もっと通じる英語に!
I'llは「アイル」でいいのか?
YouTubeに新しい動画を出しま
した。
機能語の発音シリーズの4本目。
「I'llは「アイル」ではない!?」
です
これは昔から気になっていた問題。
以前、このブログで何回か書いたと
思いますが、
ネイティブは I'llを、律儀に
[áɪl] と発音することは
少ないのです
なぜってこれは機能語だからです。
なので弱くなりやすいのです
そもそも、
[áɪl]という発音は、口の動きが
大きくなってしまうんです。
どういうことかというと…
ごく大雑把に言いましょう。
アとイは、発音上は遠い音。
アイウエオでは、隣り合ってますけ
どね。
実はこのアイウエオという並び、
コントラストの強い音を隣り合わせ
ているのです
そうすることで、
各音が明瞭に聞こえるようになっ
ているのです
母音四角形で見れば、すぐわかり
ます。
アとイは、一番上と一番下の関係。
それだけに、アとイが連続すると、
口の動きが大きくなる、ということ。
(母音四角形は、口・舌の動きを
示したものなのです。中心から離
れれば離れるほど口の動きが大
きくなる。)
また、イとLの組み合わせも、口の
動きが大きくなるんです。
語末のLは、ウやオに近い響き。
そのウやオは、これまたイからは
遠い音ということ。
イとウは、口の一番前(左側)と
一番後ろ(右側)という関係です。
オに至っては、対角線に近い位置。
つまり[áɪl]なんて言おうと思った
ら、大変な労力が必要というわけ
でも、I'llは機能語。
だから、あまり大事な情報ではない
だから、目立たないように発音する
もの
だから、[áɪl]みたいな面倒な発音
は、機能語には向いてないのです。
というわけで、ネイティブは多くの
場合、[áɪl]の省略形(弱形)を使う
ことになる。
それが[al]であり、
さらに弱い[əl] なのです。
カナで書けば「アゥ」
この音はとてもよく使われて
います。
そんな当たり前のような音なのに…
ボクは、I'llが「アゥ」となる、
なんてことを言っている本に
出会ったことがなかった。
それで、それを本の形で最初に
述べたのが
『耳慣らし英語ヒアリング
2週間集中ゼミ』(アルク)。
1998年のこと。
もう20年以上前です。
初代表紙
でも、おかげさまで、この本は評判
がよく、今でも売れ続けています。
2代目表紙(2009~2021)
ちなみに、今回の動画では、その本
よりちょっと後に出した、『理屈でわ
かる英語の発音』を素材として使っ
ています。
この本は20年以上前に、出版社の
都合(倒産)で、絶版になったので
す
なので、そのリソースを活用してい
るわけです。
こっちの本では、I'llの発音を直接
扱ってはいません
でも、I'llを使った例文がいっぱい
あるのです
それを活用したのです
そこにあった I'llのほとんどが、
「アゥ」と聞こえる音だったのです。
こりゃ、I'llの実例を使うっきゃない、
というわけで、この動画を作ったと
いうわけです。