日本のお姉さん -42ページ目

小さな約束を必死で守る男は、夢を叶える。

◆千田琢哉『すべての人間関係を成長に変える70のルール』を読み解く

※要旨


・自ら挨拶する先輩は、将来の重役。
もしあなたの社内で自分から「おはよう」と挨拶してくる先輩がいたら、
その人はかなりの地位まで上り詰めると考えていい。


・雑用を褒めてくれる先輩があなたの師匠。
どんなビック・プロジェクトも無数の雑用の上に成り立っている。
だから将来偉くなる人ほど、雑用の質とそれをこなす人の表情を観ている。


・30代以降で出世している人たちの共通点は、
20代の頃に大嫌いな上司の下でとことん鍛え抜かれたことだ。
そして、あるとき振り返って気づく。
「あ。あの上司のおかげだ」


・机の上にモノが少ない先輩は、決断力の鬼。
膨大な数の企業を視察した経験から、こんなルールを伝えたい。
退する机の上にモノが少ない者順に、その組織における役職が上だったということだ。


・1日触れない資料は机の上には絶対に放置せず、
1年間触れなかった資料はすべて処分する。
すると、ビジネスで必須の決断力が研ぎ澄まされていく。


・矛盾したものや相反する概念を一体化させると、
そこにはとてもつもない価値が生み出される。


・本気とは、圧倒的なスピードと具体的な行動のことだ。
「これ、やりたい人いるか?」の「いるか」にかぶって挙手する人にチャンスは与えられる。
「チャンス」と直感したら、即刻引き受けて当日に行動を起こす。


・出社時間、資料作成の締め切り期日、ランチを共にする際の待ち合わせ時間。
地味で簡単な約束でいい。
あらゆる場面で時間厳守できる人間は、必ず仕事もできるようになるものだ。


・伸びる後輩の確実な見分け方は、時間を守るか否かの一点。


・謙虚で短期滞在の顧客があなたを幸せにする。
大切にすべき顧客の第一条件は、値切り交渉をしてこないこと。


・本業のサービスが抜群でも、「感じ悪い」「気持ちが悪い」と察知すると、
人は確実に去っていく。
経営コンサルタントや投資家が会社の下見をした際によくチェックするのが、
その会社の受付とトイレである。


・結婚式には、本当に大切な人だけを招待する。


・会社で一人ぼっちの人には生涯の親友がいる。
1人ランチで夢のシナリオを軌道修正する。


・独りで黙々と努力する人は、まもなく親友と出逢う。


・両親にすべきなのは、結婚相手の「相談」ではなく、「紹介」と「報告」。
相手について、迷っている時点で好きではないということだ。

・小さな約束を必死で守る男は、夢を叶える。

※コメント
やはり、約束というのは大事だ。
酒の席でのちょっとした約束でも、命を賭けて守りたい。
それが武士の精神ではないだろうか。


公式ブログ『国際インテリジェンス機密ファイル』
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アシカだって寂しいんだよ。愛知県蒲郡市にある竹島水族館のラブちゃんが館長に壁ドン。

1時間半、アシカ(メス)に監禁された男。竹島水族館・小林館長の「異常な愛情」
大宮冬洋 | フリーライター 2015年8月10日 19時37分配信
ショーの練習にて。打ち合わせ以上の熱烈なキスに戸惑う小林さん

飼育しているアシカのメスに好かれ過ぎてアシカ部屋に閉じ込められた男性がいる。愛知県蒲郡市にある竹島水族館の館長、小林龍二さん(34)だ。

5年ほど前、同水族館は全国で2番目に古い建物と少なすぎる予算によって閉館の危機にあったが、小林さんが主任飼育員になってから手作り感とサービス精神あふれる企画・展示によって人気が回復。一時は年間12万人まで落ち込んでいた入場者を今年度は24万人と倍増できる見込みだ。今年4月には小林さんが館長に就任した。

オオグソクムシやナヌカザメといったキモかわいい生物を手でつかめる水槽「さわりんプール」を設置したり、展示している魚のおすすめの料理法を紹介したり、まったく芸を覚えられない巨大ネズミ・カピバラのショーを毎日開催したり。常識破りの竹島水族館を率いる小林さんの人柄や運営方針について書いていると長くなってしまうので、興味がある方はこちらのインタビュー記事をご覧いただきたい。

「ここから出ないで!」と威嚇するアシカ。デッキブラシも折られた

竹島水族館の飼育員は小林さんを含めてわずか6名。館長の小林さんも現場の仕事もしなければならない。その一つが、アシカの仲間オタリアの「ラブ」(推定5歳)の世話とショーの担当だ。事件は今年3月27日にラブの部屋で起きた。

「掃除している間も興奮気味にからんで来ました。ラブはとにかく私に遊んでほしいのです。エサなしでもショーをやるぐらいですから……。からむぐらいはいつものことなので、『掃除の邪魔だから向こうに入っとれ』とデッキブラシで押しやりながら、なんとか掃除を終えました。でも、部屋から出ようとすると、ラブは扉から一番遠くの壁に私を力づくで押しやるのです。何度も出ようと試みましたが、そのたびに噛みついて来ようとする。私は体重60キロですが、ラブはすでに75キロ。力がすごく強くて対抗はできません。デッキブラシも折られてしまいました」

ラブの飼育日誌。小林さんの恐怖と危機感が伝わってくる文面だ

アシカからの本気の「壁ドン」である。小林さんはびしょ濡れになり、恐怖のあまり動けなくなった。1時間後、異常に気づいた他の飼育員が駆けつけ、エサを与えて落ち着かせるなどをして奮闘の末、なんとか脱出に成功。大学を卒業して水族館に就職して12年になる小林さんでも初めての体験だった。

「大ケガを覚悟しました。アシカは噛んでから体ごと首をひねる習性があります。本気で噛まれたらただ事では済みません。本当に危なかったです」

なお、もう一人の担当飼育員の場合は何の問題も起こらない。彼が掃除のために部屋に入っても、ラブは無視してプールを泳ぎ回っている。エサなしでショーをやることなどもありえない。彼とは「仕事上の付き合い」なのだ。では、なぜ小林さんは監禁されるほどラブに好かれてしまったのか。

水生動物が大好きなのは水族館の飼育員としては当然の資質であり、それだけではとてもプロの飼育員にはなれない。お客さんが楽しみながら「水族」への親しみと理解を深められる空間を作り出す意欲と実力が問われる。若くして館長に抜擢された小林さんはこの姿勢が徹底している。水族への関心だけではなく、水族館およびお客さんへの愛情が群を抜いて大きいのだ。しかし、今回の事件は小林さんの「異常な愛情」が裏目に出てしまった。

「お客さんに観てもらうショーのクオリティを高いものにするためには、アシカから『この人と会いたい、一緒にショーをやると楽しい』と思われる必要があります。『こんなヤツと一緒にいたくない』と思われたら、どんなにエサをあげてもショーをさせることはできません。ただし、ペットの犬や猫をかわいがるようなやり方とは違いますよ」

小林さんによるラブの練習風景を見せてもらったが、彼の態度は淡々としている。表情は穏やかだが、動きに無駄がなく、必要以上にラブを誉めることはしない。

一方のラブは、大喜びで部屋から出て来て、前のめりの姿勢で様々な芸に励む。そして、練習が終わっても部屋から戻ろうとせず、ショーの道具を勝手に引き出して「もっと遊ぼう」と要求していた。他のアシカでは考えられない行動だという。小林さんがいると部屋に戻ろうとしない(下手に一緒に部屋に入るとまた監禁される恐れがある)ので、もう一人の担当者が出向く事態になった。

小林さんの手に顔をのせ、うっとりした表情をするラブ。人間の女性のようだ

野生育ちの「ラブ」。寂しがりで頑張り屋の女の子

南米チリの沿岸で捕獲されたラブが水族館にやって来たときから3年半にわたって飼育担当をしている小林さん。今までのアシカとは違い、ゼロから自分が仕込むことができる初めてのアシカだ。力が入ってしまい、「ラブをかまいすぎた」と反省する。

「アシカとの仲を深めるのは毎日の積み重ねが必要です。朝は必ず挨拶をして、時間があるときは遊んであげる。普通は1日に5、6回ですが、ラブには10~15回ぐらい会いに行っていました。ラブの気持ちが高まっているのはわかっていましたが、しょせんは人間と動物です。大丈夫だろうと思っていたら向こうが(種族の壁を)乗り越えてきたんです。私ですか? 他の魚や動物よりラブのほう
がかわいい、ということは特にありません。とにかくショーのクオリティを高めるためにやりすぎてしまいました」

すべては仕事のため。恋するラブが人語を解したら怒り狂いそうな冷徹なセリフである。かわいそうなラブ。しかし、館長としての小林さんの立場もわかってほしい。

推定5歳のラブは人間で例えるなら18歳。お年頃の乙女だ。とはいえ、発情期を迎えて「強いオス」の小林さんへの求愛行動に出たわけではないらしい。あくまで「親と親友を合わせたぐらい大好きな人」として小林さんを慕っていた。その想いが高まり過ぎ、監禁事件へと発展したようだ。

「群れで行動する習性があるアシカですが、性格には大きな個体差があります。誰にでも懐っこいのもいますし、人間全体に不信感があるのもいます。ラブは知らない人には噛みついたりしますが、一度仲間だと認めた相手にはものすごく懐く。他のアシカにでも人にでも常に関わりたがる。寂しがり屋なのです。野生の群れから一頭だけ連れて来たことが影響しているのかもしれません」

ショーには全力で取り組み、頭も良く、一生懸命な性格だとラブを高く評価する小林さん。子どもっぽいところもあるが優秀な女性の部下を温かく見守るような口調だ。こんな態度が賢くて繊細なラブには「たまらない」のかもしれない。

ちなみに、爽やかな風貌の小林さんは人間の女性には「全然モテない」らしい。好き過ぎる相手を部屋に閉じ込めるぐらいストレートな感情表現をするアシカとは違い、人間は駆け引きをする。それがまったくわからないと小林さんは笑う。変人だ。

異常な愛情を持つ人間とアシカが懸命に働く竹島水族館。入館料は大人500円、小中学生は200円と激安だ。この夏休み、よかったら足を運んでみてほしい。

取材後、もう一人の飼育担当者によるショーを見学。ラブは見事な芸を披露していた

大宮冬洋 フリーライター
僕は1976年生まれです。2016年の冬に40歳になります。成人式から20年。僕たちは大人になれたのでしょうか。いや、これからでも大人になるべきなのでしょう。いろんな人と関わって語り合って考えた「大人になるためのニュース」を、自分自身と同世代の読者のために発信していきます。(「今朝の100円ニュース」から2014年6月に改題)
official site ライター大宮冬洋のホームページ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/toyoomiya/20150810-00048362/

中国の台頭と傍若無人化、そして北朝鮮の核武装と朝鮮半島の不安定化に最も影響を受けるのは日本

原爆をどこに落すか。
トルーマンが決めたのではない。
トルーマンは、アメリカを支配する闇の世界政府の上司である自分の部下の言いなりだったのだ。
長崎に原爆を落とすことは最初から決まっていた。
広島に先に落したのは、長崎のカトリックの総本山、浦賀天主堂を潰して信者たちを一気に亡き者にすることを隠すため。
日本を支配するには、カトリックが邪魔だと闇の世界政府の上司は
判断したのである。その組織は、悪魔崇拝をしていて、
カトリックは常に世界に対してその組織の危険性を指摘していた。
長崎では三菱の工場には原爆は落とされなかった。
三菱は、その組織と仲がいいので、利用価値があるからだ。

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原爆はなぜ長崎に投下されたのか
長崎における被爆体験と対核防護の勧め
2014.8.8(金) 加藤 高明

私は、1945(昭和20)年8月9日に長崎で被爆した。魔の11時2分である。

家族の中で母と私は、爆心地から1500メートル地点で場所を異にして被爆し、私が最も重傷を負った。家族は、皆心身ともに傷を負ったものの幸運にも全員命拾いした。しかし現在は、長崎で同時に被爆した両親も姉も兄もこの世にはいない。

一緒に遊んで被爆した友人の母親は、浦上川で洗濯中に被爆し、黒焦げの遺体が川で発見された。亡くなって10数年後に知った、年下の親友も3年後に帰らぬ人となった。友人の死を知った後、私は、8月9日11時2分に毎年黙祷を捧げている。被爆時、私は10歳だった。
長崎に投下された原爆で被爆した浦上天主堂の聖母マリア像〔AFPBB News〕

子供心に「原爆はなぜ長崎に投下されたか?」という疑問を抱いた。

二度と起きてはならない原子爆弾の被害、米ソ両国の核開発はエスカレートし米ソの核競争は激化して、巨大な戦略兵器と言われる水素爆弾の実験へと進み、ビキニ環礁でのマグロ漁船「第五福竜丸」の被爆となった。

私は、大学を卒業して、自衛隊の幹部候補生学校を受験し、化学職種を選んだ。長崎の被爆者がなぜ自衛隊にと高校、大学の友人に質問を受けた。

被爆者だからこそ自衛隊に入隊し、被爆体験を糧に「対核防護」を我がライフワークとして取り組みたいと思った。

被曝70年を間近にして、10歳の時の鮮烈な体験記録をここに残して置きたいというのが今夏の私の課題である。

1 なぜ原爆が長崎に投下されたか
2 広島と長崎の被爆はどのように違うのか
3 私の被爆体験と後世に残したい教訓
4 日本における対核防護の勧め

以上について、高齢者となり、記憶を失う前に書き下ろすこととした。

第1章 なぜ原爆が長崎に投下されたか

1.投下までの背景

私が住んでいた長崎市は、昭和20年当初からご多分に漏れず警戒警報や空襲警報を発令される日が多くなってきた。ラジオからは、当時から佐世保軍港上空に敵機B29来襲、大村海軍航空隊上空をB29が飛行中との放送が流れており、長崎は、佐世保市や大村市に比較して空襲の頻度は、少なかったと記憶している。

その長崎がどうして原子爆弾の投下を受け被害にあったのか、当時から疑問に思えた。出口輝夫編著『原爆の話』を参考にした原子爆弾投下に至る経緯は、次の通りである。



広島に原爆を落とした後、テニアン島に帰還したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」〔AFPBB
News〕



(1)最初の核爆発

まず1945年7月16日早朝、米国のニューメキシコ州アラモゴードにおいて、世界最初の核爆発実験が行われ成功した。高さ30メートルの櫓の上にプルトニウムを詰めた筐体を据え、スイッチを押して爆発させたもので飛行機からの投下ではなかった。

(2)ボツダム会談、ボツダム宣言と日本の黙殺

連合国側は日本がポツダム宣言を受け入れないと見込んでいた節があり、宣言の前日の1945年7月25日に、原爆投下を急がないと日本に対する緊急性がなくなるため、米軍は投下命令をポツダム宣言の前日に下されていたとも言われている。

当時私は、子供心に一億総玉砕、竹やりをもって応戦する覚悟が国民の総意ではなかったかと思う。

2.原子爆弾の投下命令(「原爆の話」より)

(1)1945年7月25日、アメリカ陸軍省参謀本部指令としてトーマス・T・ハンディ参謀総長代理からカール・スパーツ戦略空軍司令官宛に下された命令の要旨は、下記のようなものであった。

ア、1945年8月3日以降、最初の特殊爆弾をもって攻撃目標の1つに目視爆撃を行うこと。



イ、目標は、広島・小倉・新潟・長崎とする。
ウ、爆発効果の観測及び記録を行うこと。その為観測機を随行させること。
エ、準備が完了次第、第2弾を投下すること。
オ、当兵器の使用に関する情報は、陸軍長官及び大統領以外には漏らさない。
カ、ニュース記事は、すべて陸軍省の特別検閲を受けること。
キ、マッカーサー元帥及びニミッツ提督への情報は手渡すこと。

さらに、「マンハッタン計画」実施責任者グローブス将軍(1942年9月23日大佐から准将に昇任)からカール・スパーツ戦略空軍司令官宛の内容は、もう少し具体的であったと言われている。

●第20航空軍第509混成群団部隊は、8月3日以降、なるべく早く天候の状況を見て次の目標のうち1つに対して特殊爆弾第1号を投下すること。

目標地は、広島・小倉・新潟・長崎とする。

●追加の爆弾は、準備ができ次第、これを前記目標に投下すること。前記4都市以外の目標については、別に指示する。

目視投下が厳命されたのは、非常に高価な爆弾であり、原子爆弾攻撃の効果を正確に評価するためには目標から外れてはならないからであった。

(2)目標地の変遷

ア、1945年5月12日:京都・広島・横浜・小倉
イ、1945年5月28日:京都・広島・新潟(横浜と小倉は外される)
ウ、1945年7月21日:京都・広島・小倉・新潟
エ、1945年7月21日:原子爆弾以外の通常型爆弾および焼夷弾による攻撃目標は、人口順に180の都市がリストアップされ、作戦上東京の皇居と京都は除外。横浜・神戸・川崎・名古屋・東京・大阪・尼崎と北方の17都市は、硫黄島の基地が使えるようになるまで除外された。また夜間および悪天候下の爆撃禁止は15都市であり、長崎もこれに属していた。
オ、1945年7月22日:広島・小倉・長崎・新潟と決定し、京都が目標から外された。

(3)長崎が原爆投下目標地に選ばれた理由

長崎が原爆投下目標に選ばれたのは、戦艦「大和」と同型の「武蔵」を造った三菱造船所があったこと、ハワイの真珠湾攻撃時に使用された「魚雷」を造った三菱兵器製作所(兄が学生の身で勤労奉仕場所:後述)があったことなどと言われている。

市街の大きさは、南北6キロ、東西6キロで、街並みはヒトデのような形に伸び、人口は25万3000人と原爆目標地としては、広島・小倉と比べて規模が貧弱で、捕虜収容所があったために第3目標となったと言われている。

長崎は、細長くて2つの山の間にあり、爆弾の効果が十分に発揮されないうえにこれまで原爆投下以前に5回の空襲を経験し、延べ136機の爆撃により総計270トンの高性能爆弾と53トンの焼夷弾、20トンの破裂弾が投下されている。

グローブス将軍は、原爆投下には不適と反対したが、スチームソン陸軍長官は「これは政治的判断である」と言明し、長崎を目標地に進言したのは、米陸軍航空部隊司令長官のヘンリー・H・アーノルドだったと言われている。

(4)1945年8月6日ついに広島に原子爆弾投下

広島は、8月3日前後から5日まで悪天候のため投下は順延され、8月5日、B29型爆撃機「エノラ・ゲイ」へ原爆の搭載が完了した。

8月6日、気象偵察機3機が原子爆弾搭載機より先行して離陸して行った。広島へはクロード・イーザリー機長の「ストレート・フラッシュ」機、小倉へは、ジョン・ウイルソン機長の「ジャピット三世」機、長崎へはラルフ・テイラー機長の「フルハウス」機だった。

1時間遅れて原子爆弾を搭載した第509混成群団の指揮官ポール・W・テイベッツの「エノラ・ゲイ」機、随行するラジオ・ゾンデ搭載機には、指揮官補佐のチャールズ・W・スウィーニー機長「グレート・アーチスト」機、写真撮影機はジョージ・マクオート機長の「ネセサリー・イーグル」機だった。

ラジオ・ゾンデ搭載機にはルイス・アルバレッ、ローレンス・ジョンソン、ハロルド・アグニューの3人の科学者が同乗していた。ラジオ・ゾンデから発する信号をキャッチして解読し、その威力を測定するためだった。



広島に原爆を投下した後のB-29爆撃機「エノラ・ゲイ」の搭乗員。左から、セオドア・バン・カーク)航法士、ポール・ティベッツ機長、トーマス・フィアビー爆撃手(1945年8月撮影)〔AFPBB News〕



民間人を戦闘する飛行機に乗せることは「ジュネーブ条約」に違反するので、便宜上の処置として将校に任命していた。

なお、万一の支障に備えて、チャールズ・マクナイト機長の「ビック・ステング」機が硫黄島で待機していたという。

広島へ先行した気象観測機から、「晴天、雲量は低空、中空および1万5000フイート(4575めーとる)共に10分の2」と報告があり、攻撃部隊は広島へ向かった。

2機は突然分散し、先頭の「エノラ・ゲイ」機は、左へ、後続の「グレ-ト・アーチスト」機は、右へ急降下急旋回し、同時に3個のパラシュートを投下し、島病院上空567メートルでさく裂した。 8月6日8時15分であった
(これまで出口輝夫氏の「原爆の話」を参考にした)。

長崎の原子爆弾の投下については、第3章の被爆体験として後述する。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41413

Komei Akashi
原発が54基も日本列島にあるのに対核防護に意味があるんですかね?。またフクシマ原発事故後に政府は放射能汚染のリスコミで健康被害を過小評価させてフクシマ原発事故そのものを風化させようとしています。現実を隠蔽したこんな状態で対中核戦争対策なんてたてようがないでしょう。中国が日本の原発に長距離巡航ミサイルを数十発から数百発ぐらい連続して打ち込めば、中国は核攻撃なんかしなくても日本を破滅させられます。中国の長距離巡航ミサイルが一発でも日本の対空ミサイル網をすり抜けて原発とその管理施設に命中すれば作戦成功なんです。せっかく日米安保があり、オバマの尖閣防衛発言を引き出したのに、日本列島そのものが自爆型核爆弾と化している現状は史上最大の皮肉としか言いようがないです。原発再稼働派(=核武装派)は日本が核武装可能だと考えるのならば、米国を中心とした国連常任理事国にどうやって日本の核武装を容認させるのか是非教えてほしいですね。日本はWW2戦勝国の意向を無視して核武装を強行しても大丈夫だと本当に考えているんでしょうか?。
2014年8月8日 13:45

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トランプの"暴言"に感謝してもし足りない日本
もしもの核攻撃に備える一刻も早いシームレスな法整備を
2016.4.11(月) 森 清勇
日本と韓国の核武装容認論をぶち上げて物議をかもしているドナルド・トランプ氏〔AFPBB


News〕
米国大統領選の共和党候補指名争いで首位に立つドナルド・トランプ氏の発言が関心を呼んでいる。中でも日米同盟の破棄、在日米軍の撤退、さらには日韓の核武装容認発言など、日本が無関心ではいられない発言も多い。


民主主義国家の最高責任者は国民が選挙で選ぶ。かつてヒトラーも民主的な選挙で選ばれたように、当該国の国民が支持すれば権力の座に着くことになる。

トランプ氏が大統領に選ばれるか否かはともかくとして、日米同盟を基軸において非核3原則を呪文のように唱えてきた「他人任せの安全保障」に鉄槌を落としているかのようである。

改めて言うまでもないが、フランスの元大統領シャルル・ドゴールが「同盟などというものは、双方の利害が対立すれば一夜で消える」と喝破したように、国益に関する日米双方の考えが食い違えば、思わぬ事態に突入しないとも限らない。

日本および日本人が国家や主権の在り方、そして安全保障問題を考える機会としてはいかがであろうか。

施行された安保法制

自衛隊は平和維持活動(PKO)や大規模災害救助活動などで海外に派遣されることが多くなった。しかし、従来は平和維持活動で外国の軍隊に守ってもらいながら、その外国軍隊が危険に直面しても守ってやれなかった。

また、日本の安全に関わる活動をしている米国や友好国の軍隊が攻撃に晒されてもただ傍観するしかなかった。

しかし、3月29日に施行された安保法制で、前者は「駆けつけ警護」として、また後者は「集団的自衛権の一部行使」で可能となり、国際信義にもとる状況を解消させることになる。

トランプ氏の「日米安保条約は片務的な取り決め」であり、「不公平だ」との批判に応えることにもなる。この点から見ても、先の国会における民主党など野党の論点は間違っていたし、いままた安保廃止法案提出の暴挙は二重の過ちを犯していると言えよう。

民主党など法案反対政党の「戦争法案」というレッテル貼りで踊らされた人々は、自衛官のリスクの高まりを強調していたが、国民の共感を得ようとした姑息な計算であったと言っても過言ではない。
実際の任務に就く自衛隊はそうしたリスクもさることながら、防護してもらいながら防護してやれない国際信義にもとる行為しかできないことに対して忸怩たる思いを抱いていたと仄聞する。


そもそも派遣される部隊や自衛官は、「自隊のリスク」よりも「国家・国民のリスク」の排除や低減を意識しているのであり、そうした目的のために自衛隊の行動を律する安保法制である。

ともあれ、自衛官のリスク問題は派遣前の十分な教育訓練と、今次法制によって可能となる現場での適時適切な対処行動でむしろ安全が高まり、派遣部隊のリスクは軽減されると見ているようである。

法制の施行がもたらす最大のメリットは、国際信義にもとる行為の解消であろう。援護してくれる部隊を援護してやれないことは、日本人、なかでも自衛隊にとっては武士道精神に悖る「恥」以外の何物でもなかったからである。今回の施行によって、総合的な安全と国際信義が高まることは言うまでもない。

シームレスになったか

潮匡人拓殖大学客員教授は『正論』2015年12月号で、「あんなに大騒ぎしたのに、こんなにショボい安保法制」という論考を寄稿している。大山鳴動したが、「無いよりはマシ。現状より多少は改善する」程度で、最も懸念される領海警備さえできない法案であると指摘する。

法案が大詰めを迎えていた2015年9月16日、ロイターは「安保法制で転換迎える日本、『普通の国』なお遠く」と題し、「自衛隊と米軍は中国を想定した備えができるようになるが、(中略)英国やオーストラリアといった『普通の国』とは、まだ開きがある」という記事を配信したそうである。

記事の中見出しの「『普通の国』の半分」では、豪ニューサウスウェールズ大学のアラン・デュポン教授が「これまで(普通の国の)25%だったものが倍増して50%になり、海外に自衛隊を派遣する柔軟性と能力が増す。しかし『業界標準』からすれば、まだ50%足りない」と語ったことを紹介する。

しかも、米国と日本では集団的自衛権に対する認識に差があり、摩擦が生じることが懸念されるともしている。そのうえに、政府・与党は一部野党を法案賛成に引き込むために、努めて国会承認を得るという歯止めを合意して付帯決議した。

このようにして、重要影響事態や存立危機事態などの事態の推移認識に関わる切れ目、国会承認に要する時間的な切れ目、また領域警備に関わるグレーゾーンに対しては警察権の行使から準有事的事態や防衛出動事態への切れ目などシームレスになるどころか、いくつもの切れ目が生じてしまったようである。
最大の切れ目は「核対処」

安保法制はシームレス、すなわち切れ目のない対応が最小限できることを目指すものであったが、核対処については米国の「核の傘」に依存するというだけで考慮外であった。


こうした点から、ハドソン研究所主任研究員の日高義樹氏は同誌で、「中国・ロシア・北朝鮮・・・日米の最大の脅威は核軍拡だと銘じよ」というタイトルで、「平和を祈るだけでは対処できない厳しい現実」を具体的に描き出している。

そして、極めつけがジャーナリストの東谷暁氏による「日本の核武装を可能にするのは何か~60年代の蹉跌を教訓に」であろう。

国民にほとんど知られていないが、日本の安全に関して「核装備」が多くの首相の頭をよぎったことが書かれている。国家の安全に責任を持つということはそうした意識のことであろう。

安保法制であれほど騒いだ日本である。ましてや核武装となると、とてもすんなりとはいかないことは火を見るよりも明らかであろう。ただ、現在はリアリズムで考えなければ日本の安全には結びつかない。

独自の核装備はできないが、北朝鮮は国際世論や国連の制裁決議にもかかわらず、なりふり構わずに核装備に邁進している。

中国は影響力を行使できないし、表向きの国際社会に協調する発言とは裏腹に、国連制裁をかいくぐって支援さえしているとも見られている。こうして日本への核脅威はどんどん高まっているという認識を共有することが必要であろう。

その核兵器について、日本は米国が提供することになっている拡大抑止力に依存している。ところが、核の運用については、ドイツと異なり日本の意志は考慮されるメカニズムにはなっていない。

2015年4月に再改定された「日米ガイドライン」を見ると、核関係についての言及は「日本に対する武力攻撃が発生した場合」の「c 作戦支援活動」中の「v CBRN(化学・生物・放射線・核)防
護」の項目であり、下記のように言及されている。

「米国は、日本における米軍の任務遂行能力を主体的に維持し回復する。日本からの要請に基づき、米国は日本の防護を確実にするため、CBRN事案及び攻撃の予防並びに対処関連活動において、適切に日本を支援する」
すなわち、相手がCBRN兵器を使用した場合の防護についてだけの言及であり、米国の主体は米軍の防護である。もちろんのことながら、相手の核運用に関して日本が云々言えるようにはなっていない。


通常兵器による対応では一応シームレスを目指す努力をしているが、通常兵器と核兵器の間には歴然とした切れ目がある。ドイツも日本と同様に自国の核兵器は保有しないで、米国の拡大抑止力に依存する考えは同じである。

しかし、ドイツは普段から核兵器の運用などに関わる計画などに関与するようになっている。最終的に使用する状況になった場合、同盟国と米国の双方の同意のもとに発射される「二重キー方式」と呼ばれるシステムをとっている。この点については郷友総合研究所編『日本の核論議はこれだ』に詳しい。

おわりに

日本の安全を日常の生業にしている自衛隊や海上保安庁などを除いては、多くの国民、また国民の信託を得て国家の安全に関心を持つべき多くの政治家もほとんど無関心できたのではないだろうか。

安保法案の審議において、国際情勢、中でも日本を取り巻く近隣諸国の情勢がほとんど取り上げられることがなかったことが何よりの証左であった。

シームレスを目指したはずの安保法制であったが議論がかみ合わなかったことから、多くの切れ目を残した。これに関しては、今後逐次の改正もあり得るであろうが、問題は従来無関心で来た核抑止やより大きな視点での国家安全保障についても、真剣な検討を要する状況になりつつあるということである。

核抑止については米国の拡大抑止に依存していることはドイツと同じであるが、ドイツは関与できるシステムをとっているのに対し、日米間においてはそのようにはなっていない。日本から米国への働きかけなども必要ではないだろうか。

さらに大きな問題は、「安全保障基本法」ともいうべきものが存在さえしないことである。戦争の危機や戦争が発生した場合、国会や内閣が平時同様に機能するとは限らないし、むしろ機能しないと考えなければならない。

例えばスウェーデンでは憲法の最後の章を「戦争および戦争の危機」としている。内容は国会の機能不全と戦時代表団の発足・権限、内閣の機能不全、国会や元首の所在など13か条にわたって書かれている。国会同様に皇居も安全とは限らないので移動もあり得るからである。

日本以外のほとんどの国がこうした非常時対応の条項を何らかの形で設けている。安保法制にすら野党は「戦争法案」のレッテルを張ったので、安全保障基本法などにはさらにトーンを上げたレッテルが張られよう。

しかし、非常時対応は平時において行っておかなければ、泥棒に入られて鍵をかけるようなもので後の祭りである。国家の安全及び国民の生命財産の保護に後の祭りは許されない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46554
尖閣諸島防衛、やってはいけないこと、やるべきこと
安易な自衛隊投入は国の破滅、まずは海保の強化を
2016.2.24(水) 織田 邦男
南シナ海で接近する中国の沿岸警備隊の船舶(上)とフィリピンの補給船(2014年3月29日撮影、資料写真)〔AFPBB News〕



2015年9月、可決成立した安全保障関連法案が3月に施行される。政府・与党は昨年、この法案を第189回通常国会の最重要法案と位置づけ、95日間という戦後最長の会期延長をしてこれに臨んだ。だが、大山鳴動のわりに本質的議論は最後まで盛り上がらなかった。



特に奇異に感じられたのは、我が国の取り巻く安全保障情勢の議論なく、憲法論議に終始したことだ。国際情勢の議論なく、安全保障を論議する国は、世界広しといえど、日本だけだろう。また憲法論議から安全保障法制に入るのも順序が間違っている。

最近の南シナ海における岩礁埋め立て、軍事基地化などでも明らかなように、「力による現状変更」を企てる中国に対し、我が国がどのように認識し、どう対応すればいいのか。北朝鮮の独裁政権と核、ミサイル開発に対し、いかにすれば東アジアの平和と安定は保たれるのか。このような根本的な議論はほとんど行われなかった。

安全保障の前提となる国際情勢の議論を欠いたまま、法案が提出されても、国会の論議は深まらないし、国民の理解は得られない。まるで空腹を覚えていない人に、フランス料理のフルコースを勧めるようなもので、満腹感(拒否感)だけが先に立つ。

野党法案の大きな勘違い

その結果が「戦争法案」「徴兵制」といった「レッテル張り」と「揚げ足取り」低劣な議論だった。

2月19日、民主党や共産党など野党5党は、来月施行される安全保障関連法について、憲法違反であり認められないとして、法律廃止の法案を衆議院に共同で提出した。これも「国際情勢の議論なき安保法制」の後遺症に違いない。

今回の安全保障法案を廃案にし、代替法案を提示しないということは、理屈的には、現下の国際情勢にあって、現行法制が最善と云うことになる。だが、本当にそうか。

中国の台頭と傍若無人化、そして北朝鮮の核武装と朝鮮半島の不安定化への対応は、まさに21世紀の国際社会の課題とも言われる。最も影響を受けるのは日本である。こういう現実を直視せず、現行法制が最善とはブラックジョークとしか思えない。

今からでも遅くはない。「廃止法案」提出を好機として、是非、国際情勢の議論を国会で一から始めてもらいたい。

2月18日、民主党と維新の党は、領域警備法案、そして周辺事態法改正案、国連平和維持活動(PKO)協力法改正案の三法を共同提出した。メディアは「昨年9月に成立した安全保障関連法の対案と位置付ける三法案」と報じている。だが、中身を一瞥する限り、断片的であり包括的な安保関連法案の「対案」とはなり得ない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46147?utm_source=outbrain&utm_medium=recommend&utm_campaign=link&utm_content=side

いま太陽は本来沈む場所からずれています。星の位置も本来あるべき所にないのです。これは地球の軸がぶ

地球温暖化で地球の軸がぶれ始めた
著名な科学誌が論文を発表、氷床の大量溶解が原因
2016.4.18(月) 堀田 佳男

エクアドル・ガラパゴス諸島沖を泳ぐアオウミガメ〔AFPBB News〕
 日本の主要メディアが取り上げないのが疑問に思えるほど重要な記事が今月8日、米科学誌に発表された。科学にご興味のない方もぜひご一読いただければと思う。


 論文を端的に述べると「地球温暖化によって地球の軸がぶれ始めている」という内容である。地球の軸とは北極と南極を結ぶ地軸のことだ。

 ご存じのように地球は完璧な球体ではなく、北極の自転極と南極の自転極を結んだ軸を中心に自転している、いわばコマのようなものである。

 地軸は公転面に対して23.4度という角度で傾いている。その傾きがあることで、地球が太陽を1年で1周する間に日本などは四季が巡ってくる。傾きがないと1年中同じ季節ということになる。

2000年頃から変化強まる

 8日に発表された論文は、『サイエンス・アドバンシーズ』という科学誌に掲載された。著名な科学誌『サイエンス』のオンライン版と言える出版物で、研究者の評価は高い。

 実はこれまでも、自転極が長い年月をかけて移動していることは知られていた。1年にわずかであるが移動していた。ところが2000年頃から、急に移動のペースが速まっている。しかも向きも変化している。

 論文の著者の1人で、米カリフォルニア州の航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所のスレンドラ・アディカリ氏は米通信社の取材に対し、「近年の自転極の動きは20世紀に見られたものとは違い、たいへんドラマチックです」と答えている。

 何がドラマチックなのか。

 北の自転極(以下便宜的に北極点)はこれまで、西方向に動いていた。西方向というのは、地球儀を真上からみた時にカナダ方向を指す。しかし2000年頃から移動の方向が、経度にして約75度東になり、英国へ向かっているというのだ。

 移動距離にすれば1年で7インチ(約17.5センチ)に過ぎないが、地球科学的には「たいへん重要な情報」(アディカリ氏)であるという。
論文の最大のポイントは、北極点の移動が地球温暖化に影響を受けているという点だ。温暖化の原因は様々だが、NASAによると2015年は過去136年間の観測史上、地球上の平均気温が最も高かった。


 気温の上昇に伴い、グリーンランドの氷河や西南極の氷床が大量に溶けて質量の再分配が起きているというのだ。つまり、大量の固体が液体になったことで地球上に大きなうねりが生じ、それが地軸を動かすほどの力になっている。

 ちなみに、同論文ではグリーンランドの氷河は毎年275兆キロが、西南極からは毎年124兆キロが溶けているという。

 実は2009年、米テキサス大学のジャンリ・チェン教授の研究チームが英科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』で、南極の氷の融解が海面上昇につながる恐れがあると警告していた。

溶けた水が移動して地軸が変化

 それまで、南極の氷床は地球温暖化の影響をそれほど受けないと言われていたが、実は融解は着実に進んでいることが判明した。氷が水になることで地表上に動きが起こると、地軸は質量を失った場所へと動いていく。

 論文のデータ収集に使われたのは、地球観測衛星グレース。地球の重力を測定することで海洋や極地での大規模な変化を探知できる。

 論文ではさらに、氷の融解以外の地球温暖化の影響も記述されている。特にユーラシア大陸で大きな湖の水位が低下したり地下水の枯渇が起きている。こうした現象も地軸のブレを起こさせる要因になっている。

 アディカリ氏と共著者のエリック・アイビンス氏の計測によると、グリーンランドの氷河の融解だけでは地軸の移動は発生しなかったという。西南極での氷床が溶け出したこと、さらにユーラシア大陸の水源の枯渇が地軸移動の複合的な理由だとしている。

 一部研究者から大陸での水源の枯渇は、地軸移動の原因としては軽微ではないかとの疑問が寄せられた。しかしアディカリ氏は次のように説明している。

 「ユーラシア大陸での水量の変化がないと、地軸の方向の変化の説明がつかないのです。地軸移動が起こる確固とした証拠を初めて示させたと思っています」

 特に2003年から2015年までの氷と水の質量分配の影響が大きいという。

地球温暖化と地軸の移動との関連は今回初めて科学誌で発表されたが、地球上にはすでに気づいていた人たちがいた。先住民族イヌイットたちである。



 科学的な論文紹介の後に、イヌイットの経験的な見方を紹介することは不釣り合いかもしれないが、1つの見方として記したい。

 2010年、カナダのドキュメンタリー番組でイヌイットたちが「地球の軸がぶれている」と発言し、部族長がNASAに書簡を送付していた。また番組でインタビューを受けたイヌイットたち全員が、太陽と星の位置が変化しており、地軸がぶれているのではないかと発言している。

 同番組に出演したイヌイットのサミュエリ・アンマックさんは、幼少時から毎日父親に天空を確認するように教えられてきたという。

心配し過ぎる必要はないが・・・

 「1年を通して太陽の軌跡や星の位置を見ています。見ていると言うより、太陽や星はイヌイットの生活の一部なのです。ですから変化が起きればすぐに分かります」

 「いま太陽は本来沈む場所からずれています。星の位置も本来あるべき所にないのです。これは地球の軸がぶれているとしか説明がつきません。どうしてそうなったのかは分かりません。ただ空が変わってしまいました」

 別のイヌイットは「すべてが東に流れている」という興味深い発言もしている。

 イヌイットたちは自然現象の冷徹な観察者である。もちろん地軸変化の理由を分析する研究者ではないので、温暖化が原因であるとの結論には至っていない。それでも5年以上前から、地軸の変化に経験論的に気づいていたと言えるかもしれない。

 しかし前出のチェン教授は今回の論文結果が出ても、「心配することはありません。地球温暖化の興味深い一面が現れただけです」と心配しすぎる必要はないと述べる。

 確かに地軸移動の方向が変わったことで近い将来、人類に多大な影響が出ることはなさそうだ。それよりも地球温暖化によって様々な悪影響が表出している点を憂慮すべきだろう。

 チェン教授でさえ、2009年の論文内で「南極の氷床の融解によって、今後世界の海面上昇に大きな影響を与えることになるだろう」と記している。

 西南極の氷がすべて溶けることはないだろうが、もし融解すると世界中の海面を約5メートルも上昇させるという。そうなると地軸移動どころの話ではない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46610

400年以上前の築城当時の姿をとどめるとされる「宇土櫓」も一部 が大きく壊れた

◎熊本城 13の重要文化財すべてに深刻な被害

今回の地震で、熊本城は櫓や門など国の重要文化財に指定されている13の 建築物すべてで倒壊するなどの深刻な被害が出ています。

熊本市によりますと、今回の地震でいずれも国の重要文化財に指定されて いる、熊本城の「東十八間櫓」、「北十八間櫓」、「五間櫓」、それに 「不開門」と「長塀」が完全に倒壊したということです。

このほか、壁が崩れたり、しっくいが剥がれたりするなど、国の重要文化 財に指定されている熊本城の13の建築物すべてで深刻な被害が出ていると いうことです。

また、400年以上前の築城当時の姿をとどめるとされる「宇土櫓」も一部 が大きく壊れたとしています。

さらに天守閣は屋根の瓦のほとんどが落ちたほか、石垣の一部が崩壊して いて、倒壊するおそれはないものの、北側に僅かに傾いているということ です。熊本城は余震のたびに石垣が崩れていて、危険があるため調査が進 まず、被害の全体像はつかめていません。

熊本市は、まずは早急に被害の全容を把握して文化庁と対策を協議したい としています。

熊本城総合管理事務所の河田日出男所長は「ショックでことばも出ない。 当分は一般の人の立ち入りは難しいだろう」と話していました。
【NHK】 4月17日 18時19分 〔情報収録 - 坂元 誠〕

ロシアは、NATOへの関与削減を唱えるトランプを朋友のように支持し

NATOへの米軍関与は強まっている
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)4月18 日(月曜日)弐
通算第4880号


NATOへの米軍関与はむしろ強まっている
ルーマニア、ブルガリアに戦車旅団を配置へ
*******************

トランプは米軍のNATO関与を減らすべきで経費を75%も米国が負担し ているのは間違いと述べているが、実際には25
%程度である。

これをロシアから見ると、かつてのワルシャワ条約機構の加盟国で、チェ コもハンガリーも、ブルガリアもルーマニアもソ連軍が駐屯していた。東 ドイツにも大量のソ連軍が配置されていた。

撤退費用を西ドイツが支払い、引き上げ後のソ連に於ける兵舎まで設営 し、やっとソ連軍は去った。ワルシャワ条約機構は雲散霧消した。

ソ連が引き揚げたあと、東欧諸国はつぎつぎとNATOに加盟し、米軍の 駐在を認め、ウクライナと目と鼻のルーマニアに、そしてブルガリアにミ サイル基地も設営してきた。

これをロシアから見ると、嘗ての衛星圏が崩落し、敵側に寝返ったことに なる。

ペンタゴンは2017年2月を目標に戦車250両、ブラドレィ装甲車に自走砲 などからなる戦車旅団4000名を配置すると発表した。

合計34億ドルにもおよぶこれらの計画は議会の承認をまって、実行に移さ れるが、さて東欧諸国はこれをすんなり受け入れるか、どうかが焦点と なっている。

すでにポーランドとバルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)に は米軍が駐屯しており、この列にルーマニア、ブルガリアが加わる。

モスクワの反論は「近隣諸国の安全と言っても、ならばロシアはキュー バ、ベネズエラ、メキシコにロシア軍は駐屯していない」と拡大した比喩 を用いているが、「これは換言すれば『米軍の東欧
軍事占領』であり、 ローマ帝国のパターンを真似た行為である」とする。

ロシアは、NATOへの関与削減を唱えるトランプを朋友のように支持しているのである。

GHQ占領憲法の問題点

GHQ占領憲法の問題点(上)
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平井 修一

間もなく5月3日の国辱記念日だが、そもそも憲法/英:constitutionとは 何か。諸説あるが、ブリタニカ国際大百科事典はこう説明している。

<憲法の語には、「法ないし掟の意味」と、「国の根本秩序に関する法規 範」の意味との2義がある。

聖徳太子の「十七条憲法」は前者の例である。(平井:国体とか国柄の明 示だろう。constitutionの和訳は、構成、組織、構造、体質、体格、気 質、性質、憲法、政体、国体である。ウォルター・バジョットのThe English Constitution(1867年)は日本語では『英国の国家構造』と翻訳 されている)

後者の意味での憲法は、近代国家の登場とともにかかる法規範を1つの法 典 (憲法典) として制定することが一般的となった>

島袋悠飛氏の論考「安保法制で日本を守れるのか?」(世界日報4/11)は とても勉強になった。 

氏のプロフィール:平成5年(1993年)11月5日生まれ。沖縄県出身東京都 在住。日本大学通信教育部法学部政治経済学科在学中。帝京大学で宇宙工 学を学ぶも、鬱病悪化に伴い退学。

竹田恒泰氏の紹介で、国際法学者の青木節子氏と出会い、宇宙法の研究者 を志す。現在、学士論文で「日本の安全保障政策と宇宙開発」を研究中。

<2014年に安倍政権は歴代内閣が「踏襲」してきた憲法第9条の解釈を変 更し、その憲法解釈をベースにした平和安全法制(以下、安保法制)が昨 年成立し、今年3月下旬に晴れて施行された。多くの保守派は、「これ で、日本は守られる」と「万歳」した。しかし、私は複雑であった。

当初、私も安保法制には手放しで賛成していた。しかし、防衛大学校に大 学のサークルの関係で研修に行った際、個人的に安保法制について防大生 に感想を聞いたところ、「正直、中身は理解しにくい」との返事が返って きた。

それではっとした。「そうか。安保法制の議論や条文の中身は、現場を意 識していないのか」と。そして、今年2月に霞ヶ関で行われた防衛省主催 の安保法制に関するシンポジウムを聴講してみた。

参加者には「防衛官僚肝いり」の資料が配られたが、いくら概説書といえ どさっぱり理解できなかった。シンポジウムの基調講演をしている防衛官 僚の講話を聞いても、必要性は理解できるが、自衛隊に何ができるのか さっぱり理解できなかった。

私のような普通の大学生が理解できないのだから、防大生が理解できない のも無理はない。

現在、卒業論文で「日本の安全保障政策と宇宙開発」について研究してい る。将来、国際宇宙法の研究者になるべく、大学院入試を意識した卒業論 文であるが、その中では「集団的自衛権の行使になりうる自衛隊の衛星利 用」について論じたいと考えている。

そこで、現在は戦後安全保障史や憲法学、安全保障学などの基礎的内容を 勉強中だ。そこで、「基礎的な考え方を整えよう」と思い、ある一冊の本 を読んだ。憲法学者の倉山満氏の「軍国主義が日本を救う」である。「な んと過激な……」と思った人もいるだろうが、最初にこの本に出会ったとき は、私もそう思った。

しかし、内容は極めてリアリズムで客観的に我が国の憲法体制と安全保障 体制の欠陥を指摘し、どうすべきかを提言したものであった。本書で学ん だことをベースにして、私の意見を本稿で述べたいと思う。

安保法制を施行するうえで、法的根拠となっているのが日本国憲法第9条 の新たな憲法解釈である。これにより、「初めて日本は集団的自衛権を行 使できるようになった」と安倍晋三総理は主張し、マスコミもそれに追随 しているが、本当にそうだろうか。

結論から言うと、我が国は戦前も戦後も変わりなく集団的自衛権を行使し ている。とくに、戦後は70年以上ずっと行使している。それは、米軍に基 地を提供するという形で提供しているのだ。国際法上、基地の提供も自衛 権の行使に含まれるのである。

また、日米安全保障条約では、我が国は有事の際に在日米軍の基地を防衛 することになっている。これも集団的自衛権だ。

要するに、日米安全保障条約は集団的自衛権の行使を前提にして成立して いるのであり、今回の安保法制で“初めて解禁になった”のではないのだ。 また、湾岸戦争では日本は多国籍軍に戦費を多額に拠出したが、これも集 団的自衛権の行使である。

「初めて集団的自衛権が解禁された」というのは嘘であり、また我が国の 戦後史から逃げているだけに過ぎないのである。

さらに言うならば、政府の憲法解釈も、もともとは集団的自衛権の行使を 合憲としていた。鳩山一郎内閣時代の杉原荒太防衛庁長官は、昭和30年7 月26日の参議院外務委員会で、「日本としては集団防衛、集団自衛という ことは、やはり日本を守っていくために必要である」と答弁している。

岸内閣時代の藤山愛一郎外務大臣は、「日本の基地におります米軍を攻撃 することは(中略)当然自衛権の発動がありますし、またアメリカが攻撃 されれば、それに対してアメリカとしても自衛権を発動しなければならぬ 状態にあろうと思います。したがってお互いに共同動作をとるということ は、当然の帰結」「共同動作をとって参りますことは、集団的な自衛権を 行使することになろう」と答弁しているのである。

もし、「集団的自衛権は保有すれども行使せず」という憲法解釈を変更し たいならば、「変更」ではなく「戻す」が正解だったであろう。安倍総理 の口で「岸内閣での政府解釈に戻します」とただ一言いえばよかったので ある。しかも、ご自身の祖父の内閣というある種の「運命」もあるのだから。

そのようにすれば、安保法制反対派や反戦平和主義者からの攻撃も最小限 だっただろうし、迎合するマスコミも反論できず、世論もついてきたはず である。

また、安保法制反対派が「憲法違反だ」と声高に叫び、かつて改憲派だっ た小林節慶應義塾大学名誉教授も、なぜか左派に転向して「違憲立法だ」 としているが、そもそも我が国のアメリカから押し付けられた日本国憲法 自体が「憲法違反」であり、とくに「憲法第9条自体が違憲」であること を知らないのだろうか。

これには説明がいる。まず、憲法(平井:国体の明示)と憲法典(平井: 憲法に沿った法律)を分けて考える必要がある。

憲法とは、憲法学の専門用語でいうところの実質的意味の憲法であるが、 「国家の不文の慣習法」のことである。つまり、我が国の伝統的な統治の 仕方や皇室のあり方など、歴史や国体そのもののことをいう。

そして、憲法典とは、なぜか「悪魔の憲法」とされている大日本帝国憲法 や、日本国憲法(こちらのほうが悪魔だが)のことである。つまり、不文 の慣習法を明文化、法典化したものを憲法典という。

我が国は、古来より自衛権を行使してきたといえる。あの元寇なども、元 という侵略者に対して自衛権を行使したといえるだろう。古来より行使 し、保有してきた自衛権は日本の国権として発動したのだから、実質的意 味の憲法つまり「憲法」(平井:国体の明示)となっており、現代におい ても違憲ではないのだ。

憲法典で自衛権を禁じるというのは、それ自体が「憲法違反」であり、 よって憲法9条は憲法違反なのである。

私は、これは無効と判断して、集団的自衛権は限定ではなく「全面行使容 認」という立場でよいと考える。保守派の改憲派も、左派の護憲派もただ 罵りあっているだけで、茶番劇である。不文の憲法に立脚した「真の憲法 典改正論議」をしたいものである。

話題を変えよう。保守派の多くは「自衛隊が軍隊である」と誇らしげに唱 え、左派も「軍隊」だとして廃止論を唱えている。かつて、民主党政権で は「暴力装置」と吐き捨てた愚かな官房長官もいたが。しかし、その自衛 隊だが、果たして軍隊といえるのだろうか。

ここで私が論じたいのは、現在の「自衛隊は軍隊ではなく実力組織」とい う頓珍漢な政府解釈ではない。軍隊としての「要素」があるかどうかだ。 軍隊の要素を列挙していこう。

1)国家の防衛が任務
2)物質的自己完結能力
3)組織的自己完結能力
4)統制される存在
5)人を殺害することを前提としている

1)は自衛権の行使を任務としていることだ。しかし勘違いしてはいけな いのは、国民を直接的に守る国民保護ではないということである。よく、 沖縄戦を引き合いにして「軍隊は国民を守らない」と批判するが、私は 「そもそも主たる任務ではないので、そうですが何か?」と返答したい。

そもそも、国民保護を任務としているのは、警察や消防である。いまの我 が国であれば、海上保安庁もそのうちに入る。

そもそも沖縄戦で住民が大量に死亡したのは、大日本帝国憲法に戒厳令の 規定があるのにも関わらず、それを軍が布告せず、それにより従順で日本 軍を信頼していた県民が、わざわざ日本軍についていった結果である。ま さに、戦場に民間人なのに自ら赴いて自殺したようなものだ。

国際法では、軍人の側に民間人がいたとしても、それを殺害しても国際法 違反にはならない。なぜなら、便衣兵(平井:ゲリラ。支那国民党軍は制 服の下に普段着を着ていた事例がある。必要なら制服を脱いでゲリラにな る)を攻撃するためにある規定だからだ。

敵の米軍からみれば軍人なのか民間人なのか判別できず、むしろゲリラと 判断するのである。だから、軍隊は直接国民を守ってはいけないのだ。

2)は、必要な物資をすべて軍で用意し、補給体制も整っており、現地の 国民に頼ることはいないということだ。しかし、これは自衛隊は満たして いるようで満たしていない。

東日本大震災でのことだが、自衛隊のレーション(野戦食)に赤飯があっ たそうだが、隊員は「こんな悲惨なときに食べてはならない」とし、拒否 したという。

美談のように語られているが、「軍人」ならばあるまじき行動だ。与えら れたレーションを必要な分だけしっかり消費し、体力を保って任務を遂行 してもらわないと、かえって国民にとって迷惑だ。この時点で、物質的自 己完結能力は一部かけていると言える。

3)は、政府機能を回復する能力だ。裏を返せば、クーデターをもできる 能力を持っているかどうかということだ。大災害や有事の際、政府要人ま でが安否不明、もしくは死亡していて政府機能が麻痺している場合、軍隊 が軍政を敷いて臨時政府を打ち立て秩序を保つなど国家としての役割を果 たすことである。

これを悪用したのが、蒋介石の中国国民党である。だからこそ、政軍関係 が重要で、その政軍関係に常に腐心しなければならない。

4)は、英国でいうシビリアン・シュプレマシーである。よく耳にするシ ビリアン・コントロールとは全く別物である。シビリアン・コントロール は、悪くいえば政府・政治家にいちいち軍が行動するために確認をする制 度である。

シビリアン・シュプレマシーは、政府と政治家と軍隊の役割を分担し、政 府は宣戦布告するかどうかを判断し、政治家が予算など必要事項を集めて 決め、軍隊が実力行使をするという関係だ。

つまり、軍隊は政府が一度国権を発動すれば、国際法上違法でない行為以 外は、すべて行っていいのである。

5)は、いうまでもないので説明はしない。

果たして、我が国の自衛隊はこれら全てを満たしているだろうか、甚だ疑 問である。それに、軍法会議や軍刑法もないのだから軍隊とはいえない。 悪く言うならば、中国の武装警察、アイスランドの警察軍のようなもの で、警察予備隊時代から何も変わっていない。結局、司法警察権のない警 察といえるだろう。

これら諸問題を含めて、我が国の防衛政策・防衛体制には致命的欠陥があ る。これを解決するには憲法改正しかないのだが、これもまた厄介だ。我 が国には現在のところ「日本国憲法の焼き直し案」以外、まともな改憲案 が存在しないのである。

自民党案も、産経新聞案も、日本青年会議所案も、読売新聞案も。主語に 「天皇」がないのだから、我が国の憲法典としてふさわしくない。

二・二六事件(昭和11年、1936年)を思い出してほしい。あれは、右翼の 軍人がクーデターを計画し、軍隊を勝手に動かして天皇親政国家を建てよ うとした。しかし、天皇は統帥権を行使し鎮圧した。つまり、天皇大権の 行使である。

だが、現在提示されている改憲試案のどれをみても、軍隊の最高指揮権は 内閣総理大臣と明記されており、「天皇の軍隊」ではなく「内閣総理大臣 の軍隊」となっている。

これでは、コミンテルンのような内閣総理大臣が誕生した場合(片山内閣 も実際誕生した)、勝手に軍隊を動かして天皇を殺害して、革命軍として 利用することも法的には可能になってしまう。現在の自衛隊法でも、その ようになっている。

軍隊というのは、統帥権は天皇が持っており、実際に行使するのが内閣と いう存在である。英国は、この「憲政の常道」を守っている。

また、国家緊急権の議論が話題となっているが、これもまた浅い議論であ る。国家緊急権の発動は、内閣総理大臣の権限とか内閣の閣議決定により 発動などと諸改憲案には明記されているが、関東大震災のような首都直下 型地震の場合、政府要人の安否が不明の場合は発動できないではないか。

大日本帝国憲法では、非常大権を天皇が持っているし、勅令も発すること もできる。もし、このような状況を想像することができない方は、映画 「ホワイトハウス・ダウン」を観てほしい。

これまで述べてきたように、保守派は全く現実を直視し、歴史を直視した 議論をしていない。左派は、もはや論外だ。

私は、日本国憲法第96条(憲法の改正手続)と国民投票法に則って、大日 本帝国憲法を現代に合わせて改正したような憲法典を制定すべきだと考える。

しかし、それは安倍政権にはできないだろう。まずは、防衛費の増額と敵 基地攻撃能力の保有、芦田修正に立脚した憲法解釈または、鳩山一郎内閣 時代の憲法解釈に戻ることから始めてはどうか>(以上)

氏は22歳、いやはや大変な勉強家だ。映画「ホワイトハウス・ダウン」は テロリストに米国議会議事堂が爆破され、それを率いたのがなんとベテラ ンのシークレットサービスで、ホワイトハウスも占拠されるというストー リー。

「若殿に 兜取られて 負け戦」

二・二六事件の「理論的指導者」として逮捕され、軍法会議で死刑になっ た北一輝の辞世の句だという。若殿、天皇陛下の決断でクーデターは抑え 込まれた。「カスミガセキ・ダウン」、続いて「センカク・ダウン」「オ キナワ・ダウン」の時に天皇陛下は非常大権を発動できるのだろうか。 (2016/4/17)

GHQ占領憲法の問題点(下)
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平井 修一

前東京都議会議員・土屋たかゆき氏の論考「日本国憲法無効、『憲法』を 奪還せよ」(世界日報4/11)から。

<*マッカーサーノートの提示

昭和20年に停戦協定が締結され、わが国は連合軍の支配下となったが、昭 和21年2月3日、マッカーサーはホイットニー民政局長に“マッカーサー ノート”を提示した。その中に「憲法を改正」「憲
法を新しく作ること」 が示されていた。

改正に関して、アメリカ政府から日本の統治体制の変革がマッカーサーに 出されていた。それに基づいて「命令」が日本政府に出された。ところ が、政府案は結果として拒絶された。この経過つい
ては今回は触れずに、 手続きの瑕疵(問題点)を指摘する。

*憲法改正の発議

現在の憲法は「帝国憲法の改正憲法」となっている。更に改正の「発議」 は、憲法に定めのある「天皇」がしたと形式的にはなっている。しかし、 実際は、法律の専門家もいない連合国軍最高司令
官総司令部(GHQ)民政 局のわずかな人数で作られたのだ。

それを「日本の自主的な帝国憲法の改正憲法」と言う虚構の上で交付され たものであることは、その後、公開された資料からも明らかな事実である。

サンフランシスコ講和条約第1条では、昭和27年4月28日まではわが国と連 合軍は交戦状態にあった。8月15日は「停戦」しただけなのだ。

ところが、占領下「日本は無条件降伏した」と事実に反することが流布さ れた。これは、その後の占領軍の違法行為を正当化する巧みな誘導だった。

*どこが問題なのか

・ハーグの陸戦法規第43条にも、「占領地の現行法を尊重し」とある。

・比較憲法の観点からも、フランスの1946年憲法第94条に、「占領下の法 改正は無効」と書かれている。別にフランスのように憲法に書かれていな くても、国際法に定義がある以上無効だ。

その国際法を無視して、銃剣による恫喝と厳重な言論統制のもとで、憲法 が違法な手続きで改正された。更に皇室典範も改正されたが、これも「異 常な事態での皇室典範改正」は憲法で禁じられて
いたのに強行された。

・そもそも帝国憲法では、天皇が「改正を発議する」とある。日本共産党 の野坂参三衆院議員は、昭和21年6月28日、国会での憲法改正審議で、憲 法改正には「その手続きがない」と追及している。更
にこの主張は、当 時、憲法学会の雄である「宮澤(俊義)も美濃部(達吉)も」同調してい ていると付け加えている。

ついでに、この日、野坂参三は「防衛戦争は正しい戦争だ」と言い、8月 24日の本会議では「自衛権の放棄は民族の独立を危うくする」から憲法改 正には反対だと主張している。この主張は、全く正
しい。

・そもそも「憲法の基本理念」を逸脱した改正は違憲であるとするのが、 今日の学会の常識だ。昭和21年当時も同じだ。

だから、宮澤、美濃部両博士も憲法学者として、当初、反対したのだ。だ が、後になって、主張を一転させる。「8月15日に革命が起きた」つま り、「8月革命説」である。革命だから、超法規的なこ
とも許され、革命 によって改正憲法ではなく「新しい憲法が出来た」と言うのだ。荒唐無稽 ではないか。

このご都合主義の理屈だと、どんな素晴らしい理念のある憲法でも、その 改正段階で「革命が起きた」と説明すれば、改憲規定を超えられることに なる。つまり「立憲主義」が崩壊する。極めて安
直な考え方であり、少な くとも学者の考えることではない。

*では憲法をどうするか

今の憲法には改憲規定がある。

しかし、違法な手続きの下で出来た憲法に法的有効性はない。従って、石 原慎太郎元東京都知事の主張するように、「憲法無効宣言をして排除し、 その後に(帝国憲法の)改憲」をすれがいい。
つまり、違法性を排除した 上での自主的な帝国憲法の改正だ。このことこそ法律の精神に合致している。

*国を守る条項

その改憲の中核となるのは、国家の安全保障だ。安保法制は出来たが、実 は自衛隊は「正当防衛行動」しか取れない。敵の基地を先制攻撃すること は許さていないし、迎撃戦も「急迫不正の侵害が
ある」と認められた時の みだ。

となると、尖閣が一旦、中国政府に占領されるとその「奪還」作戦は極め て困難と言える。交戦権がないのだ。交戦権がない軍隊は世界に例がな い。多くの国で、国を守ることは国民の崇高な義務
であり権利であると言 われている。実際、わが国でも、参議院憲法審議会ホームページでは「国 を守る権利」とある。

およそ、国が国として成り立つ基本要件の「防衛」が、醜悪な憲法で否定 されたのは、占領軍の日本弱体化思想にある。

本来、昭和27年の講和条約発効の時に「憲法奪還」をすればよかった。そ れを「再軍備」さえ断り、わが国は経済を優先した。これを境に、武士の 国家は商人の国家に変貌した。

憲法はその国の基本法として、あらゆる国民の生活を定立する。そればか りか、精神構造の柱ともなる。その柱が「アメリカ占領軍」であり、ヤル タポツダム体制なのだ。

憲法を奪還せずして、戦後は終わらない。自主憲法制定などの議論はある が「違法」な憲法の改正をしてどうなる。この奪還なくして、石原氏の言 うようにアメリカからの独立はない。ヤルタポ
ツダム体制を乗り越え、憲 法を奪還しよう>(以上)

何度も書くが改憲や加憲ではなく「棄憲」すべし。暫定憲法に代えて施行 し、3年後に民意に問えばいい。一旦、帝国憲法に戻す、これを改正した のが暫定憲法だという工夫も可能かもしれない。

先人は知恵絞り、年月をかけて帝国憲法を創ったことを我々は知らなくて はならない。「最新日本史」から。

<明治14年(1881)、国会開設を10年後と決定した政府は、憲法制定作業 を開始し、翌年、伊藤博文が各国の憲法調査のためにヨーロッパへ向かった。

伊藤は約1年半の間に(大学教授などから)憲法の教えを受けた。その結 果、プロイセン憲法が日本の国情に照らして参考になるとの結論を得て帰 国した。

明治20年(1887)、伊藤は井上毅の憲法案をもとに、伊東巳代治と金子賢 太郎も加えて検討を進め、翌年4月に草案を完成させた。この草案審議の ため、明治21年(1888)、天皇の最高諮問機関とし
て新たに枢密院が設け られ、伊藤は首相を辞してその初代議長に就任した。

枢密院では、天皇の臨席のもと、慎重に審議が尽くされ、明治22年 (1889)2月11日の紀元節を期して、大日本帝国憲法(明治憲法)が発布 された。ここに、アジアで最初の近代的立憲国家が成
立したのである>

作業開始から発布まで8年間をかけた。GHQは素人をかき集めて1週間足ら ずで、あちこちの憲法をパクって今の占領憲法を“粗製乱造”した。許され ざる大罪だ。

その際の指針が以下である。サイト「芋太郎の広場」から。

<マッカーサー・ノート (マッカーサー三原則)
昭和21年2月3日

天皇は国家元首の地位にある。

皇位は世襲される。

天皇の職務と権限は、憲法に基づいて行使され、憲法の定めるところによ り、国民の基本的意思に対して責任を負う。


国家の主権としての戦争は廃止される。

日本は、紛争解決の手段としての戦争のみならず、自国の安全を維持する 手段としての戦争も放棄する。

日本は、その防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に信頼 する。

日本が陸海空軍を保有することは、将来ともに許可されることがなく、日 本軍に交戦権が与えられることもない。


日本の封建制度は廃止される。

華族の権利は、皇族を除き、現在生存する一代以上に及ばない。

華族の特権は、今後、国または地方のいかなる政治的権力も包含するもの ではない。


予算は英国の制度を手本とする>(以上)

不法な占領憲法を次代に引き継がせるのか。それは大和男児の選択肢では ない。我々は声を上げ続けなければならない、「棄憲を!」と。(2016/4 /17)

安倍首相の訪ロは、前向きに評価したいと思います。(宮崎正弘のコメント)

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)4月21日(木曜日)弐
通算第4886号

ただならぬ緊張漂うサウジアラビアへオバマ到着
リヤドの反米感情。米沙関係はいったいどうなるのか
*************************

4月20日、オバマ大統領は、緊張感ただようサウジアラビアへ到着した。サウジ王家は簡単な儀式による出迎え行事のあと、ただちに国王との面談に入った。

サウジアラビアはオバマ政権のすすめたイラン政策に基本的な疑念と不満を表明しているうえ、米議会の「911法案」が、サウジの911テロとの関与を疑っている動きにも、露骨に反対の意思を表明してきた。

空港からエルガ宮殿までのハイウエイは、誰もいないという異様な警戒ぶりだった。
サウジが米国の議会が上程を予定している911法に正面から反対している理由は、サウジアラビア政府は「911テロに一切関与していない」という立場を繰り返し述べてきたにもかかわらず、米国議会がユダヤ・ロビィに突き動かされて、サウジへの疑惑を強めていることへの不快感だ。

くわえてイランの核武装をいずれ容認するかのような核合意と、対イラン制裁解除が、そのままサウジの国家安全保障の脅威となって跳ね返ってくるからである。

オバマ大統領は個人的に911法案の上程に反対しているものの、議会は野党・共和党が多数派であり、オバマはすでにレイムダック入りしているので、議会を通過する可能性が高い。

サウジアラビアでの国王との会談のあと、オバマは東欧諸国歴訪をすませ、最後の訪問国ドイツで、スピーチを行う予定。
~~~~~~~~~~~~~

(読者の声1)貴誌の連続的な報道によりますと、東欧諸国がNATO入りを果たし、戦車旅団を配置する動き、対してロシアがセルビアに軍事基地を設ける動き、バルト海でも米軍駆逐艦へ異常接近をみせるなど、戦雲がただようかのような雰囲気です。
このようなとき、安倍首相が訪ロして、ソチで5月6日にプーチンと会談をすると言いますが、日本の立場は微妙ではありませんか?
(GH生、浜松)

(宮崎正弘のコメント)ロシアからすれば、大混乱の最中に、旧ソ連圏だった東欧、ならびにバルト三国が、一転して軍事的敵対陣営に走ったわけですから、その焦燥感は並大抵ではないでしょう。
クリミア併合に国民は歓喜し、ウクライナで一喜一憂していたときにシリア空爆で生かをあげて、プーチンはまた得点をあげたわけですから、次の作戦を誇示する必要があります。
なにしろ、ルーブル下落、インフレという国民の不満は、シリア空爆で支持率82%、この現象は、ロシア人の「大祖国」という独特の愛国心をくすぐるからでもありますが、ジェスチャーとしても強いロシアを演じる。

その点でプーチンは千両役者かも知れません。

セルビアへの軍事基地というのは世論操作で、本気とは思えませんが、実際にキルギスには首都ビシュケク郊外カントのロシア軍基地があります。
もし弐国間で安全保障条約を締結し、その条約に基づくとすれば、米軍基地は世界各地にあるわけですから、ロシアが進出することを阻止する制限はない。

まして中国軍はジブチに海外基地を建設します。

安倍首相の訪ロは、前向きに評価したいと思います。

募金詐欺に注意!「私個人で募金を集めることはありません!」ダレノガレ明美

ダレノガレ明美、募金詐欺に注意喚起 「許せない!」と怒り
2016年04月21日 16時07分 提供:ORICON STYLE

ツイッターで募金詐欺への注意を呼びかけたダレノガレ明美 (C)ORICON NewS inc.

モデルでタレントのダレノガレ明美(25)が21日、公式ツイッターを更新。自身の名前を使った募金詐欺が発生していることに注意を呼びかけた。

【動画】ダレノガレ、熊本地震でSNS発信の重要性語る

ダレノガレは「今会社にダレノガレ明美の名前を使った募金詐欺が起きていると連絡がきました! 私個人で募金を集めることはありません!」とツイート。「おじいさん、おばあさんが狙われています! 注意してください!」と喚起すると、所属事務所のURLを添え「なにかありましたら問い合わせください」と伝えた。

さらに、その後のツイートでは「私を利用して詐欺をしようとしているあなた! いい加減になさい! 自分で汗水流してお金は得る物です! 人を騙してお金を取るなんて許せない!」と怒りをあらわにし「しかも、お年寄りの方を狙って…一生懸命働いてきた人のお金を騙しとるんじゃない自分達がやらなきゃいけないことを早く気づきなさい!」と強く訴えた。

ダレノガレはきのう都内で行われたイベントで震災復興のための支援情報を拡散する行動が、一部から「指で操作するだけ」との中傷を受けていることに「言われてもおかしくないと思ったので、それは受けとめたい。でも、発信することで助かる人がいっぱいいると思うので、何を言われても発信していこうと思います」と、今後も復興への尽力を誓っている。
http://news.ameba.jp/20160421-642/

パナマ文書」(巴拿馬密件)じつに30%が中国人なのである。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)4月22日(金曜日)
通算第4887号

「パナマ文書」、じわり共産党幹部に逆風
海外華人はみんな知るところとなった。情報は否応なく国内に
***********************

「パナマ文書」(巴拿馬密件)に関して一切の報道を禁止している中国だが、じわり庶民のしるところとなっている。
海外メディアとの接点は、新式のソフトが普及しており、海外で報じられているパナマ文書の全容が口コミで知れ渡ったようである。

パナマの法律事務所のデータをハッキングして南ドイツ新聞にもたらされた秘密ファイルは1100万件もあるが、じつに30%が中国人なのである。
ところがICIJ(国際ジャーナリスト連盟)に中国のメディアが一社も加盟していないため「解読」が遅れている。

偽名を含む中国人の名前はアルファベットで綴られているため、これを漢字名を当てて人物を特定する作業が遅れている。
しかも偽名が多いので、特定がさらに難しい。

それでも一部が判明した。
複数の華字紙が伝えているが、曽慶紅(元国家副主席)の名前が挙がってきた上、現職の政治局常務委員では張高麗、劉徳江がほぼ特定されてきたようである。

まず序列七位、張高麗の女婿、李聖溌が英領バージン諸島に三つのペーパーカンパニーを登録しており、これらはZENONN CAPITAL MANAGEMENT、SINO RELIANCE NETWORKS CORP、そしてGLORY TOP INVESTMENT社である。

劉徳江は息子=劉楽飛の妻子がやはり英領バージン諸島にULTRA TIME INVESTMENTで、妻の賈麗青は、前の公安部長、賈春旺の娘である。

曽慶紅の弟である曽慶准はサモアに会社を登録している。
前政治局常務委員の賈慶林は外孫の李紫丹が海外オフショアに企業登録。
失脚した薄煕来の妻、谷開来がフランス人建築家パット・アンリ・デビルルを通じてフランスに豪華別荘を購入していた事実は以前から判明していた。

胡耀邦の三男、胡徳華はやはり英領バージン諸島にFORTALENT INTERNATIONAL HOLDING社を登録していた。
毛沢東の外孫の女婿、陳東升も同島にKEEN BEST INERNATIONAL社を。

習近平は実姉の夫君、登家貴がやはり英領バージン諸島に会社登録をしていたが、2012年11月、習が総書記に就任した時期に、登録を抹消した。

パナマの法律事務所「モサック・フォンサカ」一社だけでも、中国のVIP家族16300人の口座を受け持ち、オフォショアへの会社登録を行った。
これらオフショア企業への送金額は、1200億米ドルに達していると、中国人民銀行も把握しているという。

中国共産党は、国内への波及を恐れ、言論統制を行い、「巴拿馬密件」(パナマ文書)と検索を掛けても一切の情報が無いが、今後の問題は海外華人、華僑が里帰りしたり、私的な電話やメールなどでほぼ全容が国内では知られていると見ている。
つまりパナマ文書の影響は、これからじわり中国共産党の中枢を揺らすことになる。


樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1401回】
――「佛具散亂蛛網充滿寺僧洋烟に沈醉して佛道影なし」(原田19)
原田藤一郎『亜細亜大陸旅行日誌?清韓露三國評論』(嵩山堂 明治二十七年)


朝鮮半島における利害を巡っての戦い――現地での小競り合いから始まり両国軍隊による本格戦闘、その後の外交交渉まで――において、日本が清国に勝利したことに違いはない。たとえ三国干渉によって遼東半島の還付を強いられたとしても、である。

戦いの舞台となった東アジアは広い。だが地球規模で考えれば狭い。はたして地球儀全体をグルッと俯瞰し、日清戦争でオイシイ思いをした国はどこかと考えてみると、あるいはイギリスといえないこともなさそうだ。だとするならイギリスが演じた「恰も妓樓の遣手婆なり人形芝居の?頭巾なり」といった役どころは、たんに清国に対してだけではなく、日本に対してもそうだったとも考えられないことものないだろう。

地球規模の大情況における大戦略という視点から布石を打っていたイギリスに対し、日本は東アジアの朝鮮半島という小情況の降る会に終始した。大局観の有無の違いといってしまえばそれまでのようだ。歴史に名を残したとは言い難い原田ではあるが、その見解は徒や疎かに取り扱うべきではないはずだ。敢えて林房雄の『大東亜戦争肯定論』を持ち出すつもりはないが、やはり江戸中期以降から現在までの我が国の歩みを、地球規模で展開された国際政治――有体にいうなら、それは弱肉強食の世界――のなかで再検討する必要があるはずだ。ゼッタイに。

「日英同盟」を裏側から冷静に見直した時、はたして現在の日米同盟の背後から何が浮かび上がって来るのか。あるいは昨今再びメディアを賑わせるようになったタメにする“田中角栄蹉跌論”を遥かに超えた、文字通りに「不都合な真実」が隠されているのかも知れない。そこで、やおら動脳筋・・・左思右想・考究詮議・熟考熟慮・・・長考イチバン・・・う~ん。頭が痛いので、暫時、思考停止。気分一新して次へ。

「十四 清國の道路」に於いて原田は、先ず「清人の道路に無頓着なる眞に驚くの外なし」との「怨言」を記し、道路情況から国情・社会情況を推し量る。

「政務は暗々裡」に行われるから成果は目には見えないが、「土木の工事は人爲の所作に由て幾多の利害を表示す既設道路能く之を証明して餘蘊なし」。つまり道路環境をみれば政治が行われているかどうかが判る、というのだ。そこで原田は清国に政治なし、とする

朝鮮の道路を見ると、たとえば京城から清国に向う幹線道路のみが「春秋の二期道路を修繕」されている。この点からして、「朝鮮の支那に對する内實は属邦の禮を以てす」る関係が見てとれるというのだ。

清国内をみると、「道路は五十年或は百年間修繕を加へず」。たまたま“奇特な地方役人”などがいて道路の修繕を実施することがあるが、彼らは「金錢を出すにあらず民財と民力も以て修繕したるのみ」。にもかかわらず彼らは自らの功績と自賛し、「紀念石碑を建てヽ其徳を稱するに過ぎ」ない。

よくよく観察すると「清國には國道と云ふも國道の制なく農民は國道を耕鋤して播種を爲し行旅は畑中を横行して農家怒を爲」すといった有様であるそうな。国道を田畑に改造してしまう農民も農民なら、その田畑をずかずかと歩く旅人も旅人だ。まあどっちもドッチ、と言ってしまえばそれまでだが。

かくて原田は「彼の吏人が私慾を逞ふして交?を重んぜず盗賊四方に徘徊して民産安からざるも政綱は張らず國威は振はす大木枯死して蟻虫之に湧生するが如きの觀あるは道路壞敗能く之を証徴したりと云ふ可し」と、結論づけた。

老子は「大道廃れ仁義あり」と説いたと記憶するが、「大道」は原田が指摘する道路情況に通じる。確かに劣悪極まる交通環境は、国の進むべき道の乱れを暗示するようだ。
《QED
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(読者の声1)オバマ大統領がサウジアラビア訪問中ですが、アメリカをめぐるサウジとイスラエルの三角関係は厄介なものです。
アメリカにおけるユダヤロビーの凄まじさは2013年にケリー国務長官がネタニヤフ首相に殴られたという話がでるほどです。
http://www.news-us.jp/article/408829297.html
http://img.news-us.jp/world/usa/bruised-kerry.jpg
アメリカのシオニスト・ユダヤロビーについて書かれ本があります。
「ユダヤ・コネクション」(アルフレッド・M・リリアンソール著、宇野正美訳 1991年)。
訳者が宇野正美ですからキワモノかと思いきや内容はいたって真面目、アメリカの政治家が献金と票欲しさにユダヤ・イスラエルロビーに媚を売り支配される様を描いていますが、サウジアラビア関連では1966年にサウジのファイサル国王がジョンソン大統領に招待された時の逸話が出てきます。

リンゼイ・NY市長はメトロポリタン美術館での大歓迎会の計画を招待状が発送され終わった後にキャンセル。1970年にはフランスのポンピドー大統領が訪米、このときはフランスがイスラエルへの武器売却を拒否していたためニューヨークはポンピドー大統領の最初の訪問を市長としてボイコットしたという。
一市長による国の賓客への非礼がまかり通ってしまうアメリカ、ニューヨークがジューヨークといわれる所以です。

もう一つ、1968年に暗殺されたロバート・ケネディがどれほどユダヤに媚を売っていた
かも書かれます。

『ユダヤ票が欲しいあまり、ロバート・ケネディはどんなユダヤ教ラビよりもユダヤ人的になった。

このアイルランド系のカトリック教徒は、ユダヤ人特有のヤムルカ帽をかぶり、祈祷用のショールを身につけて、シナゴーグに姿を現わし、アラブ諸国へのあらゆる援助打ち切りを呼びかけた。そして同時に、1967年の中東戦争で破壊されたイスラエル機を補強するために、50機のファントム・ジェット機をイスラエルに売却するよう要求した。イスラエルが爆撃を始め、パレスチナ難民キャンプをナパーム弾で攻撃し、パレスチナにとどまる人々を含めて多くのアラブ人を逮捕するようになってからというもの、若いパレスチナ難民であるサーハン・サーハンは、テレビでこの上院議員を見ていた。そしてある日、怒りの涙を浮かべ、両手で耳を塞ぎながら部屋に駆け込んだ。彼は自分のノートに書きこんだ。「RFK(ロバート・F・ケネディ)は死ななければならない」』

なにやら国会で朝鮮飲みをする民主党議員を思い出します。

帰化人なら当然ですが、生粋の日本人としてわざわざ朝鮮式の飲み方をする議員がいたとすれば、それは韓国・朝鮮の支援者に対するアピールなのでしょう。

アメリカの大統領がユダヤの帽子を被っている写真をもって「隠れユダヤ」と指摘するむきもありますが、単なる票欲しさのパフォーマンス。
もし日本で外国人参政権が認められたなら、川崎や大阪では朝鮮服のパフォーマンスが見られることでしょう。

舛添都知事など真っ先にやりかねません。

現在のアメリカはユダヤだけではなく、中韓というこれまたアメリカへの忠誠より本国への忠誠を優先する民族が激増中。

カリフォルニアでは捏造データでのトヨタ叩きに加え、中韓の反日捏造がひどすぎる。

トヨタがテキサスに北米本社を移転したのも納得できます。

アメリカの政治家が短期的な視点で中韓の金と票に頼るなら、日本企業は静かに撤退していくだけ。

中韓の反日に加担するアメリカの自治体、日本人も日本企業もいなくなります。

後悔先に立たずといいますが、アメリカ人に理解できるのでしょうか。
(PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)ニューヨークでトランプは圧勝でしたが、さたカリフォルニア州では勝てるか、どうか。
あそこは70年代からクレージー・カリフォルニアと言って、米国の中の外国のような雰囲気がありましたから。


(読者の声2)第154回「士気の集い」は、名和利男先生講演会『サイバー脅威の認識とサイバー危機の実態』~資本主義社会におけるサイバーセキュリティの限界~になります。
世界的にサイバーテロやサイバー攻撃の脅威が増す中で、我が国は通信・情報インフラの脆弱性、サイバー防護対処能力の不備が指摘されています。
世界的視野からサイバーセキュリティの実態、我が国としてどのような課題があり、必要な対処は何であるか大いに語ります。

とき 5月29日(日)14時00分~16時30分(開場:13時45分)
ところ 港勤労福祉会館1階 第一洋室
東京都港区芝5丁目18番2号 電話番号:03-3455-6381
(田町駅西口)徒歩5分、浅草線、三田線 三田駅A7出口徒歩1分)
講師 名和利男(なわとしお)先生(サイバーディフェンス研究所(CDI)専務理事/上級分析官、一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター 外部専門委員、PwCサイバーサービス合同会社最高技術顧問、内閣府宇宙政策委員会宇宙安全保障部会構成員)
■プロフィール 航空自衛隊において、信務暗号・通信業務/在日米空軍との連絡調整業務/防空指揮システム等のセキュリティ担当(プログラム幹部)業務に従事。 その後、国内ベンチャー企業のセキュリティ担当兼教育本部マネージャ、JPCERT/CC早期警戒グループのリーダを経て、サイバーディフェンスに参加。 専門分野であるインシデントハンドリングの経験と実績を活かして、CSIRT(Computer Security Incident Response Team) 構築及び、サイバー演習(机上演習、機能演習等)の国内第一人者として、支援サービスを提供している。
■主な著作『最近のサイバー攻撃の実情と企業に求められる防衛策』、『世界のスマートグリッド政策と標準化動向』、『2011年の世界情勢 : 日本を揺るがす10大リスク!』。

【参加費】 事前申込:1500円 (事前申込の学生:1000円、高校生以下無料)
当日申込:2000円
【懇親会】 17時~19時 参加費:事前申込3500円(当日申込4000円)
【申込先】 5月27日(金) 23時までに下記申込フォームに登録してください。
http://goo.gl/forms/gsk3gMwdEG
★事前申込の無い方の入場は講演5分前とさせて頂きます★
【主 催】 士気の集い http://blog.goo.ne.jp/morale_meeting

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『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』(徳間書店、1080円)
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円)
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)


<宮崎正弘の対談シリーズ>
++++++++++++
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 宮脇淳子 『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 石 平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石 平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 西部 遭『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘 v 黄 文雄『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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