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イケメンホームレス、モデルになる

春節明けの中国ネット界でかなりの騒ぎになった「イケメンホームレス」が、5月1日に広東省の農場で開かれたファッションショーにモデルとして参加。また中国ネチズンの「オモチャ」になっている。

知らない人のために解説すると、彼の名は程国栄、34歳。浙江省寧波市の街頭で撮影されたミックスアンドマッチ風のファッションに無造作ヘアー、鋭く憂いを含んだ眼の姿がウェブ上で大評判になり、中国ネチズンが「犀利哥(鋭い兄貴)」と呼んでそのファッションセンスとイケメンぶりを絶賛した。

その後、ネチズンによる「人肉検索(ネットを利用した個人情報収集)」をきっかけに、江西省上饒市から11年前に江西省から出稼ぎに出て以来、音信不通になっていた程国栄と確認された。散髪され、服も着替えさせられた結果、

これ(↓)が

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これ(↓)

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になったので、ネチズンの間には失望の声も広がったのだが、出稼ぎ時に受けた精神的なダメージからか家族以外の人間とコミュニケーションできない精神状態にある◇10歳と11歳の子どもがいるが、妻は自分が失踪していたときに父親と一緒に交通事故で死亡◇家が極めて貧しい……という悲惨な状態がネチズンの同情を集め、ウェブで新たな盛り上がりを見せていた。

その程国栄が、今度はファッションモデルとして「イケメン」に戻ることになったのだが、南方網によると、企画したのは広東省佛山市のプロデューサー、葉秋(仮名)。順徳市にある農場を観光地として有名にするため、程をモデルとして使うファッションショーのアイデアを思いついたという。

「犀利哥をモデルに使うことで、彼も報酬を得ることができる。双方にメリットがある」と、葉はまったく悪びれたところもない。程の叔父の程広華も「彼(犀利哥)本人も同意して、家族で話し合って決めた。彼の自信を取り戻し、社会とのコミュニケーション能力を鍛えるのが主な目的。必ずしもカネのためだけじゃない」

見た目は確かに「鋭い兄貴」に戻っている(↓)。

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ただ程にとって、ファッションショーは「未体験ゾーン」でしかなかった。ぎこちない動きしかできず、慌ただしくモデル業を終えた彼の気まずそうな様子を見て、ネチズンも

「感動的な出来事が『やらせ』に変わってしまった。『鋭い兄貴』にはもはや何の鋭さもない」

「現在のネットにはヘンなことが多い。ヘンなことさえすれば、人気が出る。ヘンであればあるほどいい」

「俺もちょっと『やらせ』でホームレスになろうか…」

と、「我らのアニキ」に冷たいコメントを浴びせた。

ネチズンの主張は正しいだろうか。確かに今回のショーには、主催者側にも程の家族の側にもカネ儲けの意図があった。だが11年間放浪していただけで仕事もない程が、家族を養うためのまとまったカネ(今回のギャラは3万元=約40万円)を手にするため、自らの話題を利用するのを、誰が安易に否定できるだろう。

程本人と交流したプロデューサーの葉も「『犀利哥』は自分で食べて行ける能力がある人間。ネチズンのオモチャではない」と言う。「慣れるまではなかなか話をしなかったが、慣れると子どもと母親の話をした。2人の子どもは可愛い、だから自分でカネを稼いで子どもを養い、母親に孝行する必要がある、と言っていた」

このファッションショーの合間に、程は突然「会場近辺のホームレスに水をあげたい」と言い出し、あちこちでホームレスを捜しては冷たいペットボトルのお茶をプレゼントしていたという。

インターネットが情報のフラット化に果たした役割は否定しない。程の身元が割れたのも、observingchinaが彼の記事をすぐに読めるのも、すべてネットのお陰だ。

だがインターネットが「人間の真実」に迫る力は必ずしも強くない。上記の中国ネチズンの反応を見ていて、つくづくそう思う。

中国最高の歴史教師の毛沢東批判(ノーカット版)

なぜか日本の新聞はあまり記事にしていないが、北京の私立高校・精華学校の人気歴史教師、袁騰飛の毛沢東こきおろしビデオで中国は大騒ぎになっている。



袁は首都師範大学卒業の38歳。ネットで公開されている講義ビデオは、アルバイト先の予備校での授業風景だ。授業のネット公開は08年から始まったが、軽妙な語り口と歯に衣着せぬ歴史評価で人気になった。

毛沢東を批判した問題の授業は4月下旬にネットで公開され、速攻で当局に削除された。一時ネットで逮捕情報も流れたが、袁本人はネットの映像で「万事OK。法律が公正な判断を下す」とコメントしている。

環球時報(リンクは転電)によれば、現在、北京市海淀区当局が調査中。本人は「授業は数年前のもの。最近出版トラブルに巻き込まれており、誰かが悪意をもって以前録画したビデオをネットに流した」と弁明しているらしい。

産經新聞が割合詳細に伝えているが、それでも袁の言葉はオブラートに包まれている。靖国神社についても袁はコメントしているが、なぜか記事ではカットされている。

せっかくなので、袁の毛批判を「ノーオブラート版」でお届けしよう。

     *

「毛には二つの言葉が当てはまる。国を治めるのに方なく(治国無方)、民を煩わせるのに術あり(擾民有術)。根っから分かっていない奴だ。毛はマルクス主義など決して理解していなかったはずだ。彼は英語もドイツ語もロシア語も知らなかった。マルクスの著作を読んだ事があるのか? ない。彼が一番よく見ていたのは『資治通鑑』。どうやって人をやっつけるとか、どうやってもてあそぶとか、中国古代の帝王の陰謀術を学ぶのは極めた」

「毛はどの程度賢いか? 彼は小学4年生程度の自然科学の知識も持ち合わせていなかった。恥知らずな知識人が彼は詩人だとか、甚だしきにいたってはロマン主義派の詩人だとか言うが、そんなことを言う奴は頭がおかしい」

「毛沢東は皇帝でなく教祖になった。あらゆる独裁者の心理は不健康なものだ。さらに知能が低いときている。合理的な判断ができる独裁者は一人もいない。20世紀の三大暴君、ヒトラー、スターリン、毛はすべてそうだ。三大ファシストの悪魔たちはすべてこの特性を備えている」

「3年災害(1959~61年、大躍進運動と相まって数千万人の餓死者を出したとされる)は完全に人災、毛災だ。控えめな推計でも餓死者は2000万人。外国の学者の統計によれば4300万人だ」

「毛主席紀念堂に行くな、と言っているんじゃない。行ってもいい。ただし、あれが何なのかは覚えておいたほうがいい。あれは靖国神社だ。中に祭られているのは、両手が人民の鮮血で染まった『首切り役人』だ」

「数千万人がむざむざ餓死して、まだ偉大な指導者と呼ぶのか? 彼が偉大な指導者なら恐ろしいことだ。この民族はまったく反省しない、ブタ同様の民族ということになるからだ。ヒトラーを偉大な指導者呼ばわりするか?」

「毛が中国のためにいいことをした、という人がいる。彼は自分の権力のためになることをしたのだ。なぜ原爆をつくる必要があった? 中国を守るためではなく、自分の尻の下のイスを他人にひっくり返されないためだ。今の北朝鮮と同じだ」

「毛には特徴がある。彼は若い女性を愛した。皇帝と同じだ」

「20世紀の三大魔王、ヒトラーが殺したのは外国人だった。スターリンと毛は自国民を殺したが、スターリンは法律と警察によって殺した。毛は? 誰でも殺したい者が殺した。人々はみな殺人権を持っていた。考えてみると、20世紀で最も最悪な歴史の一幕はわが国土で起きたわけだ。それも、それほど昔ではない」

「1949年以来、毛沢東がやった一番正しいことは死んだことだ」

「もしアメリカのパイロットが毛の長男(毛岸英)を『北京ダック』にしなかったら(毛岸英は米軍機のナパーム弾で焼け死んだとされる)、現在の中国は北朝鮮のキム王朝と同じになっていただろう。テレビが毎日伝えるのは『デブの長男』『デブの次男』『デブの三男』がどうした、こうしたばかりになっていたはずだ」

「時が経てば、おそらく私の生きているうちに起きると思うが、あれ(毛の遺体?)に出て行ってもらうことはできると思う。これは私のただ1つの望みだ。ネパール共産党は毛派なんだろう? 彼らにいるかどうか聞いてみたらいい。いるなら送る、タダでいい。運ぶのも手伝う。紀念堂丸ごとでもいい」

     *

これで逮捕されないのは、ひと昔前の中国を知る人間にとって本当に驚きだ。

リチャード・リーとマードックが目指す「第三極」

現在、世界の金融情報サービスはトムソン・ロイターとブルームバーグの2社に支配されている。イギリスとアメリカという過去の世界金融を支配してきた大国が金融情報をいまだに牛耳っているのだが、それに殴り込みをかけようとしている男がいる。香港の資産家リチャード・リー(李沢楷、↓)だ。そして、そのパートナーはあのルパート・マードックらしい。

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香港の大富豪、李嘉誠の次男であるリチャードはアジア最大級のIT・通信企業PCCWの社長。インサイダーブログ「Worm’s Turn」のWei Ming記者が、この特ダネ記事を伝えている。

記事によれば、2人が目指すのはブルームバーグスタイルの、生データから分析にいたる金融情報サービスの提供。マードックのニューズ・コーポレーションの子会社であるダウ・ジョーンズの情報も流す。リチャードの目標は、中国に起源を持つアジアの金融情報サービス会社をアングロサクソン資本のロイター、ブルームバーグにぶつけることなのだという。

リチャードとマードックの合意は厳重なかん口令が引かれている。香港を拠点にした新会社はすでに80人ほどを雇用している。新会社で指揮を執るのは、ブルームバーグに17年勤めたジェームス・オーグルビー=スチュアートという人物らしい。

07年の買収以来、WSJ紙へのてこ入れを続けてきたマードックが、次にその発行元であるダウ・ジョーンズの再生手術を始めようとしている。マードックの狙いと、リチャードの思惑が合致した、ということなのだろう。

来るべき「経済戦争」において英米勢力に対抗するため、パートナーとして中国(香港だが)を選ぶのは正しい。中豪連合という組み合わせも、アジア太平洋地域という地政学的な枠組みでとらえれば間違っていない。

世界中でメディア再編のスピードが加速している。しかし、生き残るのはカネにつながる情報を扱うメディアばかり。ニューズウィークの「ポイ捨て」がニュースになっているが、直接カネにならないニュースメディアの未来は暗い。

すべてはインターネットのせいだ!(とインターネットで叫んでみる)