連休が終わってから忙しくなってしまって、なかなかブログの方に気持ちが向かないのですが、ヘリテージも上手く行きましたので手元に来るまでの間にアレクサンドロス大王の話の続きでもある、ヘレニズム王国のコインを紹介したいかと思います。(と書くと勘の良い人は何を落札したか解ったりして。)

 

アレクサンドロス大王の死後、側近や将軍達によって大王の征服した領土を分割する形でヘレニズム王国が作られます。

後継者(ディアドコイ)戦争と呼ばれた戦争中に、リュシマコスやカッサンドロスの王国は早期に敗北により崩壊。アレクサンドロス大王の血統も戦争中に断絶してしまい、最終的にアジアのセレウコス朝、エジプトのプトレマイオス朝、マケドニアのアンティゴノス朝が残り、ヘレニズムの3大王国となりました。

他にもギリシアの都市同盟やペルガモン王国といった勢力も加え、最後のヘレニズム王国になったプトレマイオス朝がローマに敗北するまでの約300年間がヘレニズム時代と呼ばれます。

 

今回はセレウコス朝のアンティオコス1世の銀貨の話を。

 

セレウコス朝 紀元前281-261 アンティオコス1世

テトラドラクマ銀貨

AU Strike5/5 Surface3/5 edge bend

 

セレウコス朝は以前紹介のスタテル金貨で名前が出ましたアレクサンドロス大王の側近であるセレウコスによって作られ、大王の征服したアジアの大部分を自らの領土とした為、ニカトル(勝利者)と呼ばれることになります。

 

アンティオコス1世は彼の息子となり、小アジアに侵入したガラティア(ガリア)人を撃退した事から、ソテル(救済者)と呼ばれた方ですね。

コインの肖像を見ると彫りの深い、ちょっと困ってるようにも見えるかなり特徴的なお顔です。

 

彼はアレクサンドロス大王の行ったギリシア人と東方人の集団結婚で、父セレウコスとソグディアナ人の母アパメとの間に生まれたのでそちらの血も入っているそうです。集団結婚は後に多くは解消してしまったそうですが、セレウコスとアパメの関係は良好だったそうで大王の考えた政策の理想のカップルだったみたいですね。

 

そして、アンティオコスの話では必ず取り上げられるのが恋の病の話ですね。

 

以前紹介したデメトリオス(攻城者)との同盟の政略結婚で彼の娘であるストラトニケがセレウコスに嫁ぐのですが、アンティオコスは17歳と年若い彼女に恋したものの、義母に思いを告げる訳にもいかず思い悩んで病床に伏してしまいます。

医師エラシストラストの機転により事実を知ったセレウコスは二人の関係を了承し、アンティオコスとストラトニケを奥地アジア統治の王と女王として父からの命令で結婚させるという建前で事態を収めたという話ですね。

 

アンティオコス1世の時代のヘレニズム世界

 

思い人と添い遂げ、次のセレウコス朝の王となるアンティオコス2世も二人の間に生まれましたが、治世の後半はプトレマイオス朝やペルガモンとの戦争や長男を謀反の疑いで死罪にしなければならなくなり、幸福な最後とはいかなかったようです。

 

裏面はオンファロス(世界の中心を意味する石の遺物)に腰掛け弓矢を確かめるポーズのアポロン神。

 

セレウコスは母ラオディケが夢の中でアポロンと交わって身籠ったとされており、アポロンの末裔とされるそうです。

という事で歴代のセレウコス朝のコインにはアポロンの図柄が使われていることが多いのですが、もう一つラオディケが生まれた子に渡すようにアポロンから受け取った錨の刻印の指輪の話もありまして、セレウコス朝に流通した小アジアなどの銀貨にはカウンターマークとして錨の打刻がされた物もありますね。

 

発行地はティグリス河に面した都市セレウキア。

 

セレウコス朝はアジアの地に沢山の都市を建設しており、中でもティグリスのセレウキアとシリアのアンティオキアが首都だったこともあり、発展した大都市として有名ですかね。

 

ヘレニズム王国の初期の統治者達のコインはデザインや作りが素晴らしく、セレウコス朝は後のバクトリアやパルティアのコインとの繋がりもありますので、まずはアンティオコスかなと思って入手してみました。(というかセレウコス発行の物は高すぎて無理!)

しかし、表の肖像面にだいぶ傷があるのと、edge bendということで縁に傷が…。それでも最近は初期のヘレニズム君主のコインは、ほとんど出て来なくなってきましたので確保してみたのであります。(いずれハイレリーフとかもっと良い物が入手出来たら入れ替えてしまうかもしれませんが。)

 

セレウコス朝のコインは、上で書いたプトレマイオス朝との戦争などで地中海側に集中しなくてはならなくなり、アンティオコス1世の死後にバクトリアの独立やパルティアによりアジア側の領土を失い衰退していく事になるのと、内紛による政治的混乱や戦争であまり魅力的な方がいないので、後の時代のコインの入手はどうしようかなと思っているのですが、アンティオコス3世の銀貨はちょっと欲しいですね。

 

しかし、予算的には今年の前半どころか、後半も余裕が無いので大物狙いはしばらくは無理そうです。

何とか年末年始あたりを目標にしようかなと思います。(それまで我慢できるの?)

 

しばらくは手持ちの残りのコインを紹介していこうかと。

 

ではこんな所で。

 

さて、せっかくの休みなので何かしないと、という事で父の蔵書の整理と引き取りをしていました。

前に昆虫関係の本は引き取り済みでしたが、残りの本は今度ねと言っていたらいよいよ処分されそうになって来ちゃいまして、持って行く本の選定をする事に。

 

父はかなり読書家だったので壁一面の蔵書の山なのですが、とても全部は無理なのでこれと思った物をいくつか抜き取り。

うーん、マルクスの資本論なんて今持って行かないと一生読む機会なんて無さそうだけど…。あっ、マキアヴェッリの君主論は読めそうだから持って行こう!といった感じで本棚をひっくり返しておりました。

 

で、持ってきた本の中でちょっとコインに関係ありそうな話を一つ。

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「ボルヘス怪奇譚集」という、東西の古代から近代までの不思議な物語や伝説を集めた本です。

幽霊物語や人喰い鬼の伝説といった、どれも1、2ページの”短くて途方もない話”の集合の中で、「アレクサンドロス大王の神話」という話があります。

内容は1ページに満たないくらい短い、他の本の一節から引用した話のようですが、ロバート・グレイヴズという方の詩が元のようです。

 

アレクサンドロス大王がバビロンで死なず、アジアの地で迷う夢の話として、そこで出会った軍隊に加わり、報酬として受け取った金貨の肖像を見て、「これは私がアレクサンドロスだった時にダリウスを破った記念に作らせたものだ。」という所で終わる短いお話です。

 

そもそも何で大王死んでないの!?とか疑問もありますが、これも古代から近代まで沢山作られた”アレクサンドロスロマンス”の一つなのかもしれません。

 

この話を読んで私が印象的だったのは報酬として受け取る金貨なのですが、自身の肖像というのですから、これは以前に紹介したスタテル金貨の事?

肖像のデザインとしては女神アテナなのですが、後期に打ち出された物は男性的な表情になり、大王自身の顔ではないかと言われているそうですので、私はこれが一番しっくり来ますね。

 

「100 Greatest Ancient Coins」から、ヒュダスペス河の戦いの勝利の記念貨とされるデカドラクマ銀貨。

 

しかし、記念貨となると有名なのは上の画像のデカドラクマ銀貨もありますし、特定の会戦を記念した金貨も無いとは言い切れない気もしますので、真相は詩人に聞いてみないとですね。

 

初めてこの本を読んだのはまだ子供の頃で、風邪をひいて寝ていて暇な時に父の本棚から見つけて読んだのが最初なのですが、以来ずっと頭の隅に残っていた印象的な話でした。

当時はまさか自分がアレクサンドロスの金貨を手にするとは夢にも思っていませんでしたが、この話を読んだ事によって世界のどこかにあった金貨がピクリと動き、以来ジリジリと数十年掛けて自分の方へ近寄ってきて、ある日ピタリと自分の手に入って来たと書くと、なんだかボルヘスの話みたいな気がしてきますね。

 

しばらくこの本どこに行ったのかと思っていたのですが、ちゃんと父の本棚に戻っておりましたので、ちょっと懐かしい気持ちになりながら連休中に読んでいたのでした。

 

ではこんな所で。

 

ふー、やっと連休ですね。

TICCに行こうかなと思っていたのですが、やはり休日中とあって混むみたいなので今回は見合わせとします。

ちょっと仕事的にはまだまだ油断できない事もありますし、そもそも予算が無いですから余計な物を買ってしまうイベントは危険ですからね(笑)

 

という事で水槽の掃除します。

しばらく放っておいたらだんだん水槽の中も外もモサモサになってきてしまいました。

部屋の中に緑があるのは良いのですがジャングルになると困るのでトリミングです!

 

チョキチョキ…こんなもんかな。なんかすぐに伸びそうですが貧乏性なのでこのくらいで。

 

さて、次はこっち。

 

床に置いてあるボトルアクアなのですが、中の住人はオオゲンゴロウ(ナミゲンゴロウ)のゲンさんです(いま命名。)

以前から水生昆虫飼いたいなと思っておりましたので去年の今頃から飼育を始めました。

 

どうせなら飼育容器にも凝りたいとボトルアクア風の容器に、水生昆虫は水面で呼吸したり、ゲンゴロウは甲羅干しもするので通気性を良くするために金網の蓋を自作してみました。

以前からこんな感じの”水生昆虫飼育セット”とかあればいいのになあと思っていたので、我ながら良くできたと自画自賛ですな。

 

中身は上の水槽から適当に切ってきた水草と甲羅干し用の木の枝を入れ、これまた改造品なのですが電動ポンプ付きのスポンジフィルターを入れて、さて、肝心のゲンゴロウはというと、これは採集ではなく近所の熱帯魚店から買ってきたのです。

結構いろんな所へ採集に行った事があるのですが、オオゲンゴロウは私見た事なかったりします。

タガメや小型のゲンゴロウ類は見た事ありますのでちゃんと探せばいるのかもしれませんが、横着というか、立ち寄ったお店でつい見てしまった事からここまで色々凝った事になってしまったのですね。

 

で、掃除ですがこっちは簡単ですね。ゴミと共に水半分抜いてまた水をジョバー。

オオゲンゴロウは丈夫なので水道水でもいいらしいですが、フィルターのバクテリアの為にカルキ抜きだけはしています。冬も保温はいらずにそのまま部屋に置いたままで越冬できましたので本当に手間いらずですね。

餌は乾燥コオロギをお湯で戻して夏は2~3日に一匹、冬は3~4日くらいの間隔で。良く煮干しとかも言われますけど昆虫性の餌の方がいいらしいので。

 

なんかゲンゴロウの飼育解説みたいになってしまいましたが、オールの足をヒョイヒョイ動かして泳ぐ姿はなかなか可愛いです。

 

と、良いことずくめと言いたいのですが、一つ欠点がありまして、ゲンゴロウって結構強い臭いがするのです。

水が臭いとかではなく、ゲンゴロウはゴミムシやオサムシに近縁ですのでどうしても甲羅干しの時に特有の”ゲンゴロウ臭”がしまして、ちょっと知らない人が嗅ぐと臭いと思うかもしれませんね。

 

普通の水槽で飼う場合はガラス蓋をしてしまえばある程度臭いは軽減できると思うのですが、臭いさえ無ければ文句の付け所が無いのになあといった感じです。

 

ではこんな所で。