十年桜
突然、思い付いたように他人に話しかけて、撮らせてもらう事がある。相手の名前も知らないし、一期一会で終わる。
十年前以上の春。桜が散り始めた河畔。
桜の下を通りすぎた一人の女性。その一瞬に私は、ここで絶対に声をかけてこの人を撮らないと後悔する…との決意でお願いして撮影させて頂いた。彼女は、この年に大学を卒業。でも、将来は絵本作家になることが夢、希望と教えてくれた。
もう、ずいぶん日々が過ぎた。時効ではないけど掲載してみる。
撮影者の私が未熟であり。絶好の状況下で甘い構図、シャッターブレ。彼女を春に旅立つ表情が良い。モデルの良さは全てを変えて行く。
こういう女性もいるんだ、と思えば世の中を信じても悪くはないな…と、今でも思っている。
初期メン
なぜカメラマンがブラックテープをカメラに貼るのか。本当の意味を私は知らない。関連スポンサーや営業的配慮の理由とか、誰かの真似をしたら格好が良いので広まったスタイルなど。プロっぽく見えるから…が一番の理由に近いと私は推察している。
しかし、このEOS初期シリーズには、ブラックテープが良く似合う。ロゴを隠すと、キヤノン的雰囲気が薄くなる。一説では、初期メンは純粋なキヤノン製ではない、と聞いた事がある。傘下のメーカーに作らせたので、他のカメラ会社に姉妹機があるのだ…と。
実家の押し入れに放り込んだEOS850を呼び戻し、やはりブラックテープを貼って
『雨天スナップ撮影』に使う。
金属と樹脂が重なりあうようなレリーズ音がする。今となっては新鮮だが、ボディシェルは金属なのだから当然だ。
かって、カメラ評論家の一人に『サンダー平山』という人がいて、EOS初期メンを好意的に評価していた。すっかりデジタルに様変わりした現在でもサンダー氏の評価は有効だと、私は思う。
ただ…(ただ、でも、しかし、って言う反意な接続語は多用すると嫌みだが)…アラーム音モードは煩い。レーダーのミサイルアラート、その警戒音に近い。
間違いなくあらゆる撮影現場において邪魔だね。この件にはサンダー氏も触れてない。一切、初めから使わなかったんだろうな。




