戸田ボートコースに遠征する際、必ず訪れる店がある。ホームセンターとすき屋のある通りを直進した場所にあるインドカレー屋。1年生当時、初めて戸田を訪れた際の最終日昼食が丁度、マネご飯が出ない自由時間となっていた。何を食べたいという訳でもなく、そうはいっても「せっかくの旅先だしチェーン店は嫌だ」といういつもの拘りは健在のまま、適当に行動圏をぷらぷらと歩いたお昼時。そろそろ空腹が限界に達しようとしていた頃、ランチタイムメニュー最安値800円などという冗談みたいな安さの看板が目につき、吸い寄せられるように入店した。注文時は失礼ながら詐欺ではないかとも疑ったのだが、インドカレー屋特有のドレッシングがかかったサラダに始まり、しっかりしたクオリティのナンとカレーに加え恐らく人生で飲んだ中で一番旨いラッシー、サービスの無料お代わりナンに果てはデザートのヨーグルトと、とにかく至れり尽くせりのメニューをお出しされ、帰るころには逆の意味で店の原価率を疑う羽目になったのはいい思い出である。
美味しい、安い、しかも穴場的な魅力もある。僕にとってこれ以上ない、理想的な昼食。行きつけにならない理由がない。申し訳ないことに店名は覚えていないのだが、逆に覚えていないのはそれだけ。国艇をはじめとする宿泊施設からの道のりや店内の内装、果てはお替りナンを勧めてくれる店員さんの声と顔に至るまで、事細かに思い出せるほどに通い詰めた。ある時はひとりで、あるときは集められる限りの部員を誘って、またある時は親友とふたりで。戸田遠征の際に訪れなかった回は、文字通りなかったと断言できる。
さてそんな店なのだが、本日また別の親友に紹介しようと意気揚々と乗り込んだところ、まさかの内装工事中であった。よく見るとグーグルマップにも臨時休業の文字。完全に僕の過失である。このまま閉店してしまうのか、それともいつか復活してくれるのか。それを知る術は僕にはない。ただ、マップ上の情報である臨時休業が文字通りの「臨時休業」であると願うのみである。正直なところ、200~300円程度の値上げをされても喜んで払うほどに気に入っている店なので、是非また復活してほしいところである。その暁には今度こそ、親友に紹介したい。
そんな合宿後のハプニングがありながらも、ともあれ本日の午前練を以て、6日間に及んだ合宿は幕を閉じた。と、ここまで書いて席を立とうとした瞬間、左足の裏に激痛が走った。こむら返りのような肉離れのような、強い揉み返しといった印象の原因は明白、昨日漕手とともに行った陸トレのランメニューと連日に渡る徒歩移動である。もともと練習後に違和感はあったので、その爆弾が爆発したようだ。現に執筆している今、歩くだけで結構な痛みである。一過性のものであると信じたいが、万一そうでなかった場合明日の御朱印巡りスケジュールを大幅に見直す必要に迫られる。
兎に角、起こってしまった以上今は軽症であることを祈るしかない。
さて改めて。本日の午前練を以て、6日間に及んだ合宿は幕を閉じた。体調不良やそもそもの多忙によりボート部から少し距離を置いていたなかで、久々に乗った艇が戸田のボートコース、それも金大さんとの混成クルー。正直に言えばとても緊張したし、少しばかり怖かった。
そもそも戸田の狭いコースに抱いていた苦手意識、お世辞にも高いとは言えないCOX技量、初対面に近いクルーを乗せる不安。そもそも僕自身、初対面の人と話すことが極端に苦手ということもあり、ぶっちゃけ本当にしんどかった。この点については金大さんや我々の部員が問題という訳ではなく単に僕自身の能力と気質の問題なのだが、だからこそその怖さを拭いきることは最後まで出来なかった。この点についてごまかすつもりはない。
しかし、否、だからこそ。複数回にわたったレクリエーションを通じ、そういう自分が存在することを否定しなくていい、という価値観を再認識できたことはとても重要な機会であったし、自分という存在の芯を改めて見つめ直すことのできた有意義な時間であった。もともとそういう生き方をしてきていたし、その正しさは心に抱えていた筈であったが、やはり他からの意見による補強は心強いものがある。そこはまだ、僕の確信が弱かった証左なのだろう。それを否定する気はないけれど。
無論、学ぶことも多かった。理屈だけでなくそれに関連する感覚の双方を十二分に理解してから実際の行動に反映させたい自分としては、特にラダーの切り方の細かなディテール、視線の位置や指先に伝わる感覚など、コースが真っ直ぐな戸田だからこそ極められる部分が多く、とかく非常に勉強になった。一日何周もするなかでのたった数周だけだけど、自分のラダーに少しだけ、そして初めて満足することができた周もあった。そして、久しぶりにCOXが、ボートが楽しいと思った。嘘偽りない思いである。
「イラストっていうのはね、宗教と一緒なんですよ」
イラストレーターとして活動する傍ら、Vtuberや歌い手として様々な場所でその力を発揮するしぐれういが、「絵の添削」というテーマに端を発しイラストレーターとしての自身の考え方を説明した、実に端的な表現である。
イラストはそれぞれに描き方があり、理想とする姿がある。また、それを受け取る側の価値観によっても、その評価は大きく変わる。さながら、それぞれに信仰している宗派が異なり、またいずれの信仰も自由に認められる宗教のようなものである。であるならば、描き手と異なる感性を持つ自分が他者のイラストを添削するのは、自身のポリシーに反する。と、こうした趣旨を踏まえての発言である。
イラストとボート。ジャンルこそ違えど、それらを「人生」という言葉に置き換えたとき、きっと通じるものがある。その一言で、この言葉を合宿最終日のブログで紹介した理由としては充分に伝わる筈である。
余談ではあるが、Vtuberの配信は僕自身たまにではあるが視聴する。その最大の魅力は「人生」をリアルタイムで共にしている感覚だと、僕は思う。Vtuberの努力や挫折、または成長を配信という形でリアルタイムに共有し、形になった成果を共に喜ぶ。画面の先で直接触れ合えるわけではないけれど、そこには紛れもない「共有された時間」があるのだ。
…というわけでこのブログをお読みの皆さん、もしよければ何人かVtuberの配信を見に行ってみてください。「ご自身の趣味+Vtuber」で検索すれば、何人かヒットすると思います。もしかしたら、人生を変える出会いがあるかもしれませんよ。
また昨日は国公立大学の前期試験でもあった。僕自身、広報長としてカウントダウンに主体的に関わってはいたので、少なくとも他の部員よりはある程度の感覚は共有できているはずである。そちらのテーマについては昨日のブログで触れたので、二重で触れることはしないが、受験生皆さんの人生が明るく照らされていることを切に願っている。
さて本日は、今月20日のブログで宣言した毎日投稿の最終日であった。厳密には昨日がそうだったのだが、1日番外編を挟んでいるので後ろにずれている次第である。この期間中に投稿したブログは、上に添付したリンクのものに初日の宣言を加え計6本。ここまでの毎日更新が閲覧数に与えた影響などについては、近いうちにまた別の記事で紹介できればと思う。
まずは、拙い文章の毎日更新にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。今後も部員一同でブログを更新して参りますので、よろしければ覗いてやってください。
文責:COX・広報長・漕手2年 谷村
