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『ロゴスドン』Webの連載「「裏日本」文化論」を更新しました。

 

第37回

〈オシラ遊び〉


 オシラサマのご神体は、多くの場合、桑の木で作られる。桑の木に馬の顔を描き、身体を人間のように作り、最後に「オセンダク」と呼ばれるかわいらしい衣装を着させることが多い(あるいはオシラサマに新しい衣を着させること自体を「オセンダク」と言ったりもする)。そうしてできたご神体は、各家の神棚に大事に祀られる。オシラサマの祭日は「命日」と言われ、旧暦の1月、3月、9月の16日とされている。このときイタコに頼み「祭祀」を行うことも多い。その「祭祀」は、概ね以下のような手順で行われる。

 

  当日はイタコが到着すると、当番がフレて歩き、部落の家々に知らせる。イタコはまず祭壇に祀られているオシラサマに向って座り、神寄せの経文を読み、九字を切る。次にオシラサマを両手に持ってオシラ祭文を語りながら宙に舞わせるが、これをオシラ遊びという。(前田速夫『白の民俗学―白山信仰の謎を追って―』河出書房新社2006年p.93)

 

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懸賞公募

『ロゴスドン』Web

哲学カフェ

「パラレルワールドとは何か」

締切り:2018年4月23日

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[募集要項]


(内容)『ロゴスドン』Webの哲学カフェで、あるテーマに対するみなさまの考え方、哲学などを紹介しています。今回のテーマは「パラレルワールドとは何か」です。テーマに対する回答を題名とし、それに至る経緯、考え方、主張、思想、哲学などを論述してください。

(規定)投稿は電子メールに限ります。(添付ファイルにする場合、ファイル形式はMS Wordのみ可能です。なお、ルビ、下線、太字、絵文字、ローマ数字、修飾英字、省略文字、シンボル、修飾文字、修飾数字等は使用不可です)。テーマ、題名、氏名(ペンネーム可)、住所を明記し、2018年4月23日までに弊社のEメールアドレス(logosdon@nu-su.com)にお送り下さい。文字数は、800字以上1600字以内です。

(賞品)紹介した作品の応募者には500円のクオカードを差し上げます。また、数年後に「哲学カフェ」のコーナーに掲載した作品の中から、当編集部で特に優れていると思われた作品を選出し、『哲学カフェ傑作選 第3集』と題するオンデマンド版の書籍に編纂して発行する予定です。その際、選出作品のご投稿者様には印税をお支払いたします。印税額は、「本体価格の10%×実売部数÷総作品数×貴方の選出作品数」です。毎年3月末日に締め、翌々月末日に1年分をまとめて銀行に振込みます。振込手数料は弊社で負担します。

(著作権)応募者に帰属。

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第36回

〈オシラサマと白山姫命〉


 昔から、オシラサマを祈ることは、人々にさまざまな御利益をもたらすと信じられてきた。豊蚕はもちろん、穀物等の豊作の他、女性の病の治癒、眼の病にも効くと言われてきた。「眼の病の治癒」に関しては、「オシラ祭文」を唱えるイタコや瞽女が、眼が見えないか弱視の者が多かったことと少なからず関係があると思われる。
 古来、馬の餌やり等の仕事は女性によるものだった。女性と馬は、使役者と被使役者という関係を超えた、ある種の愛情にあふれた特別な関係にあったのだと思われる。また、馬と女性はシンボル的に見ても相性がよい。馬の力強さはしばしば男性のメタファーとしても用いられる。古典的な夢判断などでは、女性の夢に出てくる馬は、男性そのものを表象しているなどとも言われる。
 「馬娘婚姻譚」で着目すべきは、まず「桑の木」である。そこからは、蚕の食糧となる桑の葉が連想される。馬が殺され吊されたのは、なぜ「桑の木」だったのか。この馬―桑の一見奇妙に思われる連想の背景には、蚕が媒介として存在している。例えば、蚕の背中の紋様は、馬の蹄によく似ているなどと言われることがある。また、蚕が桑の葉を食べる様(頭を高く上げるしぐさ)は、馬と似ているなどとも言われる。さらに、馬小屋の上の部屋は、馬の熱気で暖かく、蚕が元気に桑の葉を食べ、冬をしのぐ場所に適切であったとも考えられている。つまり、蚕と桑の木の関係の深さは言うまでもないが、馬と蚕の間にもこの様に深い関係があるのである。そして蚕は、桑の木と馬との両方に関係しており、両者をつなぐ回路のような役割を果たしているのだ。一見無関係に見える馬と桑の木であるが、実は蚕を媒介としてつながるのである。『馬娘婚姻譚』のみならず、神話や民話においては、このような「つながり」がよく見られる。この「つながり」「回路」を見出すことが、民俗学あるいは人類学の醍醐味なのかもしれない。

 

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