ちょっと息抜きで古代から寄り道をして今回は昆虫のお話です。

 

ブケファロスというと以前コインの話で触れましたが、アレクサンドロス大王の愛馬の名前ですね。

大王との出会いは印象的で、13タラントもの大金で売られていた誰も乗りこなせずにいた馬なのですが、大王はその馬が自分の影を怖がっているのに気が付き、頭を太陽の方に向ける事によって見事に乗りこなします。父フィリッポスは感動と同時に恐れも抱き「汝は自らにふさわしい王国を求めるが良い」と言った話ですね。

 

その後、大王と共に東方遠征の重要な戦いで役目を果たしながら、最後はインドのヒダスペス川の戦いで最期を迎え、大王は自らの愛馬の名前からブケファラと呼ばれる町をヒダスペス川沿いに作ったそうです。

現在は長い歴史の経過で町の位置は判らなくなっているそうですが、数百年後の帝政ローマ時代にはまだ遠征の記念碑も残っていたそうで、もしかしたら発掘調査で特定ができる日が来るのかもしれません。

 

さて、前置きが長くなりましたが同じ名前のクワガタがいるのですよという事で本題。

ヒラタクワガタというと日本にも生息しているクワガタなのですが、同じ Dorcus属の仲間で東南アジアのジャワ島に生息するダイオウヒラタクワガタという種類の学名が、

Dorcus bucephalus という事でアレクサンドロス大王の馬ブケファロスから取られているのです。

 

ブケファロスはギリシア語で牛の頭という意味なので、ヒラタクワガタの仲間の中でも特に太く巨大な頭部を持つこのクワガタは、まさに牛の頭の名前にふさわしいのではないでしょうか。

 

さらに学名というと、ヒラタクワガタ属 Dorcus titanus に付けられるティタヌスはギリシア神話の巨神族ティーターンからなので、こちらも巨大なクワガタ達にちなんで付けられた名ですね。文字どおり熱帯に住むヒラタクワガタ達はギネスサイズは100mmを超える物もいるので、小さな昆虫といえども巨大な神々の名前を付けても名前落ちはしないでしょう(しないよね?)

 

 

という事で手持ちの標本をいくつか。またまたごちゃ箱(いや、ちゃんと整理されてる箱もあるのですよ…。信じて!)

いつかはヒラタクワガタやオオクワガタの専用箱を作ろうと、ちまちま展脚しているのですがいつになる事やら。未整理品を加えると一箱埋まりそうではあるのですが、あまり力を入れていないので、まあ多分その内には。

 

左からオオヒラタクワガタ(スマトラ島亜種)、(パラワン島亜種)、(スラウェシ島亜種)。パラワン島のやつは103mmあるのでまずまずの大きさ。

 

うーん。肉眼で見ると展脚はバシッと決まってるように見えるのですが、写真に撮るとどうしてこうダメダメに見えるのか…。現代の七不思議ですね。

 

オオヒラタクワガタは、トリバネアゲハとかと同じように島ごとにかなり特徴的な形の亜種に分かれていおり、飼育も比較的簡単な大型種なので人気がある私も好きな種類です。飼育品はお値段もリーズナブルなので子供から大人まで長年愛されている素敵なクワガタ達ですね。

 

次に昆虫の話をする時はもう少し整理した箱も紹介したいのですが、あまりブログのメインテーマから外れた内容だとアメブロ運営から神罰が下る事があるとか無いとかだそうですので、また折をみてと思います。

 

ではこんな所で。