花壇の夢
なんかね、衝撃的な夢オチを見てしまったので殴り書き。-----どこだか知らない世界。見たこともない場所。そんなのはどうだっていいんだ。自分と、それぞれ年齢の大分違う友人らしき人達が何人かいる。人気のない住宅地の間には川が流れてる。ベネチアみたいに。その一角に、緑の溢れる花壇がある。自分はそこを大事に守ってた。その花壇の中にはとても大切なメッセージがあったから。小さな紙切れに書かれた言葉。今はもう亡き友人からの。どういう流れがあったのか、もう覚えていない。ただ、自分は一人の友人を宥めようとしていた。慰めたかったのかもしれない。彼を救いたかった。年老いた亡き友人はずっとこう言っていた、君に伝えたかったんだ。自分だってそうだ。でもできなかった。あの時は。きっと、言えば君は傷付いただろう。君を傷付けることはできなかった。彼も、自分も。そう言うと、彼は亡き友人を非難した。自分は苦しさを覚える。なんてことを言うんだ、彼は君のことをいつも心配していたというのに!ほら、見てくれよ。この美しい花壇を見てくれ。この花壇の中にはメッセージがあるのを知ってるだろう?あれは君へのメッセージなんだよ。彼が遺したものだ。だから、自分は大切に大切にこの花壇を守ってきた。彼の遺志を消さないために。「花壇?そんなものがどこにある」一瞬。ほんの一瞬だけ、気が遠くなったような、そんな気がした。何を、言ってるんだ?振り向くと、そこにあった筈の花壇はなかった。正確には、花壇はあった。けれど、美しい緑はどこにも無かった。ただの土が敷かれているだけ。何もない。震え始めた。そんな、馬鹿な。ほんの少し前、彼が訊くまでは確かにあったのだ。溢れんばかりの緑が。まるでこの廃墟の一角に佇む小さな小さな希望のような、亡き友人の愛した、数々の美しい花木が。毎日、手入れをしていたのだ。今だって!彼と話しながらメッセージを眺めていたじゃないか!!「嘘だ」声が震える。嘘だ、嘘だ、嘘だ、うそ。そんな馬鹿な筈はない。けれど、目の前の花壇には緑はおろか、メッセージも何も無かった。ずっと幻覚を見ていたのか?いつから?それもわからない。ならば思い出さないと。伝えないと、亡き友人の言葉を。それが彼の願い。彼の希望。毎日見ていた、あの小さな紙切れに書かれた短い一文と、彼の名前。伝えないといけない。それなのに、思い出せない。なぜ?毎日見ていたじゃないか。この花壇を愛した友人を偲びながら、何度も何度も繰り返し眺めたというのに…曇りがかった空を背景に、赤と青味のかかった飛行機が飛んでいく。それは化け物のように大きく、見上げた空を覆うほどだった。-----衝撃が強過ぎて、起きてから涙が出た。夢の中では、え?え?なんで?なんで無いの??っていう焦燥と混乱の中にいて、泣いてる余裕すらなかった。本当に何と言うか、もう衝撃的としか言えないんだけど。今さっきまでそれがあることを前提に話していて、実際自分も花壇をちょっと手入れしながら彼と話していて。それなのに、その前提が、「花壇がある」という自身の認識が崩れる恐怖。彼の一言で何もかも変わってしまう。「どこにある?」と訊かれて、振り返ったらもうそこには何も無い。なんで、という疑問符の嵐と、猛烈な気持ち悪さ。彼からしてみたら、土があるだけの何も無い花壇で何かしている自分と話していたわけで。けれど自分には、美しい緑が溢れる花壇に見えていた。この認識の相違。決定的なもの。夢の中の自分はいつから幻覚に囚われていたのか?そう考えると、ぞっとした。ただ残念なのは、亡き友人の言葉を伝えられなかったこと。それがどうしようもなく悲しかった。