日銀、追加緩和決定で株価上昇、円安に
今日(2014年10月31日)の日経平均株価の終値は前日から+755.56円上昇し16,413.76 円となり、今年の最高値を更新した。
午後に発表された日銀の追加金融緩和が報じられた直後に株価の上昇が急激に起きている。一時は、16,500円を超えていたようだ。
これまでの日経平均株価は9月25日(終値16,374.14円)をピークに下落を始め、10月17日(終値14,532.51円)まで下落していたが、アメリカの経済の不安が遠のくとアメリカの株価が上昇し、それにつられて日経平均株価も上昇し、昨日(10月30日)には終値で15,658.20円と急回復していた。
日銀の追加金融緩和の内容
ロイターによると、
(日銀が追加緩和を決定:識者はこうみる Reuters.htm:http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IK0D320141031 )
[東京 31日 ロイター] - 日銀は31日に開いた金融政策決定会合で、マネタリーベースを年間で約80兆円増加するペースで資産買い入れを行う追加緩和を決定した。これまでに比べて10─20兆円の追加となる。資産買い入れは、長期国債を年間約80兆円、ETFを同約3兆円、J-REITを同約900億円、それぞれ保有残高が増加するペースで行う。いずれも賛成5人、反対4人の賛成多数で決定した。
(以下略)
とのことである。反対した委員は日本経済にプラス要因ばかりではなくリスク要因が大きいと判断しているのかもしれない。この決定は賛成5人、反対4人の僅差でされている。
9月30日にアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)は量的緩和の終了を発表している。その翌日に日銀は追加の金融緩和の発表している。なぜこのタイミングで追加緩和の実施を決めたのだろうか。
金融政策決定会合後の31日の記者会見で黒田日銀総裁はこのタイミングについて、金融政策決定会合はすでに半年前に日程が決まっていた、また、FOMCのの日程も決まっていたものであろうとして、偶然にこのようなタイミングになったと話していた。(日銀総裁「デフレ心理転換の遅れ防ぐ」 記者会見 :日本経済新聞.mht:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL31H5L_R31C14A0000000/ )
しかし、私としては、アメリカの量的緩和の終了だけでも、長期的に見ても円安が進むことが想像される中で、日銀は31日の金融政策決定会合で30日のFOMCの発表を考慮することもできたわけであるから、追加緩和の判断を急ぐべきではなかったと感じている。
また、黒田総裁は31日の記者会見で、消費増税後の需要面の弱めの動きや原油価格の下落など短期的な物価下押し要因が足元で存在していることを説明している。
原油価格の下落は、実体経済にプラスであり、物価の下落要因であるが、日銀が追加金融緩和を行ってコントロールできないものであるから、過度に反応するべきではないと思う。
消費増税後の需要面の弱さは実体経済が景気の後退局面に入りかけていること示しているのであり、さらなる金融緩和をすることで円安が進めば物価だけが上昇し、スタグフレーションになってしまうリスクが高く、実際に賃金上昇、年金の給付額の上昇がなければ、消費者は物価上昇分だけ購入数量を減らしたり、安いものを購入するようになるだろうから、庶民の生活が悪化し、そのまま、国内の消費経済の悪化につながってしまう。
早期に2%の物価上昇(物価安定目標)をさせるための金融緩和であるとのことであるが、現在の物価上昇のほとんどが円安に伴う物価上昇がほとんどである。(賃金上昇が伴いにくい物価上昇である。)
円安の弊害が中小企業を中心に出てきている。実際、大企業の下請けとなる中小企業は、大企業に対しては物価上昇分を売価に反映(価格転嫁)させにくい現状があり、このような下では中小企業の労働者の賃金は上昇しにくいだろう。
株価上昇だけでは景気の判断はできない
最初に書いたように、この一か月で日経平均株価は約2,000円も下落して上昇(V字回復)したが、実体経済は、急激に悪くなり急回復したのではない。株価は実体経済に関係なく暴騰、暴落することもある。安倍政権は株価対策の政策をしているようにしか見えない。
その典型的な例が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用指針の見直しである。
実際、日銀が追加金融緩和を決めて同じ日(10月31日)にGPIFは国債の運用比率の引き下げを発表している。
ロイターによると
(国債引き下げ電撃発表、GPIF理事長「日銀と連携ない」 Reuters.htm:http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IK11720141031
)
[東京 31日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日、資産127兆円の運用指針を見直すと正式発表した。デフレからの脱却を見据え、国内債券の割合を大幅に引き下げる一方、収益機会を増やすため国内外の株式での投資比率を引き上げる。
三谷隆博理事長は同日夕、都内で記者会見し、運用改革の狙いについて被保険者の利益確保が第一とし、日銀の追加金融緩和と公表が重なったのは「連携ではない」と強調した。
GPIFが運用指針を見直すのは昨年6月以来、1年4カ月ぶり。
年金財政の状況や将来のデフレ脱却を見据え、国内債券の割合をいまの60%から35%に引き下げ、国内外の株式を12%から25%にそれぞれ大幅に引き上げる。外国債券も11%から15%に変更した。
国内債券と国内外の株については一定の範囲で中心値とのかい離を容認する幅も広げ、国債は上下10%、国内株が9%、外国株は8%とし、柔軟な運用ができるようにした。外債は上下4%に狭めた。
(以下略)
一内閣の判断でこれまでしてきた安全資産中心での運用をやめ、リスク資産を中心の運用方針へ変更される。だれが、運用リスクをとるのだろうか。真っ先に感じる疑問である。
日銀の追加緩和の発表と同日にGPIFが国債の運用比率を引き下げ、株式等のリスク資産中心の運用にすると発表すれば、日経平均株価の上昇が700円超上昇と為替の2円以上円安が演出されるのである。今後、株式保有している富裕層の懐が暖まり、高額商品が売れるかもしれないが、株価や高額商品売り上げ以外の経済指標がよくなるとは思えない。
消費税増税には慎重に判断してもらいたい
内閣改造後、安倍内閣は任命した閣僚の問題で支持率が落ちている。これ以上の支持率低下を避けるため、消費税を上げる判断をするのも難しくなってきている。消費税を上げないと財政再建できず、また、消費税を上げると景気の落ち込みが大きくなる(増税前に駆け込み需要はあると思う)。どちらにしてもリスクが伴い、支持率低下も避けられないのかもしれない。
追加緩和での目先の効果は、為替の円安、株価の上昇であり、安倍総理が消費税増税を株価だけで決めないことを願うばかりだ。
私自身としては消費税の再増税には反対である。財政の悪化に対しては、所得税の累進税率と最高税率の見直し、法人税減税の見直し等をしてもらえればよいが自民党では無理だろう。
今後も株価は大きく騰落するのかもしれない。
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小保方氏に同情する。論文不正は正すべきであるが・・・
まず、書くべきか迷ったが、以前小保方氏のことをブログで書いていたこと、小保方氏がSTAP細胞の再現実験を行っていること、理化学研究所CDBの笹井芳樹副センター長が自死されたことなど複雑な思いがあるため書くことにした。
現在でも、小保方氏の論文ねつ造は研究不正にあたると考えている。小保方氏は研究者としてのあるべき姿からずれていたとの考えには変わりがない。
小保方氏の研究ノートのずさんさは、実際、研究試料の管理においても生じていたと思う。
STAP細胞のDNAが若山研究室にあったES細胞のDNAに一致する点などから、STAP細胞がES細胞である可能性が高いとされる。
もし、小保方氏の試料が問題のある管理下にあったならばES細胞の偶然の混入や、むしろ、意図的な混入があった可能性を否定できない(誰が混入させたか立証は難しい)。
また、小保方氏は理化学研究所CDBの副センター長である笹井氏に特別な扱いを受けていたようである。このことから、小保方氏に嫉妬したり悪意を抱いたりするような人がいたかもしれない。
何が言いたいかというと、STAP細胞の成功(キメラマウスの作製成功)は第三者によってES細胞の意図的混入がされたためではないかとの思いが生じてしまうのである。それを小保方氏は自身の手でSTAP細胞の成功をさせたと勘違いしてしまったのではないだろうか。
STAP細胞のキメラマウス作製の成功がなければ論文掲載させることもできなかっただろうし、論文作成さえしていなかったのではないか。
論文のデータのねつ造はどうであれ、小保方氏自身がSTAP細胞の作製に自信を持っている点から、彼女自身がES細胞を入手し、意図的な混入をさせ、STAP細胞のキメラマウスそのものを捏造したとは考えられない。
もし、小保方氏が、そのようにしてSTAP細胞のキメラマウスを作製したなら、現在行っている再現実験などやるはずもないだろう(STAP細胞のキメラマウスの再現にはES細胞が必要なことを小保方氏が一番に知っていることになるから)。
私も、NHKスペシャル 「調査報告 STAP細胞 不正の深層」を見ている。小保方氏に新たな論文疑惑(不自然なデータ加工)があったと追及されていたが私自身は驚かなかった。
一方、小保方氏が、STAP細胞でキメラマウスの作製に成功したとき彼女が喜んでいた(若山氏の話)という点は強く印象に残っている。また、STAP細胞でのキメラマウスの作製には、その成功まで何度も失敗していた(若山氏の話)ことも、彼女なりに苦労していたことがわかり好印象を受けた。
また、NHKスペシャル 「調査報告 STAP細胞 不正の深層」では、若山研究室のES細胞は留学生の作製したもので、その元留学生はES細胞を小保方氏に渡していないと話していた。
以上のことから、若山研究室のES細胞が小保方氏の保管庫(冷蔵庫)から見つかった点について、あまりにもありきたりな結論(ES細胞を小保方氏が盗んだ)で彼女を追及することには私は賛成できない。
ES細胞を小保方氏が盗んだのならば、彼女自身の保管庫(冷蔵庫)に大事にしまうよりも、すぐ廃棄するだろう。
小保方氏の論文不正は問題であるが、それはそれとして、私には、小保方氏がES細胞を盗んで意図的にキメラマウスを作製するほど悪人に見えない。
もし、STAP細胞の実験にES細胞を混入させた人がいたのならば残酷なことである。さらに、小保方氏の試料がずさんな管理体制にあったとしたら、第三者に混入されたことを証明するのが難しく、とても悲劇的なことである。なぜならば、小保方氏自身のずさんさのため、不毛な再現実験を‘できる’と信じて続けていることになるからである。最後には、小保方氏自身でもSTAP細胞の再現実験ができないこと、つまり、彼女自身がSTAP細胞はES細胞の混入によるものと結論付けることになる。
笹井氏の小保方氏宛ての遺書には、「絶対にSTAP細胞を再現してください」とあったとのことであるが、それが彼女を後戻りできないところへ精神的に追い詰められることになりはしないだろうかと心配である。
(笹井氏自殺遺書「絶対STAP細胞を再現してください」 - 毎日新聞.htm;http://mainichi.jp/select/news/20140806k0000m040140000c.html
)
私の想像が外れ、STAP細胞作製ができれば一番良いのだが…。それとも私の妄想なのだろうか…。
最後に、笹井氏が亡くなられたことをとても残念なことに感じられます。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
株価変調
先週の日経平均株価の動きは変であった。
先々週の7月25日(金)から日経平均は上昇をはじめ、4日続伸しているが、その間、アメリカのダウ平均は下落しているのである。しかも、31日のダウ平均は前日から▲317.06ドル下落しているが、翌日の日経平均は前日から▲97.66円しか下落していない。
ここまで、日経平均とダウ平均の動きがかい離することは珍しい。まさか、安倍内閣の支持率が下がったから、株価だけでも上げとけ…というわけではないだろう。
ダウ平均は調整局面に入ったように見える。
ダウ平均が下がる理由は、
ポルトガル民間銀行バンコ・エスピリト・サントの経営問題、
アルゼンチン国債のデフォルトの問題、
マレーシア航空の旅客機のウクライナ東部での撃墜に伴うロシアに対する経済制裁など
が影響していると考えられる。
実際、ドイツ、フランス等のヨーロッパ株式指数も下落している。
来週は、日経平均も下げて始まるだろうが、そのまま日経平均が下落トレンドになるのかはわからない。
なぜならば、次のようなロイターのニュースがあるからだ
GPIF「前倒しで改革」、NISA上限拡大へ=菅官房長官
2014年 08月 2日 14:20 JST
(GPIF「前倒しで改革」、NISA上限拡大へ=菅官房長官 Reuters.htm;http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0G204G20140802 )
[東京 2日 ロイター] - 菅義偉官房長官は2日、都内で講演し、まちがいなく経済は回復基調にあるとの認識を示した。その上で、「これからも優先すべきは日本経済の再生」と述べ、NISA(少額投資非課税制度)の上限拡大に取り組む意向や、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革について従来の予定より前倒しで進めていく方針を示した。
―以下略―
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)での株式運用比率を上げるのを前倒しで行う事をアナウンスするのは、株価対策でしかないのではと思える。近い将来、年金資金での株価の買い支えが行われることがわかれば、日経平均は下落しにくくなるだろう。
しかし、アベノミクスの成長戦略で株価が上がるなら良いが、年金の買い支えで株価を維持しようとするなら愚作でしかない。年金資産を株式というリスク資産で運用することは、そのリスクは将来年金をもらう人のリスクとなる。株式の暴落等で年金資産が激減したら、誰(安倍首相)が責任をとるのだろうか?安倍首相自身のリスクはほとんどないからいやらしい。
菅義偉官房長官は経済が回復基調にあると言っているが世界経済は変調してきているように見える。外需頼みである日本は、世界経済が悪くなればすぐに影響が出る。内需にしても、消費税増税後、消費の落ち込みから回復しているとは言えない。
日経新聞電子版で次のようなニュースがある。
4~6月期GDP、民間予測年率8.0%減 7~9月期回復度合いは見方分かれる
2014/7/30 20:00 (4~6月期GDP、民間予測年率8_0%減 7~9月期回復度合いは見方分かれる:日本経済新聞.mht;http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL30H9Q_Q4A730C1000000/
)
内閣府が8月13日に発表する2014年4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値について民間調査機関は、消費増税に伴う駆け込み需要の反動を受けて、7四半期ぶりのマイナスに転じるとの見方で一致している。
―以下略―
消費税の増税を受けての一時的な反動ではなく、実際に日本の景気が後退局面に入ったのかもしれない。
平成26年 7月30日に財務省が貿易統計を下記に示す。
(http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/2014/2014_315.pdf )
ここで、伸率とは対前年伸率です。
この1年間、毎月貿易赤字(差引価格がマイナス)であったことがわかる。
ここで、輸出価格についての伸率をグラフ化すると下のようになる。
輸出価格についての伸率が急激に悪くなり、5月、6月はマイナスとなっている。このことから、5月、6月は昨年に比べて輸出が減っていることになる。これが、たまたまなのかわかりませんが、トレンドとしては下落していることから今後もマイナスが続く可能性があります。もし、今後もマイナスが続くならば、世界経済は悪化してきているのかもしれません。
今後の株価・経済を注視していきたい。消費税増税は既定路線なのかもしれないが、これ以上の消費税税率を上げれば経済は悪くなるだろうし格差も大きくなる。消費税増税には反対である。
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フクシマの嘘
今日はドイツ人ジャーナリストJohannes Hano 氏のドキュメンタリー、フクシマの嘘 其の弐(隠ぺい・詭弁・脅迫) をYouTubeで見ていました。
福島原発の放射能汚染がいまだに統御(アンダーコントロール)されていないことがわかりました。
その一方で、自民党政権になり福島の原発問題が報道が少なくなっているようで、報道が統御(アンダーコントロール)されているように思えてしまいます。
お時間があるとき見てください。
フクシマの嘘 其の弐(隠ぺい・詭弁・脅迫)
https://www.youtube.com/watch?v=8wCehe0iaKc&feature=player_embedded
5月、6月の株上昇では信託銀行(年金勘定)が買い増していた
5月半ばからの日経平均株価の上昇において信託銀行(年金勘定)の買いが大きい役割を果たしたようだ。
信託銀行(年金勘定)は5月、+6,873億円、6月、+2,745億円の買い越しとなっており、実際、5月19日の日経平均終値は14,006.44円であったのが、閣議決定した7月1日には日経平均終値は15,326.20円と1,320円も上昇している。
まるで、集団的自衛権の行使容認の閣議決定に合わせたかのような日経平均株価の上昇だった。仮に、日経平均株価が1万4千円を割っていたら、閣議決定後の世論調査で安倍内閣の支持率はもっと大きく下落していたかもしれない。
信託銀行(年金勘定)の買いは永遠に続くものではないから、そのうち下げることになるだろう。今週は下げて始まったが、信託銀行(年金勘定)の買いは続くのだろうか。目的が達成したとして、今週は下落基調になるのかもしれない。
ただ、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用改革を行い、基本ポートフォリオにおける国内株式の割合を増やすことが具体的に決まれば、また、株は同じような上昇をするのだろう。
下記の投資者部門別株式売買状況は以下のサイトでみれる。
(株式投資戦略 - 藤戸則弘 レポート 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社.htm、「モメンタム・ストックの復活」が示唆するもの http://www.sc.mufg.jp/report/fj_report/pdf/fj20140707.pdf のP9より抜粋)
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