大型連休突入の前日は、神奈川県横須賀市の京浜急行「追浜(おっぱま)」駅から徒歩15分くらいにある「横須賀スタジアム」に久しぶりに足を運びました。
「横浜DёNAベイスターズ」のファーム(2軍)の本拠地であるこのスタジアムでこの日、来日以後の最終調整となる登板を予定していた、メジャーリーグの投手に与えられる最高の栄誉の「サイ・ヤング賞」受賞投手である「トレバー・バウアー投手」を見に行くためでした。
「サイ・ヤング賞」受賞投手が現役として、日本のプロ野球で登板というのも長いプロ野球の歴史で初めてのこと。アメリカでは出場を停止されていたこともあり、そのブランクはいかがなものか。何しろ見てみないことにはわからないので、ファームで3試合目の登板が予定されていた18時試合開始のナイトゲームへと、私の住む練馬区から片道約2時間弱をかけて、行ってまいりました。
試合開始まで1時間以上前でしたが、平日にも関わらず入場券を求める長い列ができていて、注目度の高さを実感しました。
ようやく窓口が見えてきた頃、球場正面入り口では「バウアー投手」の球場入りを待つ関係者や報道陣が待ち構えていました。
私も30分ほど並んで球場内へ。
全席自由のこの日、対戦相手の千葉ロッテのベンチ側の3塁側に
席を決め、望遠レンズを装着した頃、ちょうどバウアー投手の遠投が終わってしまいました。
この日のスタメンです。
横浜のファームの仁志監督と千葉ロッテファームのサブロー監督による、試合前のメンバー表交換。
さあ、ゲームスタートです。バウアー投手、颯爽と登場。
マウンド前での精神統一。
連続写真で。
最大にアップにして。
期待の若手も。2019年のドラフト1位、神奈川県の桐蔭学園出身の森敬斗内野手。前週まで1軍で出ていました。
この日の森選手は5打数2安打でした。
昨年のドラフト1位、大阪桐蔭高校出身の松尾汐恩(しおん)捕手。甲子園でも通算5本のホームランを記録しています。
Ù-18のワールドカップでもベストナインに選ばれた期待のルーキーです。
バウアー投手に戻ります。回が変わってマウンドへ向かうとまず行うルーティンを知りました。
このように、センターの方を向いてボールを持ったまま2回、大きく腕を振ります。
そして振り返ると、マウンド越しに立ったままのキャッチャーめがけて強い球を1球投げます。
レンズが追いついていません。
そして残り4球は、キャッチャーを通常通り座らせて投球練習。
ちなみに、日本人投手は味方の攻撃が2死となるとベンチ前に出てキャッチボールを始めますが、バウアー投手はそれをしません。
こちらは走者を出したときのシーン。
1塁へのけん制。
投げ終わったときの力感がとても絵になり、気にいってしまいました。
アップでもう一枚。
3回表には2死からヒットと四球で二人のランナーを許し、続く和田選手にライト前ヒットを浴びてしまいましたが・・・。
ライトの勝又選手からの好返球。
本塁でアウトとなり、0-0が続きます。
サイ・ヤング賞投手とドラフト1位の高校生ルーキーのバッテリー。松尾捕手もプロに入って、この組み合わせで球を受けることができるなんて思ってもいなかったでしょう。
2軍のゲームでは「DH(指名打者)制」が使えるので、通常、投手はバッターボックスに入るシーンは見られません。
この日の試合では、1軍での試合を想定してバウアー投手もバッターボックスに入ります。
この日は2度打順が回ってきましたが、どちらも三振でした。
バウアー投手、4回も0点に抑え、リードする松尾選手をねぎらう姿も。
昨年、ルーキーながらロッテの佐々木朗希投手とバッテリーを組み、「史上最年少バッテリーによる完全試合達成」で「ギネス」にもその名を残したロッテの松川捕手。
今季も開幕は一軍で迎えましたが、少しでも多くの試合を経験した方がよいとの判断でファームの試合に出場しています。
松尾捕手と一学年違いですが、どちらも高校生日本代表の捕手。
バッターボックスに入る松尾捕手に、松川捕手も何か一言かけたようでした。
さて、回が変わってバウアー投手のルーティンに戻ります。
立たせた捕手に強い球を。
呼吸を整えて。
時折、投げたときのバウアー投手の声も私のところまで聞こえていました。
しかし、5回に1点、6回には3点を失ってしまったバウアー投手。先ほど好プレーの勝又選手のファンブルなど不運もありました。
この日おおよそストレートは140キロ台後半、最速は私が見ていた限りですが152キロが出ていました。
変化球が多彩でこの日も7回で9つの三振を奪っていました。
6回裏には女房役の松尾捕手のタイムリーツーベースでベイスターズは一点を返しました。
ロッテ投手の暴投により、三塁に進んだ松尾選手。
この日のバウアー投手は7回まで投げ93球、被安打は8、1与四球で4失点でした。
私の感想ですが、まだ本気を出し切っていないように見えました。というのも、ピンチを迎えてギアが入っている感が否めなかったからです。
そして7回裏、劣勢だった横浜の知野選手に3ランホームランが出て、4-4の同点に。バウアー投手を助けました。
今年の1月、自主トレの様子を亜細亜大で拝見していた知野選手。その時の模様は下記のリンクです。
試合の途中ですが、横須賀市からですと私の場合22時過ぎが終電。途中電車が遅れて乗り継ぎを失敗すると帰れなくなるので、この7回終了でスタジアムを後にしました。
驚いたのは、試合中にも関わらず熱心なファンが、バウアー投手が出てくるのを待っていたことです。
このゲーム、結果的に延長までもつれ込み最後も松尾捕手のサヨナラヒットで横浜が勝利しました。
一昨年のシーズン途中に横浜からロッテに移籍した国吉投手、ファームで調整中の横浜の平田投手、濱口投手、田中健二朗投手らの登板もあったこの試合。見られなかったのが残念でなりませんでした。
また来月にはファームの試合にも訪れたいと思います。
こちらは乗り換え途中に発見したポスター。東急東横線横浜駅構内のものです。この日から貼られていたそうです。
三浦監督によると、この日から「中4日」となる明日「5月3日」、本拠地横浜スタジアムでのデビューとなるという談話を拝見しております。
様々な理論的なトレーニングを取り入れ、メジャーで大きな「冠」を獲得したバウアー投手。広島の九里投手もそのトレーニング方法を参考にしているそうで、バウアー投手が利用する同じ施設へ渡米して自主トレも行っています。
私がプロ野球を見始めた頃、「中4日」が当たり前、「中3日」という先発投手もいて毎年、最多勝投手は「20勝」以上は当たり前だったあの頃。時は流れて「中6日」が日本プロ野球での当たり前になっていましたが、メジャーでこの間隔で投げていたバウアー投手。どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。
かつて打者では、ヤクルトの「ホーナー選手」の鮮烈デビューで「ホーナー効果」などという言葉も生まれました。
また、巨人の「呂選手」のデビューも鮮烈でした。
連勝で4月の月間最多勝利記録を塗り替えた「横浜」にさらなる旋風を起こすことができるのか。明日の試合は米国でも注目となる日。「WBC」に続いて、日本の現在地を米国に見せるいいチャンスでもあります。両軍の戦いに今から胸を躍らせております。
思いが溢れて、長文かつ、写真も多数となりましたこと、どうかお許しください。お読みいただきまして、ありがとうございました。