Moondrop A8
リスニング系フラットバランスイヤホン
【特徴】
・8BAのイヤホン
・構成は低域x2 中域x4 高域x2
・70000円前後
・3Dプリンタを使用した樹脂筐体
・フラットタイプ2pinリケーブル
・とても自然な音の響き
・低域~高域まで丁寧な音
【付属品】
本体
イヤピース
ケーブル
レザーケース
それぞれの項目で5段階評価をしています。
3が普通です。
再生環境はGRANBEATを使用しています。
【デザイン】5
筐体の色、フェイスプレートの色、アートワーク等オーダー可能な為自由度は高い。
作りも丁寧で透明なデザインでも変色は無い(もし変色等あっても正規販売なら保証もしてくれるらしい)
【装着感】4
小型で装着感はかなり良いが、ユニバーサルモデルでもサイズが2種類確認されており
少し大きいタイプは自分にはキツかった(耳のサイズが一般的だと感じてる人だとほぼ問題無いかも)
小さいタイプを指定してオーダー出来るかどうかは不明
またステムが太めなので耳穴の小さい人は付属イヤピースで浅めに刺すか薄いイヤピースが必要。
【音のバランス】5
低域~高域まで過不足無く鳴っている印象
Harman target curveに基づいてチューニングされており、多くの人が自然に聞こえる帯域バランスとなっている。
【高音】5
基本的には明瞭感がありつつもピーク感やキツさは感じられないが、イヤピースによっては少し硬い鳴り方に感じる事もあった。薄いイヤピースを奥まで入れてステムが露出した状態だとそうなりやすい印象
【低音】4
BA型の低域にしては珍しいバランスでゴリっとしたソリッドな低音が感じられず、DDの様な空気感をメインにした自然でタイトな低域。
低域が強目のBA機を使ってる人は物足りない感じがあると思う。
【ボーカル】4
距離は普通~若干距離がある。刺さりはかなり少ない。男性ボーカル、女性ボーカル共にあまり前に出てくる感じでは無い。
中域にBAが4機入っているが音の重なり的な物はほとんど感じず、そういうタイプの多ドラが好きな人には物足りないと思う。
【音場】4
特別広い訳では無いが、楽器の音が自然に響いてる感じがある。電子音よりもピアノやトランペット(BA型が苦手な事が多い)の鳴り方が良く感じる。
【解像度】4
何も足さず何も引かない感じで、特別解像感を感じる訳では無いが、音源や再生機器の能力をストレートに出て来ている印象がある。
【鳴らしやすさ】4
一般的なダイナミックイヤホンと同じぐらいのボリューム感。iPhoneでも特に違和感は感じなかった。
【遮音性】4
遮音性は高め。レジンが充填されてる事とステムが太い事もあり一般的な樹脂タイプのイヤホンよりも少し高い印象。
【音漏れ】5
音漏れはほぼ感じられない。少しボリューム上げ気味でもちゃんと装着出来ていれば周りには全く聞こえないと思われる。
【ケーブル】4
2pinのフラットタイプ。
浅くても良いので出来れば埋め込み用の溝が欲しいと感じる。
付属ケーブルはLyre Acousticsのミックスケーブルでどこにも強調感は無く付属ケーブルとしてはかなりレベルが高いと感じる。
補足としてLyre Acousticsのケーブルは耳掛け部分に型が付いたタイプになっているが、カーブが広かったり外に曲がってる事もあるので、ドライヤーかヒートガンで使いやすい角度に調整するのがオススメ(かなり装着感が改善する)
【アップグレードケーブル】
アップグレードケーブルとしてLyre Acoustics-Violet(2万近くする)が用意されている。
極太の6N銅線となっているが、若干物足りない印象もある低域がドッシリしてくれるので、相性はかなり良いと感じる。
難点は線材がゴツく(取り回しは良い)、プラグもゴツい事。
他のケーブルを使用する時も銅線が良いのでは無いかと感じた。
【その他】
カスタム版もオーダーしたが結構筐体が大きくて個人的には装着感はユニバーサルの方が良いように感じた。またカスタム版の方が高域が改善されてるとの話だがユニバーサルでも改良されているかは不明。
【総評】
個人的に世の中にあるBAの多ドラで1番完成度が高いと感じているイヤホン。
ほとんど1DDのイヤホンのように聞こえるが、BAならではの繊細さは持っておりかなり音は作り込まれている。
フラットで自然な音を目指して設計されている為、聞き方によってはめちゃめちゃ良くも感じるし、物足りなくも感じると思う。