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『ロゴスドン』Webの連載「哲学カフェ」を更新しました。

 

表象する媒介者

 平川己津子(英国・マンチェスター)


 心における表象、Mental Representation には大きく分け、二種類あるとされる。画像的イメージあるいはアイコンによる表象と言語あるいはシンボルによる表象が現代の認知科学あるいは分析哲学では広く論じられている。つまり表象における媒介は画像的なものと言語的なものとに分けられる。もっとも現代の分析哲学で論じられている表象論はデカルトに始まる近世哲学、そこから発展した経験論主義者による表象論が根本となっている。18世紀のイギリス経験主義者であるヒュームにおける表象論では、表象とは感覚によって経験された知覚が、イメージへと変化して心に表象されるとされた。いわば五感によってとりいれられた外界の印象から心の中における観念へと変化したイメージを表象として、画像的な表象を含む感覚的表象を論じている。心に現れる表象はすべて経験が媒介しているとする考えである。
 ところで、現代の分析哲学における表象論は、言語に依存した表象に関する議論が主流となっている。例えば認識科学者でもあるアメリカの哲学者、J.フォーダーは言語による表象論を70年代から論じており、彼は、思考における言語とは生得的に与えられているとする。この生得論は上に述べたイギリス経験論とは真っ向からの反論になるのだが、実はフォーダーはヒュームを彼の心的表象論の先行者としてヒュームによる『人性論』を解釈した図書も出版している。
 しかし反面、フォーダーはヒュームが論じる画像による表象論に対して反論も展開している。

 

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『ロゴスドン』Webの連載「「裏日本」文化論」を更新しました。

第42回

〈白山信仰②〉


 石川県小松市にある那谷寺の第十六世住職・木崎馨山〔きざきけいせん〕は、白山と太陽信仰・天空信仰の関係について、以下のように解説している。

 

  古朝鮮の太陽信仰については桓雄〔かんゆう〕という英雄が三種の神器を携えて三千人を率いて太白山〔ていぱくさん〕(今の白頭山〔ぺくとうさん〕)の頂きに天降った物語や、壇君〔だんくん〕神話(古朝鮮の建国神話で、朝鮮の祖である恒雄は、熊がお籠もりして変身した美女と結婚し、その間に生まれたのが壇君という)は、白頭山の信仰があり、太陽の輝く白の信仰がある。そして白頭山や白山部(白頭山の中国側)の出身者が越の国にも入っている。それ故、しらやまを白山〔はくさん〕と呼んだことと関係があろうと思う。白山は海の彼方にある光り輝く温かい理想郷でもあった。(木崎馨山『那谷寺の歴史と白山・泰澄』自生山那谷寺2017年p.35)

 

 木崎はここで、太白山物語や壇君神話をあげ、朝鮮半島に「太陽の輝く白の信仰」があったと述べている。そして白頭山地域出身の人々は、海を越えて日本の越にもやって来たと述べている。また白山を「はくさん」呼ぶ理由について、太白山、白頭山の呼び名と関係があるのではないかと推測している。
 実は、この白頭山(太白山)と越の白山には、以下のように、さまざまな共通点がある。

 

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『ロゴスドン』Webの連載小説「甦った三島由紀夫」を更新しました。

 

第55回

中国人留学生C (その五)


 
M Cさんは今実に流暢に日本語を話されてますが、勉強していて特に困難だったのはどういう点でしたか。 
C  まず「助詞」ですね。今でも時々「これはうまいのラーメン」だとか「研究室でいます」とかいってしまうことがあるのことです。(笑)これは頭で覚えられるものじゃないと悟りました。感覚というか、言い慣れ、使い慣れるものだと。それから「敬語」、これは本当に複雑で、学校で習ったのと、実際アルバイトしている時や先生や先輩や同僚たちとの会話、みんなバラバラで一体どれが正しいのやら・・・今でもわかりません。
M (笑)「敬語」は相対的な表現方法ですから、型通りに正解というのは決められないでしょう。それに何より、近頃の日本人も適切に使えていない。店の売り子のみならず、テレビのアナウンサーまでもが教養を疑われるのがいますからね。上司に向かって「なるほど」などと平気で言っている。しかし言葉というものは時代とともに変化するものですから、仕方ないと言えば仕方ないかもしれませんが、私なんかどうも鼻についてイヤですね。美しくない。
C 三島さんが執筆される時、文章の上で特に気を配られたのはどういう点でしょうか。

 

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