(4回目からの続き )
-藤岡(15:05発)-静和(16:50着・17:05発)-新大平下(17:54着)
しばらく進むと沿道にも農地が目立つようになります。
渡良瀬遊水池を出てからずっと曇りがちだった空も、晴れ間が覗くようになりました。
藤岡駅から1時間ほど歩き、東武線を越えました。
そこから少し進んで、岩舟國岩舟町に入りました。
佐野市からも栃木市からも独立を保ってきた岩舟町も、来年ついに栃木市と合併するそうです。
岩舟町に入ってしばらく歩くと、左手に岩船山が見えてきます。
岩船山は斜面が切り立った特徴的な地形をしていますが、
これは江戸時代以降、当地で岩船石の採掘が行われためだそうです。
JR両毛線の岩舟駅近くには、岩船石に関する資料館「石の資料館」があります。
岩船山は、栃木県北部から続く足尾山地の末端部にあたります。
そのほかにも岩舟町内には、高さ数十メートル程度の小高い「独立峰」がいくつも見られます。
足尾山地の延長でこのような地形が見られるのか、
それともほかの何かが関係しているのか、よく考えるとちょっと不思議です。
県道11号をさらに北へ歩きました。
和泉交差点を右折して、まもなく静和交差点を右折。
県道160号に入りました。
静和駅に続く駅前通に入りました。
確かに商店が連なっていますが、シャッターが下りてる店が多い…。
藤岡駅から延々歩くこと2時間弱。静和駅に着きました。
夕方5時前という時間のせいか、駅周辺はひっそりと静まりかえっていました。
ホームは1面2線の島式。
藤岡方面から普通列車が入ってきました。
列車がホームを離れ、数人の乗客が改札に向かうと、ホームは元の静寂を取り戻しました。
静和駅を出てみると、西陽が正面から差し込んできました。
陽はずいぶん低くなり、真正面から見るとまぶしかったです。
夕暮れ時の静和駅は、名前の通り、静かな雰囲気が漂っていました。
今日最後の駅間に入ります。
まずは静和駅近くを走る県道36号を少し東に進み、線路を越えました。
水田地帯を突っ切る道路に入りました。
今日スタートしたときには視界に入らなかった山並みが、視界の先にはっきりと見えました。
夕日に照らされ、岩船山がシルエットのように映し出されていました。
この岩船山は、先の東日本大震災で山体の一部が崩落しました。
写真の中央、不自然にV字形に切れこんでいる箇所がそれにあたります。
写真を見るだけでも、大規模に崩落を起こしたことが分かります。
道は水田の先にある集落へと続いています。
さらにしばらく進むと、東武線の線路と合流し、線路の隣を歩きます。
線路の先に駅っぽい設備が見えるころには、周囲は住宅地へと変わっていました。
駅手前の踏切を渡り、駅の西口へと向かいます。
旅館や商店も点在しますが、駅前というよりは住宅地の中といった雰囲気です。
今日のゴール駅、新大平下駅に着きました。
駅に隣接して大きな工場があるためか、駅の出入口は2箇所設けられています。
ちょうど日没時間を迎え、気がつくと周囲は随分暗くなっていました。
ホームは2面4線。
小学校の林間学校で、東武線の団体専用列車に乗って日光へ行ったことがあります。
そのとき途中休憩したのがこの新大平下駅だったと思います。
団体専用列車といっても、トイレの無い通勤形車輌だったので、途中休憩をしたんだと思います。
ホームにも降りたはずですが、もう20年近く前のことで、そのときのことは覚えていません。
浅草からここまで、歩いた距離で110km余り、東武線の営業キロでも80kmを越えました。
日光までは、東武線の営業距離で55km弱。
日光への道も後半にさしかかりました。
長文におつきあいいただき、ありがとうございました。
(最終回(新大平下-東武日光) へ続く)
藤岡駅先から新大平下駅までのGPSログデータです。