3月のカウンセラー集中講座は、まず午前中の第1部では、自己評価と自己肯定感と自己有用感の違いについて、そして今増えてきている自己無価値観を感じている子ども達についてのレクチャーとワークを行いました。
そして午後は愛着障害について、とても難しい例をカウンセリングの逐語録から考えてみました。
愛着障害とはどういうものなのか。
精神科医が診断の基準とする際に、米国精神医学会が発行している最新版DSM-5にも愛着障害が取り上げられているのですが、それを噛み砕いてみると、下記のようになります。
まずは愛着障害は2つのパターンに分けられています。
1つ目は反応性愛着障害(RAD)。
これは、親に抑制されて感情を出せなくなった子どもが、その後一貫して「どんなに辛い時でも滅多に安らぎを求めないし、苦痛に反応しない」という行動パターンを取るというケースですね。
そして、次のうち2つ以上に当てはまるかどうかが大事となってきます。
・他人に対して最小限のコミュニケーションしか取ろうとしない
・ポジティヴな感情が制限されている
・親が威嚇的ではない場合でも、イライラや悲しみや恐怖を感じることがあった
更に、その子が欲する愛情をもらえなかった(ネグレクト)、または親の離婚や育児放棄などで頻繁に育てる人が変わる、または愛情を欲しくてももらえない普通ではない状況で育った(養育者が極端に少ない施設等)というケースです。
2つ目は脱抑制型対人交流障害(DSED)です。
これは、下記の2つ以上に当てはまるかどうかをチェックします。
・見知らぬ人とのコミュニケーションが平気
・度を越した馴れ馴れしさ
・親や養育者に対してドライである
・親しくない大人にでも平気でついていく
そして、1つ目の反応性愛着障害と同様に、その子が欲する愛情をもらえなかった(ネグレクト)、または親の離婚や育児放棄などで頻繁に育てる人が変わる、または愛情を欲しくてももらえない普通ではない状況で育った(養育者が極端に少ない施設等)というケースです。
しかし、精神医学的な話はともかく、ここではもっとわかりやすく考えてみましょう。
簡単に言うと、その人が子ども(幼児)の時に、親若しくはそれに替わる保護者からから愛されなかった、かまってもらえなかった、非常に厳しく育てられた場合が、愛着障害となってしまう場合があるということですね。
「場合がある」という書き方をしたのは、親から愛されなくても愛着障害の特徴を持たない人もいるということです。
つまり、環境だけではなくその人の特性(持って生まれた性格)も関係するわけですね。
繊細な人、感受性の強い子どもほど、問題が大きくなるとも言えます。
このタイプのカウンセリングにおいて、どのようにカウンセラーは考え、接していけばよいのかについて、質疑や感想を挟みながら行いました。
この内容は第3土曜の3月20日にも行われます。
https://npo-jisedai.org/kouza.htm
また、わかりやすいカウンセラーベーシック講座は、3月は14日(日)と22日(日)に開かれます。
心理学は初めての方でもご参加いただけます。↓
https://npo-jisedai.org/basic.html
ちなみに、日本次世代育成支援協会の今まで受けた相談においての研究から作られた簡易診断テストがこちらです。
【愛着障害ではないかと悩む人の簡易診断テスト】
(この著作権は合同会社ベルコスモ・カウンセリングに有ります。無断複製や無断使用はできませんのでご注意ください)
当てはまるものには〇、多少あてはまる場合は△、そうでない場合は×をつけてください。
1.自信が無い
2.見捨てられ不安が強い
3.自分は自分、人は人と割り切るのが苦手
4.察してくれることを切望する
5.低い自己評価
6.情緒不安定
7.感情のコントロールが上手くいかない
8.人にどう思われるかがとても気になる
9.ゆとりがない時が多い
10.子どもっぽいところがある
11.親しい人に過度な要求をしたり、要求がエスカレートしたりする
12.親しい人に対しては切れやすい
13.批判、否認、または拒絶に対する不安が大きい
14.好かれていると確認できないと、人との関係に深入りしない
15.人から褒められても素直に喜べない
いかがでしたか?
〇は2点 △は1点 ×は0点として、合計点を出してください。
24点以上は傾向有り。20点以上は予備軍の可能性が考えられます。
なお、1から9までの項目はアダルト・チルドレンの傾向と重なります。
ベルコスモ・カウンセリングはNPO日本次世代育成支援協会と共同でカウンセラー講座を開いています。↓