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『ロゴスドン』Webの連載「「裏日本」文化論」を更新しました。

 

第43回

〈白山信仰③〉 


 柳田國男は、白山といわゆる被差別部落の関係について、以下のように指摘している。

 

  白山権現も古くは此類の特殊部落を養ひしかと思しく、其配札に仮託する者諸国を巡業し、白山相人と称する賎民各地に居住す。(柳田國男『柳田國男全集』第24巻「所謂特殊部落の種類」筑摩書房1999年pp.256-257)

 

  関東地方は穢多部落の氏神は例の浅草新谷町を始〔はじめ〕として多くは白山神社を祀れり。此点は頗る興味ある事実にして他の特殊部落にも此神を崇祀する例少なからず。…(中略)…奥州地方の「モリコ」又は「イタコ」と名づくる一種の巫女は口寄を為すに白山明神の名を唱へて祈る。(同上p.260)

 

 柳田は、白山信仰者は諸国を巡業し、各地に「白山相人〔そうにん〕」と称して居住したと述べている。「相人」とは、簡単に言うと、人相を見て占う者のことである。また、浅草新谷町などの関東地方における被差別部落では、氏神を祀る神社の多くは白山神社であったとも述べている。さらに、東北の「モリコ」や「イタコ」などの巫女は、口寄せを行う際に白山明神の名を唱えるという(宮本常一は、イタコが持っている「お大事」と呼ばれる筒の中に「白山姫命」と書かれた紙を見出していることは、第36回〈オシラサマと白山姫命〉でも述べた)。
 なぜ、関東における被差別部落の氏神神社が白山神社なのか。

 

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『ロゴスドン』Webの連載「哲学カフェ」を更新しました。

 

表象する媒介者

 平川己津子(英国・マンチェスター)


 心における表象、Mental Representation には大きく分け、二種類あるとされる。画像的イメージあるいはアイコンによる表象と言語あるいはシンボルによる表象が現代の認知科学あるいは分析哲学では広く論じられている。つまり表象における媒介は画像的なものと言語的なものとに分けられる。もっとも現代の分析哲学で論じられている表象論はデカルトに始まる近世哲学、そこから発展した経験論主義者による表象論が根本となっている。18世紀のイギリス経験主義者であるヒュームにおける表象論では、表象とは感覚によって経験された知覚が、イメージへと変化して心に表象されるとされた。いわば五感によってとりいれられた外界の印象から心の中における観念へと変化したイメージを表象として、画像的な表象を含む感覚的表象を論じている。心に現れる表象はすべて経験が媒介しているとする考えである。
 ところで、現代の分析哲学における表象論は、言語に依存した表象に関する議論が主流となっている。例えば認識科学者でもあるアメリカの哲学者、J.フォーダーは言語による表象論を70年代から論じており、彼は、思考における言語とは生得的に与えられているとする。この生得論は上に述べたイギリス経験論とは真っ向からの反論になるのだが、実はフォーダーはヒュームを彼の心的表象論の先行者としてヒュームによる『人性論』を解釈した図書も出版している。
 しかし反面、フォーダーはヒュームが論じる画像による表象論に対して反論も展開している。

 

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『ロゴスドン』Webの連載「「裏日本」文化論」を更新しました。

第42回

〈白山信仰②〉


 石川県小松市にある那谷寺の第十六世住職・木崎馨山〔きざきけいせん〕は、白山と太陽信仰・天空信仰の関係について、以下のように解説している。

 

  古朝鮮の太陽信仰については桓雄〔かんゆう〕という英雄が三種の神器を携えて三千人を率いて太白山〔ていぱくさん〕(今の白頭山〔ぺくとうさん〕)の頂きに天降った物語や、壇君〔だんくん〕神話(古朝鮮の建国神話で、朝鮮の祖である恒雄は、熊がお籠もりして変身した美女と結婚し、その間に生まれたのが壇君という)は、白頭山の信仰があり、太陽の輝く白の信仰がある。そして白頭山や白山部(白頭山の中国側)の出身者が越の国にも入っている。それ故、しらやまを白山〔はくさん〕と呼んだことと関係があろうと思う。白山は海の彼方にある光り輝く温かい理想郷でもあった。(木崎馨山『那谷寺の歴史と白山・泰澄』自生山那谷寺2017年p.35)

 

 木崎はここで、太白山物語や壇君神話をあげ、朝鮮半島に「太陽の輝く白の信仰」があったと述べている。そして白頭山地域出身の人々は、海を越えて日本の越にもやって来たと述べている。また白山を「はくさん」呼ぶ理由について、太白山、白頭山の呼び名と関係があるのではないかと推測している。
 実は、この白頭山(太白山)と越の白山には、以下のように、さまざまな共通点がある。

 

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