『ロゴスドン』Webの連載「哲学カフェ」を更新しました。
表象する媒介者
平川己津子(英国・マンチェスター)
心における表象、Mental Representation には大きく分け、二種類あるとされる。画像的イメージあるいはアイコンによる表象と言語あるいはシンボルによる表象が現代の認知科学あるいは分析哲学では広く論じられている。つまり表象における媒介は画像的なものと言語的なものとに分けられる。もっとも現代の分析哲学で論じられている表象論はデカルトに始まる近世哲学、そこから発展した経験論主義者による表象論が根本となっている。18世紀のイギリス経験主義者であるヒュームにおける表象論では、表象とは感覚によって経験された知覚が、イメージへと変化して心に表象されるとされた。いわば五感によってとりいれられた外界の印象から心の中における観念へと変化したイメージを表象として、画像的な表象を含む感覚的表象を論じている。心に現れる表象はすべて経験が媒介しているとする考えである。
ところで、現代の分析哲学における表象論は、言語に依存した表象に関する議論が主流となっている。例えば認識科学者でもあるアメリカの哲学者、J.フォーダーは言語による表象論を70年代から論じており、彼は、思考における言語とは生得的に与えられているとする。この生得論は上に述べたイギリス経験論とは真っ向からの反論になるのだが、実はフォーダーはヒュームを彼の心的表象論の先行者としてヒュームによる『人性論』を解釈した図書も出版している。
しかし反面、フォーダーはヒュームが論じる画像による表象論に対して反論も展開している。
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