HOODのブログ -184ページ目

初夏の川


一昨日、茅場町にある旧セーラー万年筆本社ビルに行った。

約八十年前に建てられたビルだという。
今はギャラリーに貸し出されていて、スタジオなどが入っている。

戦前のオフィスビルの薄暗い階段を登っていると、上から浅野忠信や松田優作が降りてきそうな雰囲気が漂う。

ギャラリーを拝見した後、運河めいた水路付近を散策した。

霊岸橋という橋から川面を眺めた。リョウガン、あるいはレイガン、どちらの読みなのだろう。

川は此岸と彼岸を分ける、ならばレイガンと読ませる方が意味的には叶う。霊の岸…それが良い。
実は、この場所には十年前くらいに一度来ている。しかし、今の私に見える風景は変わってしまった。何より、私自身が老いて変貌してしまったからだろう。
都会の時間は早く流れる。時間の中、私も流されているのか、ただ流れているのか。


霊岸橋の上、足元真下の川面に異質な何かが現れた。

烏の死骸のようだ。
死んだ烏の羽が、半透明な水面に浮かみつ沈みつ身を浸しながら流れて行く。

烏は羽を思いきり広げ、今にも羽ばたきそうな勢いの姿で溺死したようにも見えた。
烏は都会の空を飛び回る夢でも見ているのだろう。

カメラレンズを水面に向けた。烏の死骸が逆光に反射して綺麗に見えた。

生臭い死臭と初夏の太陽が川面に揺れていた。

素っぴんという虚像


男は女の『素っぴん』が好きだという。
彼女の化粧を落とした顔に魅力を感じるのだ…とか。

ふーん。そういうものなのか。私にすればメイクした女性の顔に興味こそあれ、『素っぴん』なんて…正直、どうでも良い。

むしろ、そばかす、シミ、毛穴などが目について、『あぁ、彼女も仕事で疲れてんな…』ぐらいにしか感じない。だから、女性の『素っぴん』は男が見るもんぢゃないと思う。

ぢゃあ、何だ。

見るんぢゃなくて、そういう欠点を知った上での結ばれた関係性だろう。

ゆえに男は彼女たちの『素っぴん』が見たいのか。でも、彼らは綺麗な素っぴんを見たいらしいんだよね。


最近、アイドルや若い女性タレントが『素っぴん公開』なんてネットに上がるけど、虚像に虚像を上塗りしたような印象だ。
ある意味で、打ち出された『真っ赤な嘘』にしか思えない。

新宿美人

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昨秋、夕方の新宿。コスメ専門店で店頭販売中の女性店員。声かけして了解をもらう。

ジャンク組み上げのミノルタXE 絞り優先レンズ・ロッコール58ミリf1.4
始めは、タイトルに『新宿の女』にしようかなって、でもあまりにベタだし、洒落たコピも今一つ浮かばない。
で、ひとまず『新宿美人』にした。


少し撮りためてから、もう一度タイトルは考えよう。

備考
…結局、女性の微笑み(喜怒哀楽)は、何らかの絵として絶対に成立するんだよね。街頭には、『この秋、美人は新宿で生まれる』…なんてノボリが下がっていた時期だった。