「食堂かたつむり」小川糸
フェイスブックを始めたものの、いまひとつ馴染めない。
ツイッター同様、一応アカウントは持っている、という状態に陥っている。
小説のショートレビューをFBに移行するなどと息巻いていたが、結局出戻りということになった。
出戻り特有の恥ずかしさはあれど、もとより覚え書き。
さりげなくスルーしていただければ・・・。
とはいえ、本作はちょっとお勧めしたい気がしないでもない。
普段黒いものばかり読んでいる私には、まぶしいぐらいの良書。
免疫不足なのだろう、満員電車の中で目がうるんで困った。
分かりやすいことは素晴らしい、と素直に思わせられる。
清冽な水が滔々と流れるようなテンポのよさは特筆モノ。
どこにも寄り道することなく、ラストに導いてくれる。
被災地
一年三ヶ月ぶりに被災地を訪れた。
前回同様、仕事の合間に「垣間見た」に過ぎないのだが。
積み上げられた瓦礫と、何百台あるのか見当もつかない廃車に圧倒される。
異臭の混じる潮風。
校庭で、ヒマワリに水をやる女性がいた。この学校は津波の後、焼け落ちたという。
植えたのは遠方の方なので、もっぱら彼女が育てているそうだ。
「一番大きいのは2.8mあるんですよ」
近くに水道があるわけもなく、ペットボトルをトランクに満載して一本ずつ注ぐという地道な作業だ。
よく話しかけられるのだろう。淡々と周囲の状況を説明してくれたが、瓦礫の受け入れを巡る各地の紛糾が悲しいと、一度だけ感情を表した。
どう挨拶して立ち去ればいいのか分からず、「何も出来ませんが」と言うと、「見に来てくれるだけでもありがたいです」と返されたので、ますます言葉を失った。
翌日通過した山間の村は、いまだに全ての商業施設が閉ざされたままだった。
目にするのは、作業に従事する人のみだ。
復興は間違いなく進んでいる。
しかし一方で、まだ何ひとつ終わっていないのではないか、との思いを強くした。
ジャーナリスト気取りではなく、もう一度、何ができるか考えたい。
前回同様、仕事の合間に「垣間見た」に過ぎないのだが。
積み上げられた瓦礫と、何百台あるのか見当もつかない廃車に圧倒される。
異臭の混じる潮風。
校庭で、ヒマワリに水をやる女性がいた。この学校は津波の後、焼け落ちたという。
植えたのは遠方の方なので、もっぱら彼女が育てているそうだ。
「一番大きいのは2.8mあるんですよ」
近くに水道があるわけもなく、ペットボトルをトランクに満載して一本ずつ注ぐという地道な作業だ。
よく話しかけられるのだろう。淡々と周囲の状況を説明してくれたが、瓦礫の受け入れを巡る各地の紛糾が悲しいと、一度だけ感情を表した。
どう挨拶して立ち去ればいいのか分からず、「何も出来ませんが」と言うと、「見に来てくれるだけでもありがたいです」と返されたので、ますます言葉を失った。
翌日通過した山間の村は、いまだに全ての商業施設が閉ざされたままだった。
目にするのは、作業に従事する人のみだ。
復興は間違いなく進んでいる。
しかし一方で、まだ何ひとつ終わっていないのではないか、との思いを強くした。
ジャーナリスト気取りではなく、もう一度、何ができるか考えたい。
みゆきClassics
近頃は片付けに追われている。
途中、懐かしいモノが出てきて手が止まるのは、よくあること。
中島みゆき(以下、みゆきさん)のカセットである。
今からちょうど30年前に衝撃の出会いを果たし、以来、心の歌姫としてながいながいお付き合いをさせていただいている。
当時、オールナイトニッポン月曜1部のパーソナリティーを担当しておられたこともあり、私は急速にみゆきさんへとのめり込んでいった。
初めて手にした「臨月」以前に、すでに7作のアルバムが発表されており、さかのぼってこれらを聴き集めていくのは実にめくるめく体験だった。
みゆきさん=「暗い」イメージが定着したのはこの時期に作られた多くの失恋歌による。
実際に泣きながら録音されたものも数曲あり、聴く者の胸を締め付けずにはおかない。
これらを聴きながら、私は生来の暗重いメンタリティーに磨きをかけていった(笑)
便宜上、敬意を込めて、リアルタイムで聴けなかった初期7作を「みゆきClassics」と勝手に呼んでいる。
なにぶん若い頃に聴き込んだものだから、歌詞にしろ伴奏にしろ、隅々まで記憶していることにわれながら驚く。
仕事で長距離を走ることが多いが、眠気覚ましに口ずさむのは、大体がこの時代のみゆきさんと決まっている。
今日も「あぶな坂」を歌いながら、中2の自分はどんな気持ちで聴いていたのだろうと、つい失笑してしまった。
恋愛感情を介さない男女の関係と、その中にも存在する一抹の救い。今ならそう読めるのだけれど。
さいわい、まだカーオーディオでカセットを再生することができる。
ただそれも時間の問題なので、少しずつCDを買い集めていこうか。
みゆきClassics。
そこには血のしたたるような恋愛の残骸が累々と折り重なっている。
だが、それでも相手を求めずにはいられない心根のいじらしさと、そして強さに、惹かれてやむことがないのである。
途中、懐かしいモノが出てきて手が止まるのは、よくあること。
中島みゆき(以下、みゆきさん)のカセットである。
今からちょうど30年前に衝撃の出会いを果たし、以来、心の歌姫としてながいながいお付き合いをさせていただいている。
当時、オールナイトニッポン月曜1部のパーソナリティーを担当しておられたこともあり、私は急速にみゆきさんへとのめり込んでいった。
初めて手にした「臨月」以前に、すでに7作のアルバムが発表されており、さかのぼってこれらを聴き集めていくのは実にめくるめく体験だった。
みゆきさん=「暗い」イメージが定着したのはこの時期に作られた多くの失恋歌による。
実際に泣きながら録音されたものも数曲あり、聴く者の胸を締め付けずにはおかない。
これらを聴きながら、私は生来の暗重いメンタリティーに磨きをかけていった(笑)
便宜上、敬意を込めて、リアルタイムで聴けなかった初期7作を「みゆきClassics」と勝手に呼んでいる。
なにぶん若い頃に聴き込んだものだから、歌詞にしろ伴奏にしろ、隅々まで記憶していることにわれながら驚く。
仕事で長距離を走ることが多いが、眠気覚ましに口ずさむのは、大体がこの時代のみゆきさんと決まっている。
今日も「あぶな坂」を歌いながら、中2の自分はどんな気持ちで聴いていたのだろうと、つい失笑してしまった。
恋愛感情を介さない男女の関係と、その中にも存在する一抹の救い。今ならそう読めるのだけれど。
さいわい、まだカーオーディオでカセットを再生することができる。
ただそれも時間の問題なので、少しずつCDを買い集めていこうか。
みゆきClassics。
そこには血のしたたるような恋愛の残骸が累々と折り重なっている。
だが、それでも相手を求めずにはいられない心根のいじらしさと、そして強さに、惹かれてやむことがないのである。



