6月8日のカウンセラー養成集中講座は、リフレーミング、コンプレックス、そして年々増えている中高年の離婚についての講義とワークでした。
ここで少しコンプレックスについて話しますと、これは世間一般では『劣等感』とごちゃまぜになって使われているような気がします。
しかし心理療法で言うところのコンプレックスというのは、劣等コンプレックスだけではなく、逆に優越コンプレックスもあり、また「マザコン」と言われているマザーコンプレックスやファーザーコンプレックスなど、いろいろあるんですね。
そして例えば劣等コンプレックスと劣等感について言うと、劣等感というのは、字のごとく「自分は劣っている」という感情ですが、これは意識されている感情です。
ところが劣等コンプレックスというのは、世間一般で言われている『劣っている部分』についての悩みというよりも、もっと強い『無意識に感じている複雑な感情』なのですね。
つまり
・それは主に無意識の領域にあり
・制御が難しい
・強い複雑な感情
であるということになります。
また劣等感というのは、多くの場合「標準よりも劣った場合」に生じますが、劣等コンプレックスは劣っているとは限りません。
例えば、ある兄弟で兄がとても優秀な場合、弟は喩え世間から見れば難関校に合格したとしても、そこが兄よりも偏差値の低い学校だった場合は劣等コンプレックスが生じる場合があります。
このケースでは、親や周囲が弟よりも兄を大事にしたり、いつも兄に比較されてばかりいると、標準から考えると優れているにも拘らず、「自分は劣等である」という強くていろいろと(恨みや怒りなど)複雑に入り混じった感情を無意識に抱えているということですね。
また、これは劣等コンプレックスに限らず、劣等感にも言えることなのですが、悩んでいる人は、あまり合理的ではない『比較』をしている場合があります。
下記の文をご覧ください。
『日本人はフランス人よりもムードが無く、イタリア人よりも陰気である。
しかも、インド人よりも数学に弱く、ザイール人よりもマラソンで遅い。
その上ユダヤ人よりも商売がヘタで、アメリカ人のように前向きではない。
なんと言っても悲しいのは、アラスカ人より寒さに弱いくせに、なんとエチオピア人より暑さに弱いのだ。
よって、日本人は世界で最も情けない人種の1つである』
客観的に考えると、おかしなことで悩む場合って意外に多いんですよね。
さて、故河合隼雄先生はこんな名言を残されています。
「コンプレックス有があるところに、可能性あり」
確かにそうです。
人って夢や可能性の無いところにはコンプレックスは抱かないんです。
僕は新横綱の大の里にコンプレックスは持ちません(別に横綱になりたいという夢を持っていないし、可能性も全然ないですし)。
コンプレックスというのは、或る意味「夢」や「目的」を探している人には、大きなヒントになるんですね。
コンプレックスだけではなく、「妬み」もそうです。
妬んで相手を引きずりおろそうとするとこれは問題だけど、じゃんじゃん妬んで目標として近づいていけば自分可能性が花開いていくことだつていくらでもあるんです。
問題は、やるからには「越えねばならぬ」という「ねばならぬ」という考え方(~べき主義)なんですね。
大事なのは「へき」ではなく「モア・ベター」です。
今より「マシ」になっていくこと。
自己実現なんて、「マシの積み重ね」です。
「嫌なヤツ」というのは、そのコンプレックスを抱く対象なのではなく、それを邪魔する「~べき主義」や「比較」や「恥」なんですね。
この内容は第3土曜、そして第3日曜にも行いますので、よろしければぜひご参加ください。
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