一昨年「相棒」を卒業された反町隆史さんを主演に迎え、脚本は「マイファミリー」「モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-」などを手がけたミステリーの名手・黒岩勉さん。

 

ということで、本来ならかなり期待値が高くなりそうなのですが、殺人球菌がテーマだったり、反町隆史さん演じる主人公・藤巻がボソボソ話す役だったり、映像作品としては地味な画が続かないかなと心配もしていました。

 

初回を見てもその印象は大きくは変わらなかったのですが、黒岩勉さんのスピード感のある巧みな脚本でグイグイと引き込まれて見てしまいました。

 

主人公はモサッとしていて鈍感なキャラクターではあるのですが、まっすぐで、内心は家族思いでもあるところが、単なる巻き込まれタイプの主人公とは違う魅力があって良かったです。

 

あと、久留米(波瑠さん)のキャラも面白いですね。主人公と久留米のやり取りが一番好きです。笑

 

佐々木蔵之介さん演じる白鳥が登場した瞬間から怪しくて、仮に犯人でなかったとしても重要人物であることに変わりはないので、犯人候補として引っ張るのは無理があるなと思っていたのですが、

 

初回で、まず白鳥が殺人球菌・通称ギフトを使った犯人であることを明かして、その後ギフトを作った犯人が別にいるという可能性を残して話を引っ張るところも上手いなと思いました。

 

佐々木蔵之介さんの真顔で恐ろしいことを言う、狂気に満ちあふれた演技も素晴らしいですし、津田健次郎さんの狂った感じや、筒井道隆さんの他のキャラとはちょっとズレたサイコパス演技も緩急が効いていて面白いです。

 

また、この手の長編サスペンスドラマでは無能で足を引っ張る存在になりがちな警察も、尾上松也さん演じる神林が優秀なので、話が早くて助かりますね。笑

 

倉科カナさん演じるアルカナムのオーナー・安曇がどこまで本筋に絡んでくるのかも気になります。

 

「グレイトギフト」

主演:反町隆史

脚本:黒岩勉

演出:本橋圭太(1,2,5)、星野和成(3,4)