環境省自然環境局総務課動物愛護管理室主催
「考えていますか?ペットのごはん」ペットの食事と健康に関する講演会に行ってきました
定員100名のところ、応募殺到で募集を締め切ったそうで、会場はほぼ満席でした
それだけ一般の飼い主さんのペットの食への関心が高いということです
私も一飼い主として、参加させていただきました
今日の講師は3名。
最初は、日本ペット栄養学会常任理事の大島先生。
「人、犬、猫の栄養、食事の違いと注意点」
私たち人間と同じように、犬猫は「脂肪、たんぱく質、炭水化物」を食べ物から摂取しなければいけません。
犬猫にとって「脂肪、たんぱく質、炭水化物」は三大栄養素、
しかし人と犬猫では必要な栄養素の割合は当然違います。
犬は雑食、猫は肉食
消化管容積率と腸管長:体長比を見てみると、
動物 胃 小腸 大腸 腸管長:体長
羊 67 20 13 25~30:1
豚 29 34 37 25:1
犬 62 23 14 6:1
猫 70 15 16 4:1
人間 30 35 35 5:1
体長を1とした場合、草食の羊が一番長く、続いて雑食の豚、肉食に近い雑食の犬、人間、そして完全肉食の猫という順になります
歯の数を見ても食べ物を磨り潰す働きをする「前臼歯、後臼歯」は猫が最も少ないです。
ネコちゃんは穀類や繊維質を食するのに適していないと言えます。
手作りフードについて
手作りフードのメリットは、使う食材や調理方法を飼い主が100%把握できること。
ただ犬猫が必要としている栄養バランスは人間と大きく異なっており、ライフステージによって変化する栄養要求量を満たす適切なフードを作るためには十分な知識が必要。
生肉だけを与えていると栄養バランスの偏りからビタミンやミネラルが不足する。
犬や猫には肉や魚以外の食材も与えて栄養の偏りを防ぐことが重要。
続いて、一般社団法人 日本ペットフード協会技術委員長 藤井立哉先生
「市販ペットフードの選び方と取り扱い」
ペットフードの種類、特性、表示例についての説明のあと、市販ペットフードの選び方・取り扱いについて講義されました。
主食となる食事を大切にするために、
*総合栄養食
*年齢にあわせたライフステージ
*健康状態に配慮した栄養バランス
*製品のバラエティー を考慮した上で選ぶ。
ドライ製品は腐敗を防ぐために開封後1ヶ月以内を目安に使い切る(?)→(実際はたくさんの防腐剤が入っているので1ヶ月で腐敗することはないと思います。。。)
ウェットフード、セミモイストフードはドライと比べて水分含有率が高いため、カビが生えやすいとのこと。
最後は、日本獣医生命科学大学獣医学部 左向敏紀教授
「日ごろの体長管理」
ビタミンの働き
*脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)
*水溶性ビタミン(ビタミンB、C)
市販のペットフードでビタミン欠乏症は稀
手作りフードの食事に見られることがある。
脂溶性ビタミンの過剰例として有名なのがレバー。
ビタミンA・Dが過剰なため、血中カルシウム濃度が上昇。
生の魚介類(イカ、カニ、エビ、貝)はビタミンB1を破壊するチアミナーゼを含んでいるため、ビタミンB1欠乏症を起こすことがあるので注意が必要。
砂糖、米飯は、カロリー過剰、糖分だけ使うとビタミンB1欠乏になる。
ビタミンに関する注意点として、手作りの食事を与えている場合ビタミン不足になることがある。
ミネラルについて、過剰のマグネシウムは尿石ができやすいので制限した方がいい。
煮干や海苔は犬猫にとってマグネシウム過剰である。
続いての質問「「犬に食べさせても良いものは?」
A.ブドウパン
B.玄米パン
C.キシリトールガム
答えは、Bの玄米パンだそうです。。。
ブドウはご存知の通り最近の研究で分かったことで腎臓障害を引き起こすことが報告されているのでNG。
キシリトールは低血糖を引き起こすので論外。
玄米パンも人間用であれば犬猫にとって塩分過多だと思いますが。。。
続いて、犬猫に食べさせてはいけないもの。
たまねぎ、ぶどう、キシリトールガム、香辛料等。
(環境省自然環境局総務課動物愛護管理室 「飼い主のためのペットフードガイドライン」 をご覧ください。)
肥満について。
人と同様に健康被害の可能性が高い。
肥満犬に適した食事は、低カロリー、高繊維。
食事療法だけではなく、運動も行う必要がある。
肥満症の合併症として物理的影響(高血圧、心臓負担、骨関節炎、ヘルニア、換気障害)、
内分泌・代謝異常(高インスリン血症、高脂血症、脂肪肝、肝臓障害)が考えられる。
また、肥満=早死の割合が高いといわれているので、くれぐれも気をつけたい。
講義のあと、ペットの食事に関するDVDが上映されたのですが、
機材、DVDのどちらかの不具合で残念ながらとても見難かったです。。。
とても立派な冊子をいただき、講師の先生方のお話を聞くことができて有意義な時間を過ごすことができました。
今回の講習で感じたこと。
「手作りフードは、“総合栄養食”であるペットフードと比べて栄養価が劣っている。
手作り食だとビタミン等の栄養素が不足することがあるので、おすすめしない。」
講義の先生方の所属先を考えると当然のことですが・・・・・
まだまだドライフードが主力なので簡単ではありませんが、少しづつ生食・手作りの良さを一人でも多くの飼い主さんに広められるよう地道に頑張っていきたいと思います
家に帰ると、既に夕飯を終えたデップはお気に入りのカメブタくんと遊んで(戦って?)いました
今日も元気に一日を過ごしてくれたようです
明日も晴れそうなので、たくさんお散歩しようね