日経は来年2000円に暴落するという有名なアナリストがいたりすると、NISAなんてやっぱりギャンブルなのでは?
2025年日経平均2000円!? | グデーリアンの投資ブログ
そういえば、実際今年8月には一日で4000円を超える暴落、1週間かけてでは1万円の暴落を経験したし。
なんて考え始めると、本当に投資をするのが資産防衛になるのかわからなくなってきてしまいますよね。
森永卓郎さんは、何年にもわたってオウムのように暴落暴落言ってるだけの人なので、何か信ぴょう性があるわけではないのですが、暴落は実際に起こります。
米国で見ると、長期では上昇4:下落1の割合で株価は動いていますから、巨大地震は来る来ると言い続けるよりも、暴落は来る来ると言い続けるほうが、当たるんです。
ずっと言い続けると当たって、まるで暴落を当てた預言者のようになれるのであれば、こんなおいしいビジネスはありませんよね。
ですから、同じことを言い続けている人の意見を聞いて恐れる必要はありません。

その一方で、暴落はいつかは来ますから、その備えはしておきたいです。
と言っても、どうやれば備えになるかって難しいと思います。
投資をせずにキャッシュにしておくのも手ですが、これでは暴落が来なかったとき、インフレによって手元資金は目減りしていってしまいますから、多くの人が投資を始めようとした時の本来の目的と相反してしまいます。
暴落への備え
結論から言えば、暴落がいつ来ようが、株は持ち続けるべきです。

今年8月の暴落は、すごく短い期間に上下を繰り返したので、投資の縮図のような値動きでした。
暴落は多くの場合、もっと長い期間、半年とかかけて起こると思って想像してみてください。
あの時、下落で怖くなって売ってしまった人、下落しても我慢して持ち続けた人、結局どちらが資産を増やしたかというと、答えは後者ですし、下落で売って、底値で買い戻そうとして成功した人はほとんどいないでしょう。
下落したとしても、持ち続けることで資産が増えるという、長期投資の縮図が、わずか一カ月で起こったのです。
これが本来もう少し長い期間で起こるのが暴落ですので、この時株を持っていないということは、その後の上昇を取り逃すということです。
これを「持たざるリスク」と言ったりします。
ただしこれだけでは備えとは呼べませんので、もう少し株の下落で資産を減らさない手段が欲しいですよね。
前述の森永卓郎さんは、株は暴落するのだから投資はしないべきだし、どうしても投資したいのであればベア型(インバース型)の投信やETFを持つべきという、これまた初心者がやると確実に失敗する手法を述べています。
ベア型の投信というのは、指数が下がると値が上がるという商品で、株の空売りなどと同じように、下落時に儲けが出る商品ですが、売りから入る手法自体が高度ですので、鵜呑みにしないほうがいいと思われます。
債券への分散
暴落時に効果的に資産を防衛しようと思ったら、まず考えられるのは債券です。

ただし、短期債やジャンク債などは暴落時に株と一緒に値を下げる可能性がります。
暴落時に株と逆相関するのは超長期債と呼ばれるものです。
下のチャートは、バンガード社の超長期債券ETFのEDVのものです。
ところどころ吹き上げておりますが、このタイミング、お判りでしょうか?
例えば、このEDVは2008年に急騰しています。
このタイミングは、リーマンショックのタイミングです。
同じく、2020年にも急騰していることが見て取れますが、これはコロナショックのタイミングになり、株の暴落時に株とは逆相関して暴騰しているのがわかります。
超長期債は債券にしては値動きが激しいので、買い持ちすることで大きめの含み損が出ることもありますが、株のリスクヘッジとして持つならば有効な商品かと思います。
短期売買が目的ではないので、含み損の期間があっても、特にキャピタルは意識せず、債券からもらえる利息分のインカムを貰い続け、いざ株の暴落が来た時には売却を検討するくらいの気持ちで、お守りとして持つというのが良いと思います。
ただしお守りなので、決して資産のコアに据えるものではなく、あくまで資産のコアは株であるのが正しい投資と考えます。

割合としてはレガシーな資産分配としてよく言われるのは、株6:債券4です。
ここにアクセントとして一部ゴールドや暗号通貨、リートを組み合わせるのは分散投資の観点からもいいと思いますが、株と債券のみの構成でも十分かと思います。
債券の買い方
債券の買い付けには、上記EDVのようなETFや投資信託を通して買い付ける方法もありますが、これらは常に長期債を売買してロールオーバーし、償還期限無くずっと運用しています。
その都合上、安いときも高いときもファンドが売買するので、ファンドの価格は変動し、元本割れするタイミングもあります。
たいして、生の債券を直接購入した場合、償還期限まで持ち続ければ、国がデフォルトを起こさない限り、元本がまるっと保証されて帰ってきます。
ですから、債券を買うならETFや投信ではなく生の債券を買うべきという意見があり、これは理にかなっています。
ただ一方で生の債券では、NISA口座を利用して毎月少額ずつ積み立てていくような運用は出来ません。
また、生の債券は非課税運用もできず、運用益には20%の課税がされてしまいます。
債券を長期で半永久的に持ち続ける気で買い付けるのであれば、運用途中に含み損が出ることは特にデメリットにはならず、利息の非課税運用のメリットだけが残りますのでETFや投信が、生の債券に一方的に劣るわけではありませんから、まずは少額で、NISAの枠の中でETFや投信での買い付けをしてみるというのはアリだと思います。

まとめ
暴落のタイミングは2025年にもという意見もあり、可能性は決してゼロではありません。
しかし、暴落で考えられる下値が2000円ということは暴論で、今の段階では日経平均では2万円を切ることはまず無いと思います。
(今の段階では、というのは、今後震度8の東南海地震が起きて東京が壊滅とかすれば話は別です)
最大26000円までの暴落が、2025年に来る可能性ゼロではなく、そこに対する備えを、2025年内に限らず恒久的にしていくのなら、株は持ちつつも、債券への分散というのが答えになると思います。
先ほどの地震の例で例えれば、来年内という期間限定で考えると、地震が起きる可能性はゼロではないが、起きない可能性と起きる可能性を天秤にかけた時、起きない可能性のほうが高いわけです。
来ない可能性のほうが高いのに、東京のにある持ち家を安値で売って、自身の来ない地域に避難するのは得策ではありません。
一方で、期間を限定しなければ、いつかは地震は来る可能性のほうが高いので、それに対する備えとして地震保険を継続的にかけ続けるのはリスクヘッジとして有効です。
株の暴落についても考え方はこれと一緒、ということを念頭に、どんな投資対象と割合がいいかを検討していくのが良いかと思います。
