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『ロゴスドン』Webの連載小説「甦った三島由紀夫」を更新しました。

 

第55回

中国人留学生C (その五)


 
M Cさんは今実に流暢に日本語を話されてますが、勉強していて特に困難だったのはどういう点でしたか。 
C  まず「助詞」ですね。今でも時々「これはうまいのラーメン」だとか「研究室でいます」とかいってしまうことがあるのことです。(笑)これは頭で覚えられるものじゃないと悟りました。感覚というか、言い慣れ、使い慣れるものだと。それから「敬語」、これは本当に複雑で、学校で習ったのと、実際アルバイトしている時や先生や先輩や同僚たちとの会話、みんなバラバラで一体どれが正しいのやら・・・今でもわかりません。
M (笑)「敬語」は相対的な表現方法ですから、型通りに正解というのは決められないでしょう。それに何より、近頃の日本人も適切に使えていない。店の売り子のみならず、テレビのアナウンサーまでもが教養を疑われるのがいますからね。上司に向かって「なるほど」などと平気で言っている。しかし言葉というものは時代とともに変化するものですから、仕方ないと言えば仕方ないかもしれませんが、私なんかどうも鼻についてイヤですね。美しくない。
C 三島さんが執筆される時、文章の上で特に気を配られたのはどういう点でしょうか。

 

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『ロゴスドン』Webの連載「漫画哲学」を更新しました。

 

第100回

『この世界の片隅に』

 
 平成ももうすぐ終わる。時代が新しく変わるたびに、ふと気がかりになるのは、戦争体験者が少なくなって行くことだ。戦中や戦後に人々がどんな思いで過ごしていたのか、経験者から聞く機会は年々減って来ている。
 この作品は、戦中の広島が舞台だ。18歳のすずは、太平洋戦争中に結婚し、呉に移住する。夫となる人は、北條周作という青年で、実は幼少の頃に2人は既に出会ったいた(すずは忘れている)。いつももぼんやりしていて危なっかしく見えるすずは、北條家で失敗をくり広げては小姑に小言を言われながらも、嫁として役に立とうとしていた。
 ある日、闇市からの帰り道で偶然知り合った遊女、白木リンが、かつての周作の元恋人ではないかと気づき、自分はリンの代用品ではないかと悩む。そんな折り、呉は頻繁に空襲を受けるようになる。可愛がっていた少女、晴美を目の前で亡くし、すずも右手を負傷してしまう。絵を描くことが好きだったのに、心をどう立て直したらいいのか、わからなくなる。そしてついに広島に原爆が落とされる。

 

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『ロゴスドン』Webの連載「「裏日本」文化論」を更新しました。

 

第41回

〈白山信仰①〉


 白山姫命(白山比咩神)は、別名を菊理媛神と言い、白山信仰における最も重要な祭神とされてきた。また、神仏習合、あるいは本地垂迹説(神の「正体」が仏や菩薩であるとする思想)の影響により、菊理媛神の「正体」は、十一面観音ともされてきた。白山を開山したのは、泰澄大師(682~767年)である。そしてこの泰澄大師は、渡来系氏族・秦氏の出とも言われている(第8回〈韓神信仰②〉参照)。
 白山信仰については、折にふれて述べてきたが、ここで、改めてその信仰とはいかなるものなのかを見ておきたい。
 石川県白山市から岐阜県大野郡白川村にまたがる標高2,702メートルを誇る霊山、それが白山である。富士山、立山と共に日本三名山(日本三霊山)の一つとされている。最高点の御前峰〔ごぜんがみね〕には、白山比咩神社奥宮がある。
 古来、人々はその山を仰ぎ見、畏怖の念を感じていた。険しいその山の頂に、人々は容易に近づくことはできなかった。時にそこは、鬼が棲む「異界」としても語られてきた。白山から麓へと流れる河川は、人々に命の源=水を豊富に与え続けてきた。しかし、その河川は、常に穏やかとは限らず、しばしば氾濫を起こし、河口に住む多くの人々の命を奪うこともあった。古来、白山には神々が坐すとされてきた。冬の晴れた日には特に、山頂の雪は太陽に照らされ白く光を放ち、人々はそこに神々の顕現を見ていたのである。光り輝く白山は、日本海沿岸を航海する者にとって非常に良い目印となっていた。それは、安全な航海を約束してくれる山でもあったのだ。また、白山から流れる河川の豊富な水は、米作りをはじめ、さまざまな生活の糧として人間の生活に必要不可欠であった。人々は、この山に怖れともに感謝の念を抱いていた。――聖山に坐す超自然的存在への崇敬と畏怖の念、これが白山信仰の元型である。

 

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