やはり外道
トランプ新大統領就任式を見ている。米国国民が選んだ新時代のマキャベリストと私は見ているが、本家のマキャベリほどの裏打ちはトランプ氏には感じない。ちょっと出来のよい保険や不動産の営業トーク以上の言葉を表していない。
リアリストというよりもアメリカ型の反理想者義者に見える。それだけ今のアメリカ市民はバラク・オバマ前大統領に代表される理想主義の建国意識に疲弊したのだと思う。
ありていに言えば、ドナルド・トランプは社会に対するリアリストではなく、対象に飽きっぽく気まぐれで、本音をかますネタでちゃぶ台をひっくり返してみたい願望があるだけだ。
ひっくり返した後、アメリカ国民は他国に尻拭いを求める…そういう図式かも知れぬ。
さらに、どこか嘘臭い彼のファミリーの面々も(火サスを思わせるような、ヤバイ事案をやらかしてくれ…)かなり香ばしい雰囲気が漂う…。ご子息のバロン君の醸し出す『積木家族感』が半端ない。
明日からはトランプ劇場によるコメディ、たまにホラー、そして時おり深刻なドキュメント映画を見なきゃならないわけだ。チャンネルを切れないし、困ったもんだ。
一つ、立派だなぁ…と思うのは就任式の印象だね。国民が選んだ栄誉の重さ、責任は見事に演出されている事。
跳び安座
能・観世流に『殺生石』という曲がある。狐が玉緒という絶世の美女に化けて帝に寵愛を受けるが、行法者に見破られ、追われて那須野の原で矢に射られて石になる…一説では、鳥羽上皇の寵愛を受け、動乱の要因を招いた『藤原得子(なりこ)美福門院』を妖狐になぞらえた話とも言われるが、解釈解説の詳細は他に任せる。
その殺生石の舞いには『跳び安座』という型があって、能仕舞型では相当の強面である。
簡単に書けば『一足で跳び、空中姿勢を保ちながら、胡座を組んで床に落ちる…』見た目、誰もが『これ、痛くないの、…足首、折れませんか?』なのである。
私が殺生石を師匠から習ったのは学生時代で、さすがに『跳ぶ』のに一瞬躊躇した時、『いいから、跳べ!えっ、跳ぶんだよ!』と鋭い叱責を受けた。
確かに、躊躇いが怪我を生むわけで、習い始めには『意を決する』覚悟がいる。
精神的に緩みきった自分にカツを入れよう、この『殺生石』を久しぶりに習おうか、まずは再予習だ…と、当時は無かったネットを利用して解釈などを探ってみた。題して『跳び安座』で検索した。
誰か名手なり、上手に『跳び安座』を行うコツを書いている人はいないかな…。
しかし、素人弟子や学生サークルの失敗談やネタレベルの記事は幾多あるが、普通に『跳び安座』を解説した人の記事がない。
…見事に某役者の方が『殺生石』を舞っていて『跳び安座』も見事だった…なんて記事はあるが、『そりゃそうだろ、観世の名手だし…』まるで参考にもならん。
特に我々素人弟子達が記した記事がない。素人弟子ならばこそ、さらに語らないのが『花』なのかも知れないが、たかが『跳び安座』だぞ。
ある方のブログ記事によれば、この型が舞えるのは肉体的に三十代までなのだとか。おそらく『跳び安座』だけを実演するならば還暦を過ぎても難しくはない。問題は『殺生石』の舞いの中で演じる事なんだろう。
しょうがないな。自分で考えてみようか。


