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『ロゴスドン』Webの連載「漫画哲学」を更新しました。

 

第100回

『この世界の片隅に』

 
 平成ももうすぐ終わる。時代が新しく変わるたびに、ふと気がかりになるのは、戦争体験者が少なくなって行くことだ。戦中や戦後に人々がどんな思いで過ごしていたのか、経験者から聞く機会は年々減って来ている。
 この作品は、戦中の広島が舞台だ。18歳のすずは、太平洋戦争中に結婚し、呉に移住する。夫となる人は、北條周作という青年で、実は幼少の頃に2人は既に出会ったいた(すずは忘れている)。いつももぼんやりしていて危なっかしく見えるすずは、北條家で失敗をくり広げては小姑に小言を言われながらも、嫁として役に立とうとしていた。
 ある日、闇市からの帰り道で偶然知り合った遊女、白木リンが、かつての周作の元恋人ではないかと気づき、自分はリンの代用品ではないかと悩む。そんな折り、呉は頻繁に空襲を受けるようになる。可愛がっていた少女、晴美を目の前で亡くし、すずも右手を負傷してしまう。絵を描くことが好きだったのに、心をどう立て直したらいいのか、わからなくなる。そしてついに広島に原爆が落とされる。

 

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『ロゴスドン』Webの連載「「裏日本」文化論」を更新しました。

 

第41回

〈白山信仰①〉


 白山姫命(白山比咩神)は、別名を菊理媛神と言い、白山信仰における最も重要な祭神とされてきた。また、神仏習合、あるいは本地垂迹説(神の「正体」が仏や菩薩であるとする思想)の影響により、菊理媛神の「正体」は、十一面観音ともされてきた。白山を開山したのは、泰澄大師(682~767年)である。そしてこの泰澄大師は、渡来系氏族・秦氏の出とも言われている(第8回〈韓神信仰②〉参照)。
 白山信仰については、折にふれて述べてきたが、ここで、改めてその信仰とはいかなるものなのかを見ておきたい。
 石川県白山市から岐阜県大野郡白川村にまたがる標高2,702メートルを誇る霊山、それが白山である。富士山、立山と共に日本三名山(日本三霊山)の一つとされている。最高点の御前峰〔ごぜんがみね〕には、白山比咩神社奥宮がある。
 古来、人々はその山を仰ぎ見、畏怖の念を感じていた。険しいその山の頂に、人々は容易に近づくことはできなかった。時にそこは、鬼が棲む「異界」としても語られてきた。白山から麓へと流れる河川は、人々に命の源=水を豊富に与え続けてきた。しかし、その河川は、常に穏やかとは限らず、しばしば氾濫を起こし、河口に住む多くの人々の命を奪うこともあった。古来、白山には神々が坐すとされてきた。冬の晴れた日には特に、山頂の雪は太陽に照らされ白く光を放ち、人々はそこに神々の顕現を見ていたのである。光り輝く白山は、日本海沿岸を航海する者にとって非常に良い目印となっていた。それは、安全な航海を約束してくれる山でもあったのだ。また、白山から流れる河川の豊富な水は、米作りをはじめ、さまざまな生活の糧として人間の生活に必要不可欠であった。人々は、この山に怖れともに感謝の念を抱いていた。――聖山に坐す超自然的存在への崇敬と畏怖の念、これが白山信仰の元型である。

 

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2018年8月2日に新刊が販売開始となりました。

 

『哲学カフェ傑作選 第2集』(ロゴスドン編集部編)

 

本体価格2600円、A5判、202頁、ISBN978-4-902462-22-7

 

(内容)50のテーマについて『ロゴスドン』Webで議論した「哲学カフェ」の中から、特に優れた明快な定義を厳選。思考の達人たちが導いた回答から世界の本質が見えてくる明快定義集。2009年に発行した第1集に続く待望の第2集。

 

(目次)あ行(悪、意識、意欲、占い、運命、老い、お金) か行(懐疑主義、価値、神、関係、感情、偶然、芸術、原理主義、構造主義、幸福、固執、言霊) さ行(時間、市場、実存主義、自由、宗教、進化、人格、人生、青春、世界観、説得力、相対主義) た行(大局、知恵、諦観、伝統、天命、道理、独創性) な行(納得、ニヒリズム、人気) は行(発想、比較、夫婦、煩悩) や行(唯物史観、友愛、優生思想、欲望) ら行(倫理)

 

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