も身動きが取れていない。
そんな劣悪な状況の中、Expressバスは途中何度も停まりながらチェンナイへと向かうのだった。

2時間後、チェンナイのKOYAMBEDU地区にある、MOFFUSSILバスターミナルに到着。
2日後に乗るバンガロール行きのバスを予約し、市街地へと向かう市バス乗り場へ。
エグモア駅前を通るバスをオッサンに尋ね、乗り込む。
が、バスは一向に動く気配がない。
仕方なくリクシャーを捕まえてエグモア駅まで向かうことに。

捕まえたリクシャーのオッサンは「50Rs払うなら行ってもいいが?」と言ってきたが、強引にメーターを使って行ってもらう。
しかし、大周りして目的地へと着き、金額を吊り上げるズルイ作戦でくるかもしれないので、一応オッサンの行動に目を光らせることに。
オッサンは運転しながら「メーターで行くと高いよ。50Rsでいいでしょ?」とか「メーターの調子が悪いみたい…」とか適当なことを言いはじめたので、「誠実になれよ…神様もアンタを見てるよ…」と言ってみるが、効果は全く無かった。
やっぱりズルイ事を始めたのである。
2週間前にも来た場所なので景色を覚えていたのが幸いだった。
全く違う方向に走り出したのである。
さすがにこの行為にはキレて「オイッ!ゴルァ~!違うだろ!逆だろうが!」と怒った。
するとオッサンは「こっちからでも行けるんだよぉ…(汗)」と言いながらも、渋々戻り始めた。

オッサンも誤魔化すのを諦めたようなので、これでやっと駅まで行けると思いきや、今度は駅前200M付近で停車。
どうしたのか聞いてみると、「道の向かいにあるスタンドまでガソリンを買いに行ってくる。」の答え。
さすがにこの行動には飽きれたので、メーター料金の32Rsを置いて歩くことにした。
小学生のワガママを聞くぐらいリクシャーのオッサンを相手にするのは疲れる。

駅前のKENNETS通りを南へと歩き、今晩の宿『Dayal de Lodge』へ。
宿のエントランスにあるチャートを見ると、宿泊中以外の場所は“ALL RESERVED”になっていた。
「これは他の宿を探さなければいけないなぁ…」と思いながらオーナーに尋ねてみると、「空室だらけだから泊まれるよ。」と返事が。
彼は英語を読めないのだろうか。
さっぱり意味が分からない。

オーナーから「今から部屋の掃除をするから5分待ってろ。」と言われ、1時間待たされる。
その後、ようやくチェックインの手続きをしてもらい、荷物を部屋に下ろすことができた。

朝から何も食べていないので昼食へ。
安食堂に入り、いつものようにミールス(20Rs)を食べる。
手で食べるのにもすっかり慣れ、スプーンやフォークが出てこないのが気にならなくなった。
やっぱり手で食べるのが一番美味しい。

お腹一杯ミールスを食べた後、駅前をブラブラしていると2週間前にルービックキューブで仲良くなった兄ちゃん達に出会った。
忘れずにちゃんと覚えていてくれたので嬉しかった。
「夜になったら、また来るわ。」と言い残してネット屋へ。

久しぶりに日本からのメールを読んだり、日本語のサイトで情報収集。
インドがミサイル実験をやってたみたいだが、誰からも全くそんな話は聞かなかった。
この国の人は身近な事以外には関心がないのだろうか?
それとも、知り合った人に知的な人間がいなかっただけだろうか?

宿に帰ると門番のおじいちゃんが暇そうにしていたので相手をしてもらうことに。
よく見ると、田舎のおじいちゃんに似ているので親近感が涌いてきた。
タミル語を教えてもらう。
しかし、おじいちゃんは俺以上に英語がチンプンカンプンで、変な英語を話すのである。
あまりにも可笑しいので大笑いしていたら、オーナーに見つかり、おじいちゃんが怒られてタミル語講座は終了。
おじいちゃんは一応仕事中なのであった。

インド映画をテレビで見て、シャワーを浴びた後、再びエグモア駅前へ。
仲良くなった兄ちゃん達と暇をつぶす。
2週間で覚えたタミル語を聞いてもらったり、旅や日本の話をして盛りあがった。

楽しく話をしていると、彼らの中に義足を着けた兄ちゃんがいることに気付いた。
じっと見ていると、仲間の一人が「こいつはね、駅を出た列車に飛び乗ろうとしたんだけど、失敗して右足を列車に轢かれ、足を切断することになったのさ。」と教えてくれた。
俺が「なるほど。」と頷くと、英語を話せない義足の兄ちゃんが「いい義足を作ってもらうために日本へと連れて行ってくれ」というようなことを訴えてきた。
周りの人に何て言ってるのか訳してくれと頼んだけど、義足の兄ちゃんの言いたかった事を誰も教えてくれなかった。

しばらくすると、義足の兄ちゃんが「ちょっと待ってろ」というようなしぐさをし、その辺に落ちていた紙で“折り紙”を始めた。
その様をじっと見ていると、どうやら鳥らしきものを折っているらしく、でき上がったのも鳥らしきものだった。
あまりにも不恰好な鳥なので、今度は俺が落ちていた紙で鶴を折った。
5分ほどで出来上がり、義足の兄ちゃんに見せるとメチャメチャ驚いていた。
すると周りにいた兄ちゃん達も集まってきて、一同「スゲ~!」と感心し始めた。
こうなると「折り方を教えてくれ。」の大合唱になるので、何度も鶴を折りながら周りの兄ちゃん達にレクチャーするのだが、皆折り方がメチャメチャなので、なかなか上手くできない。
1時間ほど教えたが、疲れたし、夕飯も食べてなかったので、「また明日ね。」と言ってその場を離れた。

駅前のレストランで夕食を済ませ、宿へと帰る。
途中、アイスが食べたくなったので店に寄ったが置いてなかったので、バナナシェークで我慢することに。ところが、このバナナシェークがものすごく美味い。
注文してから近くのバナナ屋へとバナナを買いに行き、クリームを冷凍庫から出して自然解凍する。
少し時間はかかるのだが、バナナの風味がフレッシュで飲みやすいのである。
明日もまた注文することにした。

宿に帰り、テレビ観戦。
プレミアリーグの「FULHAM×MIDDLESBROUGH」の試合を見る。
稲本が出場するのを待っているが、まったく出る様子が無い。
日本人の顔が見たかったのに…寂しい。