
先日、短期での資金の預け先として、債券運用について書きました。
ただ一方で、債券は株の暴落としてのヘッジも期待できます。
短期の預け先として債券を持っている間に、米国でのリセッションをトリガーに、株が暴落したら、その時債券はどうなっているか?
ここを深堀してみたいと思います
ちなみに先日の債券のお話は↓
2255の「利下げ幅 × 為替変動」のマトリクスに 損益分岐点(円ベースでリターンがゼロになる為替水準) を組み込みます。
これで「どこまで円高が進むと利下げ効果+利回りが相殺されるか」が一目で分かります。

同時に、先ほどは利下げが0.25bp×4回(1.00%)までを表に表していましたがここに条件を追加。
FRBが急遽ゼロ金利政策を取り、現在から約4%の利下げが起きるシナリオをマトリクスに組み込みます。
すると以下のようになりました。
📊 マトリクス表:為替水準 × 利下げ幅(2255 米国債20年超ETF)
利下げ1回では、138円が損益分岐点。
これより円高になると、2255では損失が発生します。
同、利下げ2回では132円が分岐点。
利下げ4回では119円が分岐点となります。

メインシナリオを来年度の利下げ4回に置くとするなら、119円の円高にも耐えれることになりますから、2255は投資先としてはアリのように思えます。
そしてもう一つ、今回追加した、リセッションに伴ってゼロ金利迄金融緩和された場合、2255は大幅な上昇が期待でき、仮にドル円が110円までの急激な円高が起こったとしても、理論上+45%の利益が出るとの試算になりました。
まさに、リスクヘッジのための長期債ですね。
同じシミュレーションを、2256でもやってみました。
📊 修正版マトリクス表:為替水準 × 利下げ幅(2256)
円高+利下げという条件下では、割合問わず2255のほうが優秀な結果になるのがわかりました。
ただし、逆に円安であれば結果は逆になるので2255が万能というわけではありません。

この辺を踏まえての投資を行えば、リターンとヘッジの両方の効果が狙えそうです。
ちなみに、iシェアーズからは237Aという25年超物の超長期債も出ています。
📊 修正版マトリクス表:為替水準 × 利下げ幅(237A)
🧮 前提条件(237A)
デュレーション:約25年
分配金利回り:8%
債券価格変動率 ≒ デュレーション × 金利変動幅
0.25%利下げ → +6.25%
0.50%利下げ → +12.5%
1.00%利下げ → +25%
4.00%利下げ → +100%
ドル建てリターン = 利回り8%+価格変動率

利下げ局面に限定すれば、こちらの方が利回りは高くなりますが、インフレ再燃などで逆に利上げがあった場合には損失は大きくなります。
📊 分配利回りとリスク調整後利回り比較(概算)
前提値(直近観測ベース)
237A:分配利回り ≈ 3.8%、デュレーション ≈ 25.5年
2255:分配利回り ≈ 3.3%、デュレーション ≈ 17.5年
計算式:リスク調整後利回り = 分配利回り ÷ デュレーション
どちらを取るかと言われると、ハイリターンを狙うなら株で、債券では安定を、という住み分けをするなら2255でもいい気はしますね。
理論上では、リスク調整後利回りで2255のほうが優秀です。
または両方買って、経済の流れ次第でポジションを変更していくというのもありなのかもしれません。







