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『ロゴスドン』Webの連載「哲学カフェ」を更新しました。

 

「空間」とは捉えることができるものである

 前川幸士(京都府京都市)


 人間が、自己及び他者を認識する時、空間と時間は、その基盤となる存在として必要になる。空間は時間とともに、あらゆる事象の根本となる概念であり、それは常に無限の広がりを示すものである。それ故に、捉えようのないものでもある。
 しかし、人間は、空間を時間と区別することで、そのいずれを捕捉することにも成功した。すなわち時間を止めた時に、そこに存在する世界を空間としたのである。このような方法は、西欧的な思考を基盤とするものであることは、日本語の“間”(ま)が、空間と時間の両方を含んだ概念であることからも推測できる。
 そして、西欧社会は、時間とともに空間を正確に計測し、把握することによって、近代文明を構築させたのである。すなわち、振り子の原理を応用した機械式時計を発明することによって、河川のように流れるものとして認識されていた時間を、それをあたかも微分するかのように刻むことに成功した。そして、時間を刻んで停止させた後に、そこに広がる世界を、3次元のユークリッド空間として、3個の座標で1点を指定することで、計測、把握、表現することにも成功したのである。

 

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『ロゴスドン』Webの連載小説「甦った三島由紀夫」を更新しました。

 

第54回

中国人留学生C (その四)


 
M Cさんが尊敬する人物は誰ですか。
C やっぱり毛沢東ですね。学校での教育の影響もあるかもしれませんが、彼が成し遂げたことは充分尊敬に値します。彼なくして今の中国はないことは確かです。
M Cさんだけでなく、今でも多くの中国人が毛沢東を尊敬していますか。
C もちろん他にも色々いるでしょうが、やはり数の上では一番多いと思います。数十パーセントは占めると思います。日本人の場合は誰でしょう?
M 聞いたところでは、日本の中学生に「尊敬する人物」という題で作文を書かせると、「お父さん」が三分の一くらいで、あとはスポーツ選手やら芸能人やら・・・歴史的人物では織田信長が人気あるようですが、これもマスコミがらみのマンガか何かの影響らしいですし、とにかく近頃の子供は本を読まないから、まず人物を知らんのだと思います。何も「お父さん」を尊敬しちゃ悪いと言っているわけじゃないし、それはもちろん大事なことなんだけれども、何か寂しい気がするな。
C 中国でも似たようなものですよ。今時「三国志」の人物を挙げる者などいないでしょう。それより日本のアニメの主人公の方が有名です。それにしても「お父さん」は意外ですね。日本の「お父さん」は「家族の嫌われ者」のイメージが強かったんですが。

 

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『ロゴスドン』Webの連載「「裏日本」文化論」を更新しました。

 

第39回

〈山の女神〉


 霊峰白山の女神は、白山比咩大神あるいは菊理姫神と呼ばれ、白山信仰における最も重要な祭神とされている。
 白山のみならず、日本において山の神は、大体女神とされてきた。しかも多くは、嫉妬深い女神とされてきた。
 山の女神が、醜い魚オコゼを好むという伝承は、日本各地に広く浸透している。山で狩りなどを行う者が、オコゼの干物を懐に入れたり、竿の先に糸で括りつけたりして出かけると、女神のご加護で目当ての獲物が得られるという。つまり、嫉妬深い女神は、自分より醜い姿をしている深海魚のオコゼを見て気分を良くするというのだ。著名な民俗学者・南方熊楠(1867~1941年)や柳田國男(1875~1962年)もこの伝承に言及している。
 一方、女神は、美しい女性に対しては容赦がない。例えば、白山には「融〔とおる〕の姥伝説」というものがある。その大筋は以下のようなものである。
 昔、加賀禅定道沿いに登山者を相手にした酒屋があった。そこの老女・融の姥は、美人な娘たちを雇い、店は大変繁盛していた。白山の山頂で商売すれば、さらに儲かるのではないかと目論んだ老女は、娘たちに酒甕を背負わせて、禅定道を登った。その途上、雲の上から、山神が「聖なる山に女たちを連れ込むな」と大声で𠮟った。すると、すぐ目の前の峰に深い亀裂が生じた。一行はこの神のお叱りにも関わらず、さらに山を登っていった。次第に当たりは暗くなり、再び神の激怒する声が聞こえた。老女はこれを聞き流し、小便をして嘲笑った。その瞬間、目の前の道が陥没し大きなへこみができた。そして娘たちは、「美女岩」という石にされてしまった。
 このように女性が、山に登った結果、神の怒りに触れ、死んだり、石にされてしまったり、あるいは樹木に変えられてしまったという伝説は多く残っている。

 

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