ジュエリーを作るとき、道具は欠かせません。
でもその「道具」というものには、ちょっと不思議な世界があるのです。
道具には二種類ある。(と、私は考えています。)
買うものと、作るもの。
「餅は餅屋」と言うけれど、たしかにその通りで、
刃物類は刃物のメーカーが、
やすりやヤットコは、それを専門に作るメーカーがあるのです。
それぞれが何十年も、いや何世代もかけて研究を重ねてきました。
だから、素人が思いつきで同じものを作っても、
既製品より上等なものができるとは、ちょっと考えにくい。
でも・・・・・。
たとえばヤットコひとつ取っても、
使う人によって「もう少しこうだったらなぁ」が出てくる。
角度、厚み、握りの感触。
それを自分の手になじむように削ったり、曲げたり、
ときには溶接して形を変える。
それを私の師匠は「カスタマイズ」とは言わず、
「道具作り」と言っていました。
ジュエリーを習い始めた最初の日に、
まず「道具を作ってください」と言われたのを覚えています。
その時は正直、面倒な世界に来てしまったかな?、と思いましたね・・・。
「道具?ジュエリーじゃなくて?(ウワッ、メンドクサ)」
そんなこと飛ばして、ジュエリーの作り方を知りたかったし、一日も早く華やかなものに触れたかった。
でも今ならまた違った気持ちでとらえられます。
日本の職人の教え方って、
作業を教える前に、道具と対話させるってことを教えるんです。
そして今は、道具作り、結構好きです(笑)。今更ですけど。
続きはこちらでお楽しみください。
