
こんにちは!
カウンセリングサービスの伊藤顕市(いとうけんいち)です。
毎週月曜日「仕事の心理学」のコーナーは、山田耕治カウンセラー、すのせさちこカウンセラー、北さとしカウンセラー、そして私、伊藤顕市の4名でお届けさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
・:*:・・:*:・・:*:・・:*:・・:*:・・:*:
突然ですが、許せない人はいますか?
それは、厳しかったお母さん?
それとも、否定ばかりするお父さん?
はたまた、理解してくれなかった学校の先生?
自分を仲間はずれにしたあの子?
裏切ったあいつ?
私を捨てたあのクソ野郎?
パワハラ、モラハラのハラスメント上司?
カウンセリングをしていると、「許せない!!」と傷ついたクライアントさんの心に寄り添うことがよくあります。
カウンセラーの立場として、痛みに寄り添いながらも「許し」の大切さをお話しさせていただきます。
偉そうに許しの大切さをお話しすることのある僕ですが、僕自身「許せない!!」と感じる奴がいました。
だからこそ、「許せない」という気持ちも理解できるのですが、頭で「許し」の大切さを理解していても、心になかなか落とし込めないものです。
カウンセリングサービスの代表、平準司カウンセラーの名言に
『「ごめんね〜。てへぺろ」でたいていのことは取り返しがつきます。』
という言葉があります。
〈平準司の解説〉
間違ったことを悔いるのではなく、「ごめんね」とあやまり上手になることを実践してください。
子どもたちはそれを真似し、「あやまることで、罪悪感をもちつづけないでよい」ということを学びます。
あなたを含め、あやまることのできない大人が多いのは、「あやまったって許してもらえない」という信念があるからです。それを手放さないと、一生、それに苦しめられることになるのです。
と、謝罪することの大切が説かれています。
確かに罪悪感を持ち続けないこと、罪悪感を手放すことで、それに苦しめられることもなくなるでしょう。
しかし!
それは、やった側の話。
やられた側としては、「ごめん」なんかで許せるはずが無い!
僕自身、「怒り」「恨み」を手放すことができなずに許せない奴が居ました。
「たとえその相手が、頭を地面に擦り付けて許しを乞うことがあろうと、その頭を踏みつけてやる!」
「そいつが死ぬまでに、弱ったそいつから受けたパワハラ、モラハラ、搾取、思い当たる全ての痛みを倍返しにしてやる!」
そんなふうに思って、考えただけでも髪が逆立つほどの怒りを感じるような、許せない奴が居たのです。
ところが、そんな許せない奴が僕のところに謝罪にやって来ることがありました。
きっと悪い物でも食べてしまったのでしょう。あるいは、豆腐の角に頭をぶつけたのかもしれません。
ただ誠実な謝罪に、僕は言葉を失ったと同時に、腹に煮えるもの、詰まっていたものも見失ってしまいました。
そして、すんなり謝罪を受け入れてしまったのです。
「ごめん」の一言で、こうも簡単に許してしまう自分のことを「しょ〜もない」と感じましたが、カウンセラーの仲間は「器の大きさだ」と称賛してくれました。
心にあったネガティブなものが完全に消えてなくなったわけではありませんが、憑き物が落ちるように心が軽くなるのを感じ、それが「許し」だと痛感しました。
「許し」とは、犯した罪を無かった事にすることではありません。
無理を通して道理を引っ込める事でも、借金をチャラにする事でも、怒りを我慢したり恨みから目を背ける事でもありません。
「許し」とは、怒りや恨み憎しみが“気にならなくなる”事ですから、「手放し」といった方がしっくり来るように思います。
「許し」とは、相手のためではありません。自分自身の心を解き放つために大切なのです。
許せない奴を憎み呪い、夜中に藁人形を持って出かけても、相手はぐっすり眠っているか、ボーッとスマホを見ているかです。
しんどい思い、苦しい思いをするのは他でもなく自分自身です。
「許してなるものか!末代まで呪ってやる!」と怒り恨み憎しみの炎に焼かれるのも仕方がないのかもしれません。
それでも、怒り恨み憎しみの炎に焼かれる姿に心を痛める人がいること。
許せる器の大きさを誇りに思ってくれる人がいることも、忘れないでください。
許せない奴を無理に許すこともありません。
ただ、心が解き放たれ、笑い合える日々が来ることを微力ながら祈らせてください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
来週は、山田耕治カウンセラーです。お楽しみに。
・:*:・・:*:・・:*:・・:*:・・:*:・・:*:
◎伊藤顕市のブログ&プロフィールはこちら
★初回無料!伊藤顕市のカウンセリングは、平日の20時〜と、21時〜おこなっています。
ご予約は
カウンセリング予約センター
06-6190-5131まで
受付時間 12:00-20:30
月曜定休(祝日の場合は翌日代休)、他