4月28日。元サイ・ヤング賞受賞投手の「トレバー・バウアー」投手を見に、横須賀へと足を運んだことについては、前の旅行記の最中に、このブログにも書かせていただきました。
その時の記事は下記のリンクです。
その後、横浜スタジアムでのゲームの前売りチケットを早くから購入していたものから、たまたま「バウアー投手」の登板試合にぶつかることが2回ありました。
また、調整のためにファーム(2軍)のゲームに投げたのを見に行ったのが1試合と、この一か月あまりの間に、3試合も登板試合と巡り合わせました。
本日はその「3試合」の模様をまとめました。
1.2023年5月3日(水・祝) 横浜対広島5回戦
(横浜スタジアム) 横浜4-1広島
勝投手 バウアー(1勝) 負投手 九里(1勝1敗)
セーブ 山﨑(2敗9セーブ)
ホームラン 広島 デビットソン6号(2回=バウアー)
横浜 なし
この日のバウアー投手 7回 98球 打者28 被安打7
奪三振9 与四球1 失点1 自責点1
前回のファームでの登板から中5日。ライトスタンド下のブルペンの扉が開き、いよいよ一軍の試合の場にバウアー投手が登場した瞬間です。
この日の先発バッテリーが発表された瞬間、バウアー投手の画像がスクリーンに映りました。
入念に遠投を。
まず驚いたのは、通常投手の試合前の遠投の距離というのは、センターあたりから自軍のライトポール際、もしくはレフトポール際あたりのキャッチャーめがけてする姿しか見たことがありませんでしたが、バウアー投手は何と相手側のゾーンまで入り左中間のちょうど真ん中あたりまで行き、ライトポール際のキャッチャーめがけての「大遠投」でした。
受け取ったキャッチャーとバウアー投手の間には、中継する選手が入ってバウアー投手に返球していました。
まずこれが「中継」や「ニュース」では見られない、試合前の様子でした。
やがて徐々に距離を縮め、強い球を投げ込みます。
そして試合前の遠投が終わりました。短い登板間隔を希望するバウアー投手。あまり投げ込みを途中ではせずに、試合前に短時間で肩を作る方法を知っているのかもしれません。
バウアー投手からのメッセージが流れます。期待をするスタンドのファンから大きな拍手が。明らかにいつもと違う雰囲気でした。
さあ、いよいよゲーム開始、といきたいところですが、この日は歌手で横浜の熱烈なファンであることを公言している「相川七瀬さん」が始球式で登場。日本式のセレモニーもよく理解している様子のバウアー投手。
元「サイ・ヤング賞」受賞投手を背中に感じつつ、見事な投球の相川七瀬さんでした。
さて、いつもの肩を強く振るルーティンから始まり・・・。
マウンドに上がる前に精神統一。
記念すべき「元サイ・ヤング賞」受賞投手の「NPB」第一球です。
対する広島の1番打者の野間選手は、この初球をいきなり打ち「ライトフライ」に倒れました。
初回は1奪三振の三者凡退に打ち取り、まずまずの立ち上がりのバウアー投手。
ベンチからもみんなが拍手でお出迎えです。
しかし2回表、2死まで5人連続で抑えていたバウアー投手。6番デビッドソン選手に左中間スタンドまで運ばれるソロホームランを浴びてしまいました。NPBで初めての被安打がホームラン、そしてその後も2死1.3塁とピンチを招きましたが、続く9番の九里投手を三球三振に抑え、1失点に防ぎました。
3回裏には、バウアー投手に1死ランナーなしの場面で初めての打順が回ってきました。
九里投手の2球目を強振。ファーストゴロでした。
その後のバウアー投手は、ランナーを1人許しても、そこからさらに一段ギアを入れる感じで後続を打ち取ります。
大きく踏み込んで綺麗なフォーム。
吠えてますね。
5回の第2打席は、1死1塁の場面でした。盛んに練習をしていた「送りバント」を見事に決め、後のタイムリーへとつなげ、この回、横浜は2-1と逆転しました。
横浜は6回にも2点を奪い4-1に。メジャー時代のバウアー投手を参考にしてトレーニングをしていたという広島の九里投手でしたが、この日は「師匠」の前で5回1/3を被安打8、4失点での交代となりました。
亜大ではソフトバンクの東浜投手の1学年後輩、横浜の山﨑投手の1学年先輩の九里投手。私も久しぶりの登板試合の生観戦でしたので、互いの好投を期待していたのですが、複雑な気分での応援となりました。
7回を、デビッドソン選手のソロホームランの1失点のみに抑えたバウアー投手。ベンチ内でほっとしている様子も見てとれました。
そして98球を投げ終えたこの回で交代。ロッカーへと一度下がります。
試合は8回は伊勢投手、9回は山﨑投手が登場。横浜の必勝リレーが叶い、バウアー投手の日本デビュー戦に「初勝利」を届けることができました。
バウアー投手が、メジャーで「三振奪取」の直後に行っていた「刀斬り」ポーズの観客への参加を一度呼びかけていた横浜球団に対し、山﨑投手が「SNS」を通じて反論するなど、デビュー前には一悶着のあり、不協和音を心配していたのですが、セーブの山﨑投手とバウアー投手は「ハグ」で互いを称えあう姿を見て、安心したのを思い出します。
試合後、スタンドのファンに整列して挨拶。バウアー投手、横浜のキャラクターの「バード」にちょっととまどい気味。
「バード」は、右手をバウアー投手、左手は山﨑投手と仲良くつないで、ファンとともに勝利の歌を。
三浦監督に出迎えられて記念撮影するバウアー投手。
そして初の「お立ち台」へ。
初めて見たバウアー投手の笑顔。
最後はヒーローたちと一緒に「Ⅰ☆(ラブ)YOKOHAMA」のコールで締めてくれました。
さらに車に乗ってライトスタンドのファンたちのもとへ。
さらに、グランドに降りられたファンたちと「ハイタッチ」。日本流の勝利後のセレモニーもそつなくこなしていました。
これが、「日本デビュー」戦の模様でした。
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次の登板試合となる5/9の対巨人戦では、6回被安打11、7失点(自責点6)で負け投手に。
続く5/16の対広島戦では、上記のように好投があっただけに次もまたとの期待に応えられず、わずか2回を被安打8、7失点(自責点7)の負け投手と攻略されてしまいました。
そこで、もう一度ファームでの調整登板となりました。
2.2023年5月21日(日) イースタンリーグ
ロッテ対横浜6回戦 (ロッテ浦和球場)
ロッテ1-8横浜
勝投手 バウアー(1勝) 負投手 古谷(2勝1敗)
セーブ 山﨑(2敗9セーブ)
ホームラン ロッテ 山本3号(1回=バウアー)
横浜 小深田2号(3回=古谷)
この日のバウアー投手 6回 97球 打者24 被安打8
奪三振10 与四死球0 失点1 自責点1
千葉ロッテのファーム施設は、埼玉県のJR「武蔵浦和」駅からしばらく歩いたところにあり、埼京線や新幹線からもその脇のロッテの工場のそばに緑色のネットとグラウンドが見えます。
こちらの球場は、昔ながらにグラウンド周りに200席ほどの腰掛けしかなく、入場料徴収はありません。つい何年前までは西武ライオンズの「西武第2球場」も席がなく、横浜のファーム施設も席が少ししかなく、どちらも無料でした。
近年、ファームも混乱を避ける観点でしょうがスタンドが整備されたり、開催球場が変わるなど有料化されていますが、こちらの「ロッテ浦和球場」はこのコロナ禍の間は「無観客」にて開催していて、「有観客」での開催を再開しても、「無料」が続いています。
この日、試合開始の30分前くらいに着いたのでは、さすがに遅すぎました。もちろん席は埋まっているどころか、立ってかろうじて見えるところを確保するのがやっと。バウアー投手が打ち込まれた後の登板にも関わらず、期待の大きさが感じられました。
写真が撮れる位置には立てたのですが、これでは打者が見えません。そんな中、プレイボールのコールがかかるといきなり観客から悲鳴と歓声が。ロッテの1番打者の山本大斗外野手に、いきなり先頭打者ホームランを食らってしまったのです。
しかしその後は立ち直って、結果的にこの1失点だけに抑えたバウアー投手。先日の横須賀のゲームでも感じましたが、ランナーを許してからとか、クリーンアップなどにはギアが一段上がる感じですが、そうでないときをどう乗り切っていくかも課題という感想でした。
この後私は写真を諦め、打者ともに見える三塁側に場所を移しました。
試合終了時、再び1塁側へ。ロッテ浦和球場は1塁側がビジターです。
この日も勝ち投手となり、その後また1軍での登板へと戻っていきました。
この日、現場で目撃したのは球場裏はこのように目隠しで覆われていますが、写真ではさすがに写らないものの肉眼でははっきり見えたのは、長いブレードのようなものを使って、長い時間をかけて腕のトレーニングかリカバリーをしていた姿でした。
ほとんどは建物の中で行われていたのでわかりませんが、バウアー投手のメジャー時代に詳しい私の妻に聞くと、こうした練習を早くから取り入れて、日本人選手もそれを参考にしている選手も多いとのこと。
他の横浜の選手たちは、試合終了後おおよそ40分後くらいだったでしょうか、大型専用バスで浦和を後にする中、バウアー投手は1時間以上たっても球場から出て来ずに、入念にケアを行っているのだということを知れて、野球に対する姿勢の差異を感じることもできたのは、発見であり喜びでした。
かつて、学生野球やファームの球場に行くと若手の有望株見たさに沢山のオールドファンの姿を見ていましたが、いつの間にか自分がそちらの側にいるのだということも知ったこの日の試合でした。
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さて、最後の試合です。
3.2023年6月3日(土) 横浜対西武2回戦
(横浜スタジアム) 横浜6-2西武
勝投手 バウアー(2勝2敗) 負投手 高橋光成里(4勝3敗)
ホームラン 西武 外崎8号(4回=バウアー)
平沼1号(8回=バウアー)
横浜 なし
この日のバウアー投手 8回 109球 打者29 被安打3
奪三振10 与四球3 失点2 自責点2
前回の横浜スタジアムでのバウアー投手初登板初勝利の日からちょうど一か月後のこの日。
やはり「大遠投」からスタートです。
あの日から一か月間、一軍のマウンドでの「勝利」から遠ざかっていました。
浦和でのファームの試合の後は6日後の5月27日にナゴヤドームでの対中日戦で1軍復帰登板を果たし6回を7安打。横浜から現役ドラフトで中日に移籍し、この5月は遂に月間MVPにも輝いた「細川選手」に痛恨の2本のソロホームランを浴びて、バウアー投手に勝ち負けはつかなかった試合を経てのこの日でした。
この日の試合は、1998年に日本シリーズを戦ったチーム同士ということもあり、当時のベイスターズ戦士だった谷繁捕手、佐々木投手(大魔神)、ローズ内野手、石井内野手らが試合前のセレモニーに当時のユニフォームで登場。
選手たちもこの三連戦は、当時のユニフォームを着用してプレイしました。
さてバウアー投手、イニング初めのいつものルーティン。腕を強く素振り。
そして助走をつけて・・・。
キャッチャーめがけ投げ込みます。
この日は立ち上がり早々、西武の1番源田選手、2番の川越選手に粘られて、連続で四球を与えてしまいピンチを迎えましたが、ギアを上げたバウアー投手は続く外崎選手を三振、続く渡部選手の打席で2塁を飛び出した源田選手を刺し、渡部選手も三振に抑え立ち上がりのピンチを無失点で乗り切ります。
2回にまわって来た打席では、高橋光成投手の初球をたたいてセカンドゴロです。
イニング頭、精神統一をしてマウンドに上がるバウアー投手。
5回には無死1.2塁の場面で打順のまわって来たバウアー投手。この日も見事に決めたバントの打球を西武の高橋光成投手がエラー。無死満塁のチャンスを作り、続く1番打者の佐野選手の勝ち越しタイムリーへとつなげました。
この日も多彩な変化球が決まり6回で被安打3ながら、うち2本はソロホームランと、「1発」を浴びない試合がないという不名誉な記録は続いています。
一昨日(6月10日)の京セラドームでの対オリックス戦でも、現在パリーグ首位打者と気を吐く、私も応援している亜大OBの「頓宮選手」に一発を浴び、「連続試合被弾」は未だ継続中ではあります。しかしランナーのいないところで打たれていることが多く、場面に応じて配球を変え、大きな失点につながらない投球をしていることを感じます。
さてこの日は来日後、最多投球回・投球数で勝利投手となったバウアー投手。
一か月ぶりの勝利にほっとしている様子。
「次の勝利までは1か月かからないように努力します」とのコメントまで。一昨日3勝目を達成して、また勝ち星が一つ上回りました。
この日のゲームは、横浜の元の親会社のマルハニチロ(旧・大洋漁業)がスポンサーの日でもありました。
「マグロ」が贈呈されてニコニコのバウアー投手。
スタンドのファンにガッツポーズ。
恒例のハイタッチです。
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以上3試合が、4月の横須賀以降、観戦できたバウアー投手登板試合でした。横浜スタジアムでの2戦は、休日でしたので妻と観戦に行くため早くから入手していたチケットで、本当に偶然にもバウアー投手との当番日と重なりました。
今日も、毎週日曜日に更新される自身の「YouTube」が話題になっているバウアー投手。そのコンディションの管理にも自身の理論を展開し実践している様子や、提供してくれるメーカーを失ったためもあるのでしょう、自分で理想のグローブへの探求を続けている様子など、私もあまり動画を見ることが少ないのですが、バウアー投手の更新だけは楽しみになりました。
また、先々週には突然、京都の街に出没して驚かせたと思ったら、今日は京セラドーム大阪での試合前の練習を終えた後、何と観客席にチケットを持って現れ、場内の「大阪焼肉ホルモン ふたご」で買い物をして観戦をし、来場していたお客さんを驚かせるなど、日本でいろいろ積極的に経験して何でもやってみよう、というところに私は、自分の旅先での行動と重なるところがあり、親しみを持ってしまいます。
まあ、結果を出さないと許してはくれないでしょうが、これからのバウアー投手の活躍に期待したいと思います。
この日の試合後は、みなとみらい線の「馬車道」駅までひと駅分歩き、夕食を終えた後、北仲ノット(ザ・タワー横浜北仲)の46階にある無料展望台へ。
望遠レンズを使って、さっきまで熱戦を見ていた「横浜スタジアム」を。観客席はよく見えますが、グラウンドはちょうど隠れるんです。
反対方向には、富士山方面に沈む夕陽がとても綺麗なのですが、この日は富士山は雲に隠れて見えず。マジックアワーの始まりはみることができました。
前回に続いて、野球のお話でした。
次回は、「野球観戦での夢」について、書きたいと思います