八ヶ岳日記 -6ページ目

道…

今日のお散歩は10日振りです。久しぶりに、いつものコースを歩いてきました。

目の前の木々のことや昨年との景色の違い、健康のことやお仕事のこと…などを話しながら、
主人と共に歩いてきたこの20年の道のりも、同じように話しながら歩いてきたことが思い出されました。

空を見上げ、道端の花を見つめ、鳥の声を聞き、風を感じながら…歩いた20年でした。
ゆっくりと登る長い道は手を引かれ、下る道には腕を重ね、お互いに無理のないペースを考えながらの道でした。

昔、ある人が言いました。
「自分の人生の最期に、しあわせだったと思えれば、それでいい…。」と。
自分の考えを伝えることなく、家族に言われるままに過ごす人でした。

でも私は、それは何かが違うと思いました。
『いつの時にも幸せを感じられる生き方ができるほうがいい』
私はそう思っていたのです。

主人との生活の中で、私は主人との時間を大切に大切に過ごしてきました。
お互いの考え方を静かに語り合い、理解しあえることはとても幸せでした。
これからも、共に穏やかに過ごしていけますように…と願っています。

少し秋めいてきた景色が、今日の私をそんなおセンチな気持ちにしてくれました。

  

おいしい季節です。

『キンコ~ン』
午後7時過ぎ。玄関チャイムが鳴った時、外はもう真っ暗でした。
今頃何かしら?と思いながら玄関脇のガラス越しに映る人影は、大きな箱を持った宅配便の人です。

鳥取県で梨を作っておられる友人が送って下さった20世紀梨が届いたのです。
10数年前まで、彼女と主人は会社の同僚でした。
大阪生まれで大阪育ちの彼女は、外資系の会社でそれなりの地位にいながらも、7~8年前に脱サラをし、何年もの研修期間を経て果樹農園の農園主になられました。
今は地元の人と結婚をされて、ご夫婦で果樹農園主なのです。

全く畑違いの職業を選ばれた彼女を応援することもあって、主人は毎年、彼女の力作を注文しています。

今回も、私達が鳥取県の実家に帰省中に、「梨はどうでしょう。」というメールが届いていたのです。
今年は台風12号の通り道でもありましたので、台風対策もあって、少し早めの収穫だったかもしれません。
それでも、届いた箱を開けますと、粒の揃った梨が並んでいて、梨の香りが広がりました。

20世紀梨が大好きな主人にとりまして、とても幸せな季節になりました。
昼食後のデザート用に、明日の朝、冷蔵庫で冷やしておきましょう。

恩返し

「お天気の神様に会わせてもらったんだね。」 

昨日、私の両親のお墓参りを済ませた時、主人がひとり言のようにそう言いました。
早朝に主人の実家(鳥取県米子市)を出て山梨へ向かう途中で、私達は急遽、お墓参り(広島県福山市)に行くことにしました。
いつもですと、帰省するときには立ち寄るのですが、今回は日程が調整できないままでしたので、山梨に直接帰ることにして実家を出たのです。
ところが台風12号の影響で、関西近郊の高速道路が通行止めになっているところがあると知り、コースを変更することになりました。

お天気の神様に会わせてもらった…。そうですね。会わせてもらったのです。
今回は、両親に話すことがたくさんありましたもの。


主人と結婚をする前から、お墓の前に立つと私は両親に語りかけていました。
深く考えたい時や困った出来事がある時など、じっと耳を澄ませていますと両親の声が聞こえてきます。
実際に声が聞こえるはずはありませんが、こんな時に両親だったらどうするかしら?何と言うかしら?と考えているうちに、私の中に答が見えてくるということなのでしょう。

今回、お墓の前に立ってみて改めて思ったのです。
主人との結婚は、私にとって大きな転機となりました。

日々を大切に過ごしながら、幸せを積み重ねてきたことが思い返されます。

この20年、いつの時も主人に支えられてきました。
長い間主人が私を支えてくれたように、これからの日々の中で少しでも恩返しができれば…と思いました。


主人の後ろに座ってお墓に手を合わせながら、主人に感謝しました。
そしてお天気の神様にも…、ありがとうございました。