肝を抑えれば高配当投資はめちゃ簡単 | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

 

 

 

 

僕がやってるのは高配当バリューへの投資。

これが一番簡単で再現性が高い。

 

ところが、高配当投資は難しいとか上級者向けとかの解説をよく見ます。

 

確かにインデックスへの積み立て投資よりは難しいかもしれませんが、個別株への投資の中ではめちゃ簡単な部類だと思っています。

 

多分難しいと感じるのは、株価を見るからです。

 

高配当株は利益の源泉の多くを、その名の通り配当に回しますから、その分設備投資や研究開発費への配分が減り、利益成長が低くなる分だけ株価成長率が低くなります。

 

ですからグロース株よりもキャピタルが取れず、指数に負けているように見え、上手くいっていないように感じがち。

 

 

 

 

 

しかしながら、ジェレミーシーゲルさんがいう所では

 

グロースのキャピタル<バリューのインカム+配当再投資

 

バリューのインカム+配当再投資のほうが圧倒的に高いらしい。

 

つまり、バリューは株価が上がらない分、その高配当を再投資する際にも多くの株数を買い増し出来、結果長期でのリターンはグロース企業の株価上昇を上回る。

 

とのこと。

シーゲル教授の話は大抵、超長期の話なので即座に実感できないのが難しいところですけどね。

 

ジェレミーシーゲル著 株式投資の未来

 

 

もし、このシーゲル教授の話を信じれるのであればグロースへの投資よりもバリューへの投資のほうが資産が増えることになります。

尚且つ株価の上下動に左右されにくく、安定したインカムを得られるバリューへの投資は、再現性の高い、勝てる可能性の高い投資方法と言えると思います。

 

問題は、前提である高配当をどう維持するか?

これが大事です。

 

 

 

 

 

買付け方については、少し前にソニーFGを例に書いてありますのでこれを例にすると

 

現在のソニーFGの配当3.5円

ただしこれは上場間もない半期分の為、通期では公式にもその倍程度と言っているので、7円は出るとするなら

 

11/26終わり値145.2円で計算すると、通期での配当利回りは4.82%となりますから、かなり高配当です。

 

それでも株価は軟調に推移していますが、配当利回りは株価と逆相関しますので利回り水準と株価は以下のようになります。

 

4.5%    約155.6円
4.8%    約145.8円
5.0%    140.0円
5.5%    約127.3円
6.0%    約116.7円

 

通常株価は上がったほうが嬉しいと思いますが、利回りを高めようとすれば、株価が下がったほうが、買い増しによって利回りが上がります。

 

買い増しの為の資金は配当を利用して再投資に充てるとすると、株価は下がったほうが高利回りで持ち株と配当を増やせます。

 

 

 

 

 

ですから、前回書いたように

 

仮に、最終的に500株所持する予定で、155.6円で100株打診買いの後、140円で400株ナンピンすると

 

平均買付単価:143.12円
YOC(取得単価ベース利回り):約4.9%

となります。

 

前回の記事は↓ですので全文見たい方はこちらをどうぞ

 

 

155.6円の高値掴みでも、140円まで引き付けてから玉数も増やして買えば、かなりいい感じまで買付単価も下がり、YOCも上がる、という理屈になります。

 

これは、株価が140円になった時にもその株と付き合い続けるつもりがある、という前提がないと成り立ちません。

155円で買ったのに、140円まで下がってしまって、もう嫌だから損切りするという考えではだめなんです。

 

最初の100株を買う時点で、140円になってもその株と付き合う気が自分にあるか?これを確認してから買うことが大事です。

 

逆に言えば、下落しても付き合い続けられる企業と思えるなら、あとはもう何も難しいことはありません。

 

株価の上下には付き合う必要が無いので、上げたらハッピー下げればラッキーという気持ちで、下げたところは拾っていけばいいだけです。

 

 

 

 

 

難しいのは、下落が企業業績の落ち込みによるもので、その後も業績が復活できない場合もある、そんなダメ企業を掴むこともあるという事です。

このような場合、そもそもの配当も無くなってしまう可能性が高いですからね。

 

唯一、高配当投資で難易度が高いのはココですかね。

 

 

 

 

 

これについては、ダメ企業を持たないことは無理と考えるべきだと思います。

 

目指すのは、アリの巣かハチの巣。

 

何を言っているかというと、働きアリや働きバチ。

巣の中には一定数、仕事をしないダメなのがいます。

 

でも、そのダメなのを巣から排除するとどうなるか。

今までちゃんと仕事をしていたアリやハチが、一定数仕事をしなくなり、ダメなのは無くならないそうです。

 

しかしそのダメなのも含めて巣は成り立っている。

 

株のポートフォリオもこれと同じように考えるんですね。

 

 

 

優秀な高配当ポートフォリオと思っていても、1割程度ダメなのが出てきます。

それはそれで受け入れつつ、残りの9割が仕事をしてくれればいい。

そんな風になるよう、常に分散しておくことが大事。

資本主義経済自体はずっと成長し続けているのですから、分散投資をしておけば、ダメ企業以外の多くは経済の成長に沿って上昇をするはずなのです。

 

そうすると次に、ダメなアリといいアリの両方を受け入れるための、分散投資についての話になります。

 

 

 

 

 

これはセクターを分けて、相関性の低いものの中で各セクターを代表する大企業をコアに据えて購入していくことが大事。

 

33種類のセクター

 

日本株のセクターの種類です。

米国と比べて細かく分類されています。

33セクターの中から主要銘柄を1種類ずつ、33銘柄持つ。

というのでもいいでしょう。

しかし、セクターによっては高配当がないもの、逆に高配当が基本なセクターと、色々です。

 

ですから、33セクター全て均等にとならなくてもいいので、高配当投資に合うセクターをメインに据えて、合わないセクターは除外、もしくは比率を低めに、という事でも構わないと思います。

 

 

 

 

では具体的にはどんなセクターが合っていて、どんなセクターが合わないのか

 

まずはcopilot君に纏めさせてみます↓

 

結論:高配当投資に合うのは「ストックビジネス型・ディフェンシブ型セクター」、合わないのは「景気敏感・シクリカル型セクター」です。

 

高配当投資と相性が良いセクター
■金融(銀行・保険)
三菱UFJ、三井住友FGなどは配当利回り3%以上が多く、安定したストックビジネス。
保険(MS&AD、SOMPOなど)は高配当+安定収益構造。

■通信
NTT、KDDI、ソフトバンクなどはストック型収益で配当利回り3〜4%台。

■化学・素材
クレハ、共和レザーなど配当利回り5%前後の銘柄が多い。
景気敏感度はあるが、分散投資で一定割合組み込みやすい。

■医薬品・食品
JT(配当利回り約4%)、製薬株も安定配当が多い。

■建設・不動産
タマホームなど配当利回り5%以上の銘柄あり。
不動産は景気影響を受けるが、賃料収入型は比較的安定。

 

 

 

 

 


高配当投資と相性が悪いセクター

■海運
日本郵船、商船三井などは配当利回りが高い時期もあるが、業績連動で減配リスク大。

■空運(航空)
ANA、JALはシクリカルで利益変動が大きく、安定配当は期待しづらい。

■電気機器・ハイテク
グロース株が多く、配当より成長投資に資金を回す傾向(例:ソニー、キーエンス)。

■資源・エネルギー(鉱業・石油)
INPEXなどは配当利回り3%前後だが、原油価格に左右されやすい。

■海運・空運同様の景気敏感業種
自動車(トヨタ、ホンダ)は配当利回り3〜4%あるが、景気変動リスクが大きい。

 

copilot君的にはこういう感じのよう。

 

 

 

 

 

少し補足しますと

 

相性の良いセクター

 

■金融・保険について

copilot君の説明でも大体いいですが、損保について東京海上がリストアップされていないが、長期的には最大手の東京海上が最も安定する可能性。

金融にリース業がリストアップされていないが、オリックス、三菱HCC等のリース業はかなり安定のストックビジネスなので高配当投資には組み込んでおきたいところ。

 

■化学について

高配当銘柄が多いですが、シクリカル(景気敏感)なため、中々運用が難しいイメージ。

どうせなら積水化学のような、化学セクターでありながらセキスイハイムのようなハウスメーカーまで傘下に持つコングロマリットな経営をしている銘柄のほうが安定しそうです。

積水化学はペロブスカイト太陽光も手掛けていますし、下水道補修の関連銘柄でもありますから、化学セクターにしては珍しく内需も取り込めます。

 

■医薬品について

医薬品はディフェンシブセクターに分類されますが、実際はクセの強いセクターとしても知られます。

現行薬品の特許切れや時期薬品の開発状況、薬価改定など要因に左右される傾向が強いため、あまり多くのポジションを取るのはお勧めしにくいセクターです。

 

■建設について

copilot君はタマホームを挙げていますが、業界的には大手のダイワハウス、積水ハウス、住友林業をコアにすべきです。

利回りはタマホームが高いかもしれませんが、大手をコアに据えるというのは高配当投資のキモでもあります。

 

 

 

 

 

 

相性の良くないセクター

 

■資源・エネルギーについて

INPEXが挙げられていますが、ここ最近INPEXは還元方針に累進配当を掲げており、経営計画(2025~2027)においては減配のリスクが極めて少ないことから、一定組み込むのは悪くありません。

 

■自動車(輸送用機器)について

トヨタが挙げられています。

確かにシクリカルなセクターではありますが、トヨタについては日本を代表する企業であり配当もそれなりですから、一定数入れておくのは悪くないと思います。

 

と、このように一部例外もあるのですが、基本的には相性のいいセクターの大企業かつ高配当の銘柄を、幅広く分散させながら持っていく。

という事を続けるだけで、再現性の高い投資が出来るようになります。

投資単価が高い場合には端株を利用するのも有り。

とにかく分散させるのが正義です。

 

そして長期的には、先述のように下げたら買い増しが出来るようにします。

当初は端株で買っても、買い増ししていけばいずれ単元にもなりますからね。

 

 

 

 

 

これ、気付いた方もいるかもしれませんが、セクターを分散させつつ、長期的な株価の流れ次第では買い増しする(≒積み立て)と言っているので、いわゆる長期・積立・分散投資になっているんですよね。

投資の基本です。

 

だからこそ再現性が高いともいえるんです。

 

確かにインデックス投資よりは難易度高いかもしれません。

しかしトレードによってキャピタルを取りに行くよりは格段に難易度も低く、リターンもインデックスへの積み立てよりも高いものを狙えます。

なにより、インカムを取りに行く投資方法なので、ファンドを取り崩したり、個別株を売ってキャピタルを取りに行く必要がなく、株価の低迷期が長く続いた場合であっても、安定した運用が出来ます。

 

これは、高配当を続ける企業は、株価低迷期であっても減配することが少ないというのがミソなんですね。

株価低迷が長引いていても、配当はほとんど減らない。

場合によっては株価は下がっても配当は増え続けることも間々あります。

 

 

 

 

ですから、持っていれば安定したインカムになり、例えばFIRE後の収入源としても安定しやすいんです。

 

これが4%ルールでのファンドの取り崩しでは、株価低迷が続けば、それだけ取り崩せる額が減るので、安定した収入にはなりにくいですよね。

 

株価が下がっても配当が変わらないという事は、株価を気にせずに持ち続けられるという事なので「最近は株が高くてそろそろ暴落が来そうだから、ポジション調整して備えなくては」というような心配も不要になります。

この、ポジション調整という名のもとにガチャガチャいじるのが、投資の効率を下げることはよく知られていますから、これをやらなくて済むというのも再現性が高い要素だと思います。

 

安く買って高く売るという一般的な株のイメージとは違いますが、株価に左右されない投資が高配当投資です。

 

 

 

 

 

バフェットはこんなこと言っています。

 

「購入後に5年間株式市場が閉鎖されてもいいと思える株を買う。」

 

つまりそれは、買った後5年売れなくなってもいい株を買うという事です。

売れなくてもいいと思える条件、その一つは、所持している間に安定的なインカム収入を得られること。

 

そして5年というのは比喩ですから、別に必ず5年後に売らなくてはいけない株でもありません。

 

理想は永久に持っていられること。

だとすると、高配当投資はまさに合っていますよね。

 

全てを、ではなくてもいいですから

 

まずは一部でお試しに高配当投資。

 

これもいいかもしれませんよ。