51日目 バンガロール
9時に起床。
浴室で洗濯をし、テレビでプレミアの試合を観戦しながら室内の日当たりの良い場所に洗濯物を干す。
毎日,手洗いで洗濯をするので、だんだんと洗うこともしぼることも上手くなってきているのが自分でも分かる。
まぁ、日本に帰れば全く意味のない作業なのだが。
天気が良い日にいつまでも部屋にいるのはもったいないので、外出。
次の目的地である村、“ハンピ”までのバスチケットを買いに行くことにした。
バスターミナル内にある予約オフィスに着き、壁に掲げられている時刻表でハンピ村を探す。
有名な場所なのですぐに見つかると思っていたが、俺の見方が悪いせいか、それともハンピが小さな村だからか、見つからないので、今度はハンピ観光の中継地である“ホスペット”を通るバスを探すことにした。
じっと時刻表を見ること5分、暇そうなオッサンとコリアンの兄ちゃんも加わって一緒にホスペットを探すのだが、やはりよく分からない。
結局、3人とも「窓口で聞いたほうが確実だよね?」という意見で一致したので、窓口で聞くことにした。
窓口の前に立ち中を覗くと、バスの予約は全てパソコンで管理されており、完全にIT化されていた。
バンガロールはインドで、いや、世界で最もIT産業が盛んな都市だけあって、さすがである。
窓口の姉さんは、すぐにホスペット行きのバスを検索し、バスのグレードもいろいろある事も説明してくれた。
ホスペットまではローカルから最高級のバスまでたくさんの便が出ており、どれで行こうか悩んだが、チェンナイ→バンガロール間でグレードの高いバスに乗り損ねたのを思い出し、今度こそはと一番高いチケットを購入した。
無事にチケットを購入し、昼食へ。
カレー以外の物が食べたくなったので、久しぶりに“マクドナルド”へ行くことにした。
マックの場所が書かれた地図を見ながらリクシャーに乗り20分。
ガンジーRdとブリゲイドRdの交差点で下車した。
トーマスクックの$→Rsレート表を見て、「換金率がもうちょっと上がってほしいなぁ…」なんて思いながら前を通り、マックがある場所へ。
ところがである。
マックがあることにはあるのだが、思っていたマクドナルドではなく、マックという名のレストランだった。
そのレストランで食べてもよかったが、どうしてもファーストフードが食べたかったので、近くにあった“ケンタッキーフライドチキン”へ。
ハンバーガーとポテト、コーラのセットで114Rs(約285円)もした。
ちょっとした安宿よりも高い。
日本の物価と比べてしまうと安いのだが、やはりファーストフードでもこの国では気軽に食べられない。
久しぶりにクーラーの効いた涼しい店内で快適な食事を済ませ、近くにあった“HMV”のようなミュージックショップへ。
古典音楽やインドのポップスなど、いろんなジャンルのインド音楽を視聴して歩き周り、インドでどんな海外アーティストが売れているのかも調査したりした。
庶民の娯楽が映画なので、インドで音楽と言えば映画音楽になるのだが、やはりヒットした映画で使われていた音楽が売れるらしい。
そんな感じでいろんな事を考えながら店内を物色していると、何度も店員が寄ってきて、これが一番売れている曲だとか、これがいい曲だと勧めてくれるのだが、あいにく日本からポータブルCDを持ってこなかったので聞くことができない。
旅に音楽があってもいいなぁ…
そう思った俺は、ウォークマンを買いに行くことにした。
ポータブルCDは日本と同じように1万円くらいする高価な物だが、まだまだカセットが主流であるこの国ではウォークマンが安く買えるという情報を店員から教えてもらい、さっそく探しに行くことにした。
大通りでリクシャーを捕まえ、シティ・マーケットへ。
“シティ・マーケット”という名前をガイドブックで見て、大きな百貨店に違いないと勝手に想像して来てみたのだが、全くの勘違いで、そこは薄汚れた下町にある大きな市場だった。
建物の周りには野菜などの食品を扱う露店が何百、何千と軒を連ねており、行き交う人々も数え切れないほど大勢おり、活気に溢れている。
人ごみをかき分けながら薄暗い建物の中へと足を踏み入れてみると、視界が急に鮮やかになった。
辺り一面、見渡す限り全ての店が花屋だった。
マリーゴールドをはじめとする様々な花が売られており、それぞれの店には花が堆く積まれていた。
葉で作った皿の上に花を盛ったり、花のアクセサリーを作って売っていたりとどこの店も忙しそうだった。
充満した花の香りを嗅ぎながら喧騒から逃げる様にあまり人気のない2階へ。
2階では日用雑貨が売られていたので、ウォークマンもあると思って探したのだが、どの店でも扱っておらず、買うことができなかった。
どうしても今日中にウォークマンを買いたくなってきたので、シティ・マーケット周辺を歩きながら探すことにした。
話しかけてきたオッサン達に聞いてみたり、置いてありそうな店に立ち寄ったりして探すものの、SONY製の高価な物しかなく、300Rs以下のお手頃な品はなかなか見つからなかった。
ひたすら歩いてウォークマンを探していると、いつの間にか2Kmも離れた駅前の繁華街まで来ていた。
サンダル履きの足も痛くなってきたので、休憩も兼ねて近くにあったショッピングセンターに入った。
どこか座れる場所を探してウロウロしていると、偶然にもウォークマンを陳列しているお店を発見。
早速店内へ入り、オッサンにウォークマンを見せてもらった。
やはり日本のメーカー物は高かったが、中国製の玩具みたいなウォークマンが250Rs~500Rsで売っていた。
当然、オートリバースや便利な機能も満足に付いておらず、再生しかできないような代物だったが、聞けるだけで十分なので、一番安い250Rsの品を購入した。
カセットも買ってすぐにでも音楽を聞きたかったのだが、近くにカセットを売っている良い店がなかったので明日買うことにした。
ホテルに帰り、フロント前に備え付けられたソファーにもたれかかり、イギリスから来た兄ちゃんと旅の話をする。
兄ちゃんは「マイソールで泊まったホテルはクソだったよ!」などと、訪れた場所をことごとく“FUCK”という単語を連発しながら説明してくれた。
“FUCK”という単語が日本人にとっての“バカ”という単語くらい気軽に使われている事がなんだかとっても可笑しかった。