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中国でツイッターは使える

既定路線通りグーグルが中国から完全撤退したが、「じゃあツイッターはどうなる?」という話題が徐々にニュースになり始めている。

いささか旧聞に属するが、ツイッターの創始者ジャック・ドーシーとアーティストのアイ・ウェイウェイが今月15日、ニューヨークでパネルディスッカッションに参加。ドーシーがアイの質問に答える形で「(中国進出するかどうかは)イエス、それは時間の問題だ」と答えた。

なぜかAPの記事では省略されているが、ドーシーは「イエス」という答えの前に“I would say”と前置きしていた(アイはドーシーの回答について「哲学的」としながら、「そういう(答えを)聞きたくなかった」とコメントした)。

ドーシーは「中国進出のためにはまず言語コードの問題を克服する必要がある」と言っている。中国人が中国語で登録ページから登録できるように、ということだと思うが、そんなに難しいのだろうか?

SMSとの言語互換性の困難さも挙げているが、ショートメールを使ってツイッターに投稿できればもちろん便利だが、機能としての優勢順位は高くない。中国政府の検閲を受け入れるかどうか、という難題を回避するための言い訳にしか聞こえない。

(勝手に)結論を言うと、ツイッタ―は中国に進出しないだろう。グーグル礼賛の流れの中で、検閲を受け入れるのはビジネスとしては大きなマイナスだ。でも大丈夫。もうツイッタ―は中国に進出しているから。

■「中国大陸の利用者は5万人」□

別に頭がおかしくなったわけじゃない。今でも中国でツイッタ―は利用可能だ。直接ツイッターのサイトにアクセスしようとすると遮断されるが、プロキシ(代理コンピューター)経由なら、一部リツィートなどの機能は制限されるが接続可能らしい。

現に中国から出国を禁止された詩人の崔衛平が「つぶやいて」いる。ウソか誠か毛沢東の孫である毛新宇の「つぶやき」もある。APの記事のアイの言葉によれば、中国で5万人がすでにツイッターを利用しているらしい。

人民網が去年の年末につくった「ニセツイッター」は2時間で閉鎖されたらしいから、中国政府はその破壊力を身に染みて感じているはず。プロキシ経由の接続も、いつかYou tubeのように絶滅させられるだろう。

■世界を「駄句」が飛び交っている□

中国語は漢字によって「圧縮」された言葉だ。同じ字数だと、中国語の方が日本語より情報量は多い。アイの「140字あれば中国語なら小説が書ける」という比喩もうなずける。

ただ、表現手段としてツイッターはそれほど有効だろうか。なるほど140字という字数は、文章のロジックなど考えず気楽に「つぶやけ」る便利なツールだが、逆にそうとうキレがないと、人の心に響く「つぶやき」は残せない。

短いからこそ難しい。ツイッターは俳句に似ていると思う。今、世界を飛び交っているのはおおむね「駄句」ばかり。その中から「名句」を探し出すのは実に骨が折れる。そこにツイッタ―の限界がある。

中国政府は思い切ってツイッターを検閲なしで受け入れればいい。政府の悪口もインフレになってしまえば、1つ1つの言葉の価値はゴミみたいなものになる。その前に雪崩か洪水が起きてグレート・ファイアウォールと政府が倒れるかもしれないけど!

黄砂に吹かれて♪

20日に中国で発生し、21日には日本に到来してみなさんの大事なクルマの車体を真っ白にした黄砂(砂塵暴)がまた24日にも発生するらしい。

当然のことながら、黄砂の被害が及んでいるのは日本だけではない。韓国、台湾にも砂塵は飛来している。この両国では黄砂で学校の授業を中止するかどうかがニュースになっている。今月3日には韓国の釜山、蔚山で保育園や小学校が休校になった。

で、そうなると騒ぎ出すのが台湾。教育部長の呉今清が23日午前、「黄砂は台風のようにすぐに危険をもたらすものではないから、課外活動を減らすといったやり方で対応できる」と述べ、休校措置は取る必要がないだろう、という見解を示した。まっとうな判断だ。

02年春に北京で「過去最大規模」という黄砂に遭遇したことがある(↓)。

$Observing China

周りの景色が完全にセピア色になり、当時在籍していた学校内を歩きまわるのもままならなかった。写真を見る限り、20日の黄砂は02年春に匹敵する濃さのようだ。

それにしても、韓国の反応は過剰すぎる。そりゃ汚染物質が含まれていることがあるかもしれないが、以前の中国製品の毒騒ぎとおんなじで、ありえないほど大量摂取しなければ被害は出ないはずだ。そうでなければ、しょっちゅう黄砂に襲われる北京や内モンゴルは絶滅都市になっているはずだ。

昔、工藤静香の『黄砂に吹かれて』という歌があった。



よく歌詞を読むと、黄砂とあんまり関係ないのだが、発売された89年当時はまだ「黄砂」はロマンティックなもので、日本にもあんまり飛んでこなかったのだろう。今同じ歌を発売したら、ブラックジョークにしかならない。

中国はネット検閲をやめていない

FT紙の「99%撤退」報道で「グーグルvs中国」戦争に再び関心が集まっているが、グーグルの中国での検閲をめぐる矛盾した二つの記事が物議を醸している。

中国の英字紙チャイナデイリーが16日、「グーグルは今も中国政府の要求する検閲を受け入れている」という記事を流したが、米NBCは同日、「グーグルが検閲をやめている」と報道。その根拠として天安門事件の「タンクマン」の写真が検索結果として表示されていることを挙げている。

NBCは“Tank Man”“June 4”“Tiananmen Square massacre”を入力してグーグル検索したところ、いずれの検索結果にもタンクマンの写真が現れたという。確かに中国政府にとって一番敏感な写真があっさり検索で出てきたら、検閲をやめたのかと思うのも無理はない。

この謎を解くヒントをトロント大学のサイバー研究者ナート・ビルヌーブがブログで提示している。

ビルヌーブによれば、検閲は検索時に使うキーワードに対してでなく、ふさわしくないページの削除によって行われる。グーグル検索で表れる2つのタンクマンの写真のページのドメインは「百度貼吧」と「網易」だが、いずれもこの2つのサイトが写真を掲載しているわけではなく、掲載ページにリンクしているにすぎない――。

要するに、中国当局の「不適切ページ」の削除漏れということなのだろうか。ビルヌーブはMSとヤフーの検索でもタンクマンが現れると書いているから、少なくともグーグルが検閲をやめたというNBCの記事は間違いらしい。

大手メディアの記事がブログにあっさり粉砕されるのを目の当たりにすると、インターネット(と主にグーグル)が成し遂げた「情報共産主義社会」の破壊力を実感する。