善光寺・別院
宵の口。帰宅して風呂タイム…軽く飲んで来て酔いが回りながら、風呂に浸かる。
髪を洗い、リンスに手をやる。ん…ん、まだ酔っているのかな。風呂が揺れているね。何だか回っているような気分の悪さ。
地震だ、しかも、これはデカイ。
だが、こちらは真っ裸である。もはや…どうしようもない。『なるようになるさ…』
小笠原沖M8.5震度というから数値的には大地震だった。
そう言えば、夕方まで表参道に所用でいて、帰りに中華料理店で食事。軽く飲んだ…『紹興酒飲み放題フェア』だってさ。
ぇえ、軽く。
酔いざましに表参道の裏町を歩いた。すると、信州・善光寺別院という門前に出た。『善光寺かぁ…』ふと、境内に一匹の猫がいる。妙にオッサン臭い歩き方をする猫だ。
猫に引かれた訳ではないが(牛だろ、牛!)、ひとまず本堂に参拝すると、境内には隣接する墓地がある事に気がついた。大都会の喧騒、華やかなアパレル関連のビル群の裏に静かに眠る墓地。不思議に落ち着く空間が広がる。私は誰かに誘われるように墓地内を散策していた。
爽やかな風がゆっくりと流れている。見上げた都会の空に紫色の雲が浮かぶ。なのに、全く音のない静かな世界。なぜだろう。暖かい感慨に近い感情が私を支配していた。


