自分で監督すると、こうなるわ。
クリードシリーズで主演したマイケル・B·ジョーダン(ややこしいわ)が一旦引退したあと、昔のしがらみと闘うクリードを描いた物語。試合シーンの迫力は最新技術を駆使してなかなかだが、物語が…軽い。前回は親の敵の息子という因縁のありすぎる相手との闘いで燃えたけど、今回は昔世話になったブラザー。地元も育ちも大事だけど、比較にならん。しかもちょっといつものトレーニングをしただけで、結構簡単に勝つ。改めて感じたのけど、自分たちがロッキーに感じていた魅力は、浪花節的なドロドロからの爽快感だったんだ。やっぱり全部濁音のエイドリア〜ン!が聞きたいのよ、昭和のオヤジは。
とにかく、うちの嫁さんには知らせないで!
筒井真理子演じる主婦が、蒸発して10年ぶりにガンになったと言って帰ってきたダンナとどう接するかという物語。笑いながら背筋が凍る思いがなんどもした。あなたのしたことはなかったことにはならない!そう言われて後ろめたくない男なんているんだろうか?あ、うちのカマキリが呼んでるので、いやお呼びになってるのでこのくらいにします。
もったいない。
今からユニークな物語をお見せしま〜す!みたいな演出をされると笑えるもんもそうでなくなる。そんなあざとく、しかもスベってる演出が各所に見られて悲しかった。せっかくいいキャスティングだし、設定も大枠のテーマもイケてたのに。演出が残念にしてるなぁ…。
想像もできないけれど…。
正直、山登りは好きじゃない。登りはともがく、下りが苦痛で。それでもクライマーたちが挑むのはつらい過程を克服した達成感と、頂上での景色があってからなんだと思う。その後者が全くない、全盲のクライマーとそのガイドがアメリカの冗談みたいな崖に挑むドキュメンタリー。ちょっと目を瞑って歩いても恐怖なのに、それで目が見えてもありえない断崖絶壁を登る。周りの支え、そして周りへの全幅の信頼。例え光は感じなくても、それこそが真の幸せなのかもしれない。絶壁で白杖を掲げる彼の姿を見て、たまらない気持ちになった。
やっぱり余裕が大事だよね。
岡田准一演じる刑事が不運からどんどん追い詰められていく物語。追い詰めていく綾野剛の怪演も物語の伏線も見事で楽しめるけど、単にドキドキするだけ、なにも伝わってくるものがない。聞いたら元は韓国映画だそう。なんか納得。
宝の持ち腐れ
舞台は戦時中のイタリア。世間から迫害されサーカスに身を寄せていた、狼男・磁石男・虫使い・電気少女。この4人が侵攻してきたナチスに立ち向かう!設定のワクワクはほぼ100点でしょ。でもつらい場面、悩む様子ばかり100分近く見せられ、ようやく戦いだしても見せ場はほぼ単発でカタルシスなし。トーンも全体的にどんよりしてて、娯楽作とも割り切れない感じ。アベンジャーズはやりすぎだけど、こういうのはハリウッドに分があるなと思う。
美味しかっただけに…
一流シェフが店とケンカして再就職できたのは、レストラン戸はまるで違う未成年移民の収容施設だった。そこから始まる、頑張れベアーズ的な物語はそれなりに楽しめる。一流シェフならではのこだわりやプライド、テクニック、あと移民たちのキャラクターや国籍の多様さ。もう少し長くして思い入れを作らせたら、もっと盛り上がったのに。
みんな違って、みんないい。
正直アベンジャーズのゴチャゴチャした感じが好きでなく、スルーする予定だったけど、ダイノジ大谷くんの強いオススメで鑑賞。結果、なかなか良かった。銀河の落ちこぼれたちが、力を合わせて悪に立ち向かう。顔が青いの、筋肉バカ、チャラ男、アライグマに、木!多様性の極みみたいな連中。アベンジャーズと違い、目につくのはマイナスばかり。それをうまく笑いにつなげながら、ほんのちょっとの強みが繋がって世界を救う気持ち良さ。この監督がライバルのDCに引き抜かれて作る次作が楽しみになってきた。
いろんな人の山。
夏休みに山で出会った田舎と都会の少年。仲良くなった二人が、対照的なそれぞれの人生で山に関わって行く物語。見ていて感じたのは自分らしくいられるhome。それが彼らにとっては山だったわけだ。嬉しいこと、つらいこと、いろんなことがある人生でそのhomeとどういう距離感でいるか?自分にとってはどこがそれに当たるのか?考えなくてはいられない、オトナの映画だ。
他人事とは思えない。
宮沢賢治と彼を支えた父親の物語。けんじを愛し、けんじに振り回される父親という点では共感しまくり。でも物語としてはベタだったし、うちのけんじはそんなたいしたことないけどね。でも頑張ってほしいのが親心。