ある英国王妃の首飾り・その3 | 宝石★Wonderland

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こんにちは。

 

 

 

 

いきなりの夏日が続いたと思ったら、今日は急に冷え込み、気候の寒暖差に驚く毎日です。

 

 

初夏の典型的な空模様と言っていいのかどうかわかりませんが、

それでも過ごしやすい日々に感謝です。

 

 

 

相変わらず植物の成長は活発で、見ているだけでうれしくなります。

 

身の回りの小さな自然は、美しく感動的です。

 

何十年も生きてきているのに、そんな季節の移り変わりを感じるのは常に新鮮で、一瞬一瞬を逃したくないと思ってしまいます。

 

 

 

 

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今日は、ある英国王妃の首飾りの物語に引き続き、この王妃のジュエリーコレクションにも言及してみたいと思います。

 

 

表題の王妃の名は

アレキサンドラ・オブ・デンマーク(1844-1925)

エドワード7世の妃です。

 

ある英国王妃の首飾り | 宝石★Wonderland (ameblo.jp)

ある英国王妃の首飾り・その2 | 宝石★Wonderland (ameblo.jp)

 

 

 

この美しい王妃には双子のように仲の良い妹がいました。

妹の名はダウマー。

 

ロシアのロマノフ王朝に嫁いだダウマー(のちにロシア皇帝アレクサンドル3世皇后となるマリア・ヒュードロヴナとなります。)とは、ペアルックを着て毎年パリで落ち合い、あちこち旅行に行くほどの仲です。

 

 

当時のロシア皇帝の財力はすさまじく、約300年続いたロマノフ王朝は世界屈指の宝石収集家となっていたのです。

 

そんなロシア皇族に嫁いだダウマーの戴冠式の写真もまた、これ以上は考えられないというほどの豪華絢爛な宝石と衣装に身を包んでいます。

 

 

当時のロシア皇室で活躍を見せた宝石商は名高いピーター・カール・ファベルジュでした。

 

ファベルジュは自身も金属加工の技師であり、数十人の職人を抱えた工房を持つ経営者でもありました。

 

 

 

 

ファベルジュの代表的な作品はイースター・エッグのシリーズと言えます。

 

数々のジュエリーや調度品等と一緒に毎年、皇帝の注文により技巧を凝らした絢爛豪華な卵のオブジェを作ります。

 

そのイースターエッグは、毎年ダウマーの姉であるアリックス(アレクサンドラ)の誕生日祝いにも贈られました。

 

アリックスに贈られたというイースターエッグの一つ

 

そしてダイマーの紹介もあり、アリックス自身もファヴェルジュの顧客となっていきます。

 

アリックスの肖像画にある扇や動物のオブジェなど、今もあるロイヤルコレクションの一部は、ファベルジュ工房の作品です。

 

 

アリックスがぺテルスブルグからロンドンに招いて作らせた動物シリーズ。ロンドンのファベルジュ工房、工房長ヘンリック・ウィグストロームの作品