■東京交響楽団 特別演奏会「第九」2025(25/12/29サントリーホール)
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調「合唱付」
(アンコール)蛍の光(AULD LANG SYNE)
[指揮]ジョナサン・ノット
[ソプラノ]盛田麻央
[メゾ・ソプラノ]杉山由紀
[テノール]村上公太
[バスバリトン]河野鉄平
[合唱]東響コーラス
まだ大みそかのジルヴェスター・コンサートが残っているが、私がノット監督の任期中に聴くこのコンビの実演はこれで最後。ノット&東響による「第九」は、2019年に始まってから2022年まで4年連続のべ5回聴いてきた。一昨年と昨年は思うところあって年末の第九はテレビ視聴だけだったので、この曲の実演自体3年ぶりである。
過去4年の感想を読み返してみて、このコンビの第九についてはほぼ書き尽くしているかと思いきや、実際に聴いてみると、そのどれとも似ていないのがこのコンビらしい。弦8-8-6-5-4のコンパクトな編成から生み出される、室内楽的とも、オペラ的とも感じられる、極めて情報量の多いパフォーマンス。具体例を挙げ始めたらキリがないが、第1楽章冒頭の開放弦の透明感、第2楽章のスケルツォらしからぬ粘り腰、第3楽章の4番ホルンの神々しいまでの輝き、第4楽章のレチタティーヴォの生気溢れる低弦…などは特筆しておきたい。
この先、ノット&東響で第九を聴く機会があるのかは分からないが、次回もきっとまたこれとは違った印象を受けるのだろう。今回も含めこのコンビで第九を6回聴いたことになるけれど、同じ指揮者とオケで実演に接した回数としては最多であり、今後この記録が破られることも多分無いだろう。必ずしも毎回100%自分の理想の第九だった訳ではないけれど、これほど集中してこの曲と向き合えたのは本当に貴重な経験でした。
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という訳で、今年も拙文をご覧いただき、ありがとうございました。来る年も素敵な音楽との出会いがありますように。そこに、ノット&東響の演奏が含まれないのは寂しいけれど…。
