(踊る大捜査線記事の第5弾。急に記事を大量投下していますが、乗っ取りではありません。気まぐれです。)
踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!
冒頭から怒涛のダイナミック展開!伏線回収も冴え渡る120点満点のオープニング
冒頭のアニメーションも迫力があって良かったですが、その後の空撮から道路の真ん中へグーっと視点が下がっていき、身代金受け渡しの展開へと雪崩れ込んでいく流れは、かなり気分が上がりました!
本作にしては珍しく冒頭から本格的な事件が発生し、緊迫感が最高潮に達したところで、満を持してメインテーマのイントロが流れて青島が登場するくだりも最高でした。
しかも、そこから青島本人が身代金を安住(大和田伸也さん)から受け取り、都心の街中を地下鉄、高速と所かまわず駆けずり回るシーンは圧巻でした。大勢のカメラを持った人が追いかけてきたり、車を通行止めにしたその横を青島が走り抜けたりと、かなりダイナミックな展開で見ごたえは抜群です。
一人必死で走っている人がいて、周りの大勢の野次馬が呑気に追っかけてくる感じ、『HERO』2作目の1話を思い出しましたがお祭り感があって結構好きなんですよね。笑 実際にやられたら迷惑ですが…。
そこからドローンが現れて身代金が回収されたかと思いきや、SATの登場によって電波を遮断。さらにその上空からヘリまで飛んでくるという大盤振る舞い(笑)。どんどんスケールがカンストしていく様が(良い意味で)バカバカしくて実に面白かったです。こういう予算の使い方は大歓迎ですね。
それにしても、本当に長い長い伏線でした…!!
わざわざ苦手な一気見をして、全シリーズを履修した甲斐がありました。リアルタイムで追ってきたファンなら、なおさら感慨深かったのではないでしょうか。勝手な想像ですが少なくとも私は嬉しかったです。
本シリーズに登場する犯人の多くは反省もなく、再登場しても新たな犯罪に手を染めていたりと、過去作では「犯人サイドに同情させないストーリーテリング」が徹底されていました。
そんな中で冒頭に登場した犯人(映画1作目の彼)を見て、「また再犯しちゃったのか」と何の疑いもなく観ていたのですが……まさかの「予行演習」で、犯人役の本人はすっかり更生していたというオチ。コメディシーンではありつつも、どこか感動的でした。
もう一人、映画1作目を彷彿とさせる居眠りシーンのあと、ラストのタクシー運転手として登場するのがドラマ第1話のあの人だったのも良かったです。
過去作通した長すぎる伏線と、手間暇かかりすぎたダイナミックな演出に完全に騙されました。ここまでのオープニングは120点満点です。
「映画の見過ぎだ」というフィードバックも笑いました(笑)。
一部原点回帰のストーリーと魅力的な新旧キャスト
その後の本編も、期待以上に楽しめました。
映画1作目の日向登場以降、サイコ方面に舵を切っていたシリーズですが、今回は小さなエピソードの積み重ねから、最後にちょっと大きな事件から青島たちが市民を守って終わるという構成になっていたのも良かったです。
青島と同期の北丘(佐々木蔵之介さん)の会話シーンもかなり魅力的でした。今後新体制でシリーズをやるなら、ぜひ毎回この二人のやり取りを入れてほしいところです。
同期役がポッと出の新キャラではなく、映画2作目に少しだけ登場した佐々木蔵之介さんというキャスティングも効いていました。
本広監督こだわり(?)のカーアクションシーンも健在で良かったですし、以前はサボり気味だったアクションやカット割りなども適度に作り込まれていて、映像的ルックが過去作に比べ格段に整っていたのも好印象でした。
今回から登場した芝田(趣里さん)と美浦(白洲迅さん)のキャラクターや青島とのやり取りも、なかなかハマっていて悪くなかったです。この3人が湾岸署に戻ってきて連続ドラマをやってくれても面白そうだなと思いました。
神田・秋山・袴田の3人が真下を調査する第三者委員会に潜り込むシーンや、眉田が犯人役のなぞなぞに全答してしまうくだりも素直に笑えましたし、中西をはじめ、画面に出てこない人物もセリフの中で触れられていたのが嬉しかったです。
それにしても北村総一朗さん、お元気ですね!
魚住が警察退職後に評論家気取りのユーチューバーになっているというのも、妙にリアルで笑いました。
過剰な劇伴とコメディ描写への違和感
ただ……映像のルックは頑張っていた一方で、音楽の使い方には一部違和感がありました。
青島たち3人が妄想研究者を追い詰めるコントシーンで、毎回わざとらしく大仰な劇伴が流れるのですが、演出側は笑いを誘っているつもりでも、クドくてうんざりしてしまいました。
あそこは当人たちが至極真面目にやっているからこそオチが生きて笑えるのに…オープニングではそれができていただけに、なぜ本筋のエピソードではできないのか、もったいなく感じました。
劇伴自体は松本晃彦さんで、良かったんですけどね。
また、警視庁クリニックの医師・指方(佐藤二朗さん)のコメディ描写が過剰だったのも気になりました。コメディというか、コントにすらなっていないというか……やりすぎるとバラエティ番組のノリになってしまうので気をつけてほしかったです。
大慌てでコートを着ようとして聴診器が引っかかるシーンなどは面白かったので、基本は真面目な医師として描き、ここぞという場面だけでちょっぴりふざけるくらいの方が素直に笑えたのになと残念に思いました。
(ちなみに、俳優さんが一本調子な演技になっているときは基本的に監督の責任だと思っているので、本作においては本広監督の責任です)
あとは、美浦が理屈など関係なく犯罪を犯すことについて「若い世代にとっては〜」みたいなことを言い出す展開も少しノイズでした。
美浦たちの勘と五十嵐(加藤満さん)の情報から解決することで、「ネットによる情報収集」と「足で稼ぐ聞き込み」の両方の良さをストーリー上フェアに描けているのに、あの露骨なセリフのせいで一気に没入感が削がれてしまいました。
管理官設定とキャラクター描写のノイズ
そして何より、本作最大のノイズだったのが、真下の子供である勇気(増田貴久さん)が管理官に抜擢されているという設定です。
真下と同じくらいの立ち位置で下っ端から始まり、「出世は約束されているけれど壁にぶつかり、青島たちに励まされる」くらいの描き方で十分だったのではないでしょうか。
無茶な人事設定のせいで、勇気を管理官から外そうとする今回のヒール役(役名は存じ上げませんが…)の方が真っ当なことを言っているように見えてしまいますし、
青島が勇気に管理官を続けさせようとするのも正気とは思えませんでした。
この設定のせいで、タカとリクの登場などの感動的な場面すらノイズだらけになってしまったのが悔やまれます。
タカとリクの2人に接する沖田のシーンは、心が温まって良かったんですけどね。ぜひ真矢さんが二人に親子丼を振る舞うスピンオフドラマが見たいです。笑
その上、雪乃が会議室でお菓子を配るのはギリギリ許せるとしても、演説を始めるシーンはあまりにも酷で…雪乃、正気か? お前にはガッカリだよ…!と思ってしまいました。
水野美紀さんに大暴れさせたかったのかもしれませんが、彼女はかつて青島に救われて警察官になった人物です。キャラクターをもっと大事に扱ってほしかったです。
『教場 Requiem』や『ボーダレス』など、近年の君塚さんの脚本の仕上がりから期待値はかなり下げて臨んでいたので基本的に満足度は高かったのですが、他はどうあれ真下管理官の設定だけは不要だったように感じます。
また、サラリーマン刑事と言われる通り、「警察官だけどやっている業務はサラリーマンっぽい」という部分がドラマの面白さだったのに対し、今回は映画2作目以降のどこか浮世離れした描写ばかりが加速していて、サラリーマンらしさがほとんど見られなかった点も残念でした。
唯一、勇気が和久さんたちの過去の会話データをAIに学習させて「AI和久さん」を再現していたネタは、実際に会社で支給されたAIに上司の録音をぶち込んで疑似上司を作っていた人がいたのを思い出して、「リアルだな」と思ってしまったのですが…。笑
犯人逮捕直前に過去作の名シーンを流す構成も正気を疑いました…。
個人的に過去の目場面を流すなら、過去の劇場版でもやっていた長尺タイトルバックで流すのが一番スマートで感動できたと思うのですが…。なんでタイトルバック短くしちゃったんでしょうか…。
やっぱり「所轄の青島」が好き!続編への期待
序盤、青島がかつての和久さんのような立ち位置になっている姿は感慨深かったものの、終盤で露骨に和久さんを意識したセリフを連発し始めたあたりからは、さすがにやりすぎで少し萎えてしまいました。
和久さんオマージュは最後にボソッと言った一言だけで十分だった気がします。
あとは、やっぱり所轄で働く青島が見たいなと思っていたので、最後のオチにはしっかり笑わされましたし、「これなら続編もナシではないかな!」と思えました(笑)。
あの刑事課の部屋の中でのやり取りが、また観たいですね。
ニセ青島事件も面白かったですが、本編とは別でTVer限定のミニドラマとかでやってくれても良かったかもしれません(笑)。
あと、忘れていましたがとても良かったのがエンドロール。
ラストTVの無念を晴らせました。ありがとう。
それでええんかと思う描写はありましたが、見終わった後の満足度はかなり高かったです。
今回見たシリーズ作品で面白かったランキング
基本的に順位をつけるのは苦手なのですが、今回は順位が明確に決まったので個人的ランキングをつけてみました。
1位 連続ドラマ版
2位 SP1 歳末特別警戒スペシャル
3位 SP2 番外編初夏の交通安全スペシャル
4位 movie1 湾岸署史上最悪の3日間!
5位 movie5 メトロポリスを駆け抜けろ!
6位 交渉人 真下正義
7位 SP3 秋の犯罪撲滅スペシャル
~
108位 movie2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
?? (警視庁捜査資料管理室 シリーズ)
109位 容疑者 室井慎次
110位 movie4 新たなる希望
111位 movie3 ヤツらを解放せよ!
~
1012位 LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件
1013位 室井慎次 敗れざる者
1014位 室井慎次 生き続ける者
1~7は全て面白かったのですが、順位付けするならこの辺かなといったところです。連続ドラマ版が圧倒的に面白かったですが…。
100位以降はつまらないけどまあ楽しめるところもあった作品。
『警視庁捜査資料管理室』はシリーズ外なので順位はつけませんが入れるとしたらこの辺かなといったところ。ほぼリアルタイムで見ていて、普通に面白かった記憶があるので最初はmovie2よりも上にしていたのですが(笑)和久さんとの別れのシーンに免じてこの位置になりました…。
1000位以降は見なくてもよかった作品。6時間もかけて見てシリーズ全体が嫌いになりそうでした。
メトロポリスが5位なのは真下管理官のシーンで大幅減点はあったものの、見ていて楽しかったから…ですかね。笑
ところで、室井と青島と森下はいつきりたんぽ鍋を食べるんでしょうか。ずっと待っていたのですが…。笑