英検1級を受験してきました😃
結論から申し上げますと2023年度第二回を受験し、一次試験は合格できましたが二次は不合格💦
同年度第三回の二次試験を一次試験免除で受験し、運良く合格となりました🥲
現在大学院関連の記事を投稿中ではありますが👇🏻
記憶が新しいうちに、英検1級を受験した感想等について、何回かに分けて記しておきたいと思います📝
自分はもちろんのこと、どなたかの参考になれば幸いですが、記事の内容の妥当性等につきましては保証しかねます。
また、今回はアウトプットを兼ねて論文等も参照しておりますが、自身の英語力及び読解力の拙さがゆえに、正確に引用元の内容を解釈し、参照できているか、という点につきましてもお約束できません。
その点ご承知おきください🙇🏻♂️
今回は、ブログ記事のタイトルにありますように、一次試験に向けて行った対策について記しておきます😃
また、合格への目安等を想定するにあたり、学習者の英語に関する情報は何かしらの参考になるかと思いますので、以下に自身のプロフィールをまとめておきます👇🏻
・小学校学級担任として7年、小学校英語専科として6年働いた後、修士課程(英語教育専攻)に進学して、2024年3月現在、 1年が過ぎようとしています。
・中学時代の英語の成績はよかったです。
・高校英語で完全に挫折し、定期考査の英語の順位は下から数えた方が早かったと思います。
・大学時代の英語学習歴は、教員免許を取得する必要に応じて英語系の講義を履修した程度です。
・小学校英語専科になった年に自主勉強に励み、中学校以来の英検を受験し、準1級を取得しました。
・英検1級合格時までは英会話や対策講座等は特に受講していません。完全独学で合格しました。
・留学経験もありません。しかし、海外へ2か月程出張する機会が過去にありました。
・一年前まで、2年間程度、毎日数行の英語日記を書きつつ、英検1級の単語帳の書き取りをコツコツやっていました。
・英検以外の英語資格試験経験歴はIELTS(general)1回とTOEFL4回です。前者は海外出張の際に受験が必要で、後者は大学院の出願資格を満たすために必要でした。
以上がざっくりとした自身の英語学習歴です😃
まず、大学院での生活がとても忙しく、できること及び対策にかけられる時間がかなり限られていました💦
ですから、「ギリギリでもいいからとにかく合格」を合言葉に、「最低限必要だと思われることに最大限集中すること」を意識しました😤
今回の試験用に特化して行った対策ではなく、平素の学習として行っていたことではありますが、試験に出願した時点で英検1級の単語帳は以下の3冊に既に取り組んでいる状態でした👇🏻
こちら☝🏻は5年程前に購入し、これまで通勤時間に音声を聞いたり、読んだり、10周以上書き取り練習に使ったりしました📝
連動するアプリにより音声と並行して学習ができます🎧
チャンツなども入っていて、個人的にはとても覚えやすいように編集されていると感じます👍🏻
よって、暗示的、明示的学習の双方の促進を期待できそうです🏫
こちら☝🏻は、最初に紹介しましたキクタンの収録単語に対してある程度自信をもった際に、約3年前に語彙の補完教材として購入しました📚
個人的には、音声アプリの内容が前者キクタンのそれとは違い、あまり工夫が感じられなかったので、学習者の学習「意識」が伴わなければ、効果をあまり発揮しなさそうだな、と思っています...🙂
しかし、キクタンと比べると、単語のカバー力は幅広いという強みがあります👍🏻
こちら☝🏻は2年ほど前にTOEFL対策として購入したものです💰
語呂やシャレで覚えられるようになっていたり、補足説明等も挿入されたりしているため、特に明示的学習の促進、明示的知識を開発する教材として優れていると思います👍🏻
しかし、音声アプリはただ単語を流すだけなので、「聞くこと」による学習を行う際は学習者の「意識」が鍵になるかと思います🤔
さて、上記にて、暗示的/明示的+学習/知識というコンセプトが出てきましたので、Ellis (2009)の記述より、それらの用語について少し紹介します👇🏻
暗示的学習
意図や意識を伴わずに行われる学習を指しますが、意識が全く伴わない学習が存在するのか、という観点から「メタ言語意識が伴わない学習」である「だろう」と解釈されています😃
例を挙げると、俗に言う「聞き流し」的な学習がそれに該当するのではないでしょうか🤔
明示的学習
暗示的学習とは対照的に、意図や意識的なプロセスを伴う学習です🙄
暗示的知識
直観的、手続き型、自動処理を通じて利用可、L2生成の基盤、言語化ができない、などの特徴をもつ知識のことです☝🏻
明示的知識
意識的、宣言型、制御された処理を通じてのみアクセスができる、学習者が困難に直面した際のパフォーマンスの補助ツール、言語化ができる、などの特徴をもつ知識を指します😃
さらに、Ellis (2005)は、暗示的・明示的知識のlearnabilityについて、暗示的知識を"Potentially only within critical period"と、そして明示的知識を"Any age"と表にまとめています📖
もちろん、この考え方に対する異論はある、とのことですが、この解釈を拠り所にした場合、特に大人の学習者は、明示的知識の開発を目的とした学習に力を入れることが効率的かつ理に叶っていると個人的には考えます😃
(私がそのように考える根拠として、暗示的知識と明示的知識のインターフェースをめぐる議論がありますが、そこまで展開すると書ききれないので、この記事では触れません😌)
実際、自分の学習スタイルは明示的学習、明示的知識の促進、開発に重きを置いたものでした🪨
※ただし、Spada and Tomita (2010)が注釈の欄にて査読者の言及について述べているように、「暗示的」「明示的」という言葉は定義、概念化が難しい用語であるということをご承知おきください。
そして、言語学習は様々な仮説や理論の複合体(例えば先程申し上げたインターフェースに対する主張やskill acquisition theoryなど)で構成されている、ということを意識することが大切かと思います。
さらに、Hu & Nation(2000)によると、テキスト中の未知の単語の密度がそのテキストの理解に「顕著」な影響を与えることを示唆しています⚠️
具体的には、「比較的簡単な」テキスト(Hu & Nationの論文では、時系列のストーリラインが強調されたフィクションを指し、新聞や学術的文書といった、読者にとって難易度が高いであろうテキストと対比させています)であっても、その内容を適切に理解するためには、ほとんどの学習者が、そのテキスト中の単語の約98%をカバーする必要があるとしています😳
逆にいうと、簡単な部類のテキストを読む際に、文書中の2%の単語を知らなかっただけで、その内容を十分には理解できなくなってしまう、ということです🤔
ちなみに、自身が受験した英検1級2023年度第二回一次試験の大問3のうち、長文一題分の語数をざっくりカウントしてみたところ、約510語でした😃
その2%は約10語ですから、その長文問題を解答するに当たり、たった10語が分からないだけで、その長文全体の内容を適切に把握することが難しくなる、という可能性があります😓
ちなみに、その長文問題を例にした場合、1文につき約0.7語の割合で分からない単語があると、これまで述べてきた98%のカバー率を達成できなくなってしまう、という計算結果になりました💦
よって、英検1級のような「難しい」リーディング問題に取り組む上で、単語学習がどれだけ重要かが、容易に想像できるかと思います😃
(リーディングに限らず単語は全ての領域において重要だと考えます)
リーディング、リスニング対策として、英検のホームページから過去問2回分をダウンロードして挑戦しました💻
過去問初回挑戦の際は、リーディング、リスニングともに問題ごとにブロックに小分けして、何日かかけて少しずつ進めました✏️
また、リーディングセクションに取り組む際には必ず計時をして、本番のペース配分を把握できるようにしました🕰️
過去問二回目に取り組む際は、まずはリーディングセクション全体を通して挑戦、その別日にリスニング全体に挑戦しました😃
リーディングについては一回目と同様、セクションごとに計時をして、自身の適正タイムを把握することを引き続き意識しました⏲️
2回分の過去問に取り組んだ結果、私のリーディングセクションの適正タイムは、後述するライティングセクションとの兼ね合いを考えて
7分×2題=14分
14分×2題+20分×1題=48分
と見積もることにしました🙂
また、双方のセクションの問題を終えた後は、一周しかできませんでしたが、分からない単語を調べたり、スクリプトを確認しながら再度リスニング音声を聞いたりするなど、つまずいた箇所が理解できるよう、ざっとではありますが、復習をしました📖
さらに、リーディングセクションにおいて、大問2の空所補充の問題の得点率が他のセクションと比較すると劣ることが分かりましたので、下記の動画を参考にしました👇🏻
英検に限らず他の試験の類全般に言えることだと思いますが、言語能力が結果の全てではない、と考えています🤔
上記のビデオのような戦略的視点はもちろん、当日の健康状態をはじめ様々な要素が試験結果に絡んできますし、テスト作成側も、運営方法から問題作成、結果の開示に至るまで、様々な側面に配慮しながらテストをデザインしていることを大学院のテストデザイン・評価の講義にて学びました😃
過去問に2回取り組み、双方ともリーディング、リスニングの素点の合計が8割程度だったので、「運がよければ本番も突破できるかな...」といった感じでした😑
その結果、
・自分の字の大きさでは、約22行分を書く必要がある
・自分は22行分の写経に18分要する
ということが分かったので、ライティング全体の構想を考える時間を含めて、「22行を25分で書く」という時間配分を見出すことができました📝
また、書き写した模範解答を読み、パラグラフがどのように構成されているか、どの程度のレベルの単語が扱われているのか、どのようなディスコースマーカーが使用されているのかをざっと確認、把握しました👀
本記事冒頭でご紹介したように、日記を書く習慣が一時期あったこと、また、院での課題提出は英語によるものだったことから、ライティングは他の領域に比べて少しだけ自信がありましたし、先述したように、院による時間の制約があったことから、他のライティング対策(例えば、過去問に取り組んだり、模範的な文章を書き写したりすること)については、得られる成果がかける時間に対して割に合わないと判断し、するべきことから除外しました😃
よって、ライティング対策で有名な「英検1級 最短合格! 英作文問題 完全制覇」は、購入はしましたが、全く手を付けず本番に望みました😌
(今後の自己学習に生かします)
さて、今回は、私自身が一次試験に向けて行った対策とその根拠のいくつかについて、まとめてみました📝
一次試験は幸い初回の挑戦で合格しました🥲
その要因としましては、一次試験の準備に戦略的に取り組むに当たり、自身の英語力、必要な学習方法をしっかりと自己分析できたからだと思います📈
XなどのSNSにて、
「これをやれば1級に合格する」
「これさえやれば1級対策はOK」
というような情報を目にすることがありますが、その類の情報に対しては違和感を覚えるのが正直なところです😅
そのように考える理由としましては、その主張を支える根拠が言及されていないことに加えて、個々の学習傾向、好みが人それぞれであることが、様々な学術的文書にて述べられているからです。
そもそも、そのような文書で根拠を確認しなくとも、一人一人に最適化された学習スタイルに違いがあることは、誰もが当たり前のこととして思っているはずです。
よって、各々に合った学習方略を考え、実行し、それをさらに改善していくことが、英検に限らず学習全般において重要ではないでしょうか😌
次回は一次試験本番の様子についてまとめたいと思います😃
今回も長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました☺️
参考文献
Ellis. R. (2005). Measuring implicit and explicit knowledge of a second language: A psychometric study. Studies in Second Language Acquisition. 27. 141-172.
Ellis, R. (2009). Implicit and explicit learning, knowledge and instruction. In R. Ellis, S. D. Loewen, C. Elder, R. Erlam, J. Philp, & H. Reinders (Eds.), Implicit and explicit knowledge in second language learning, testing and teaching (vol 42, pp. 3e25). Bristol: Multilingual Matters.
Hu, M., & Nation, I. S. P. (2000). Unknown vocabulary density and reading comprehension. Reading in a Foreign Language, 13(1), 403-430.
Spada, N., & Tomita, Y. (2010). Interactions between type of instruction and type of language feature: A meta-analysis. Language Learning, 60(2), 263-308.
書いている人
本ブログで述べていることは個人的見解に過ぎません。私が本ブログで発信している情報の妥当性等はご自身でご判断していただくなど、そのような点くれぐれもご留意ください。