明けましておめでとうございます。
三が日も過ぎまして、私は食っちゃ寝のお正月でしたが皆様はどうでしたかね?
新年始めはちょっと良い物…という訳でも無く、微妙に紹介できずにいた裸コインの話でも。(申し訳ないですが金貨はもう少しお待ちを!)
タソス島で作られたディオニュソスの銀貨の話です。
タソス 紀元前2~1世紀
テトラドラクマ銀貨
VF+
ディオニュソス(バッカス)はギリシア神話でブドウ酒の作り方を人間に教えた事から、ワインと酩酊の神様とされている方ですね。
自らの布教のために世界を放浪してインドまで行ってしまった事も有名ですが、私が好きなアレクサンドロス大王の東征のエピソードで、ディオニュソスがインドから帰還する際に供に付いてきた人達を住まわせたニュサの町の話というのがあります。
町の起源の真相はさておき、バクトリアからインドへと向かう途中に町へとやって来た大王は、証拠としてこの町の周囲だけに生えているというギリシア地方と同じ木蔦を見て喜び、町の自治をそのまま認めたという話ですね。
発行したタソス島はエーゲ海の最北端に位置する島。
金鉱山や鉱物資源が豊かな島でギリシア初期のアルカイック時代から都市が存在していたそうです。こちらの銀貨は島を支配していたマケドニア王国が勢力を拡大していたローマに敗北した後、ローマの影響下で発行された物となります。
あとは、タソス島に隣接したトラキア地方や、さらに先のドナウ河周辺のケルト族によって模倣された物も有名ですかね。ケルトコインって良く分からないですが、マケドニアのフィリッポス2世の模倣貨とかもあって面白いです。
ディオニュソスの銀貨はタソス島やトラキア沿岸の都市、その他流通した結構な広範囲で同じ図柄が作られたようで、ヘレニズム時代の代表銀貨の一つと言えそうですね。
裏面は棍棒を立てて休むヘラクレスの図柄。反対の手に持つのは以前紹介したネメアの獅子の毛皮みたいです。
碑文は、HPAKΛEOYΣ ΣΩTHPOΣ / ΘAΣIΩN (タソスの救世主ヘラクレス。)
マケドニアやタソス島のヘラクレス信仰にあやかった図柄といった感じですかね。
そもそも、なんで珍しく裸コインで持っているのかというと…なんででしょうかね?
いや、タソスの銀貨ってあまり状態の良い物を見かけないというか、浅打ちだったり、摩耗の激しい物が多い印象でして。それゆえ、こちらは結構深打ちで、ディオニュソスの頭の蔦の葉の葉脈もあるので悪くないかなと思って、つい買ってしまったのでした。
細部の刻印は二重打ち出し跡もあるし打刻されて作られた物だとは思うのですが、真贋はちょっと自信ないです。(重量合わせて銀で作られたキャスト品だともー分かりません!)
VF+評価と、花飾りの摩耗もあるのでスラブに入れても良くてXFだろうと思いますし、このまま触って楽しむコインとして持っていようかと思います。
さて、ちょっとコインから外れて鉱物の話をしますと、紫水晶というのは皆さん名前は聞いた事があると思いますが、アメジストと呼ばれる水晶の仲間ですね。
アフリカのナミビア、ブランドバーグ産の紫水晶。
結晶の付いている母岩の形を見て頂きたいのですが、結晶はドーム状の母岩の空洞で成長するのが判りますかね?
古代では紫水晶はディオニュソスの石とされ、持っていたり砕いて飲むと悪酔いしないと言われていたそうです。
古代ローマのプリニウスなんかは水晶ができる条件は特に寒気が厳しく雨の水と清浄な雪がある場所と言ったり、水晶は氷と関係する鉱物と思われていたそうです。さしずめ紫水晶はワインが凍った鉱物ですかな。(いや確か神話だとディオニュソスが水晶にワインを振り掛けただったかな?)
お正月についつい飲み過ぎても、ディオニュソスの銀貨と紫水晶があれば二日酔いも解消!という訳でも無く、私はお酒があまり強くないのでコンビニワインの小瓶一本も飲めば翌日まで熟睡してしまいます(笑)
ではこんな所で。
あっ、そういえば古代の今年の目標を書いていなかったですね。
とはいえ、古代も最近は値上がりが厳しいですし、予算は温存してここぞという時に使いたいので、まあテトラドラクマやスタテル銀貨の名品くらいにしておきます。
あとは、チャンスがあればローマの五賢帝のデナリウス銀貨の完収を目指そうかと。
という事で今年もよろしくお願いいたします。












