真昼の死闘と大列車強盗 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

西部劇ヒーローを代表するクリント・イーストウッドやジョン・ウェインが女に翻弄される作品に、『真昼の死闘』と『大列車強盗』があります。

『真昼の死闘』(1970年/監督:ドン・シーゲル)を再見。

3人の男に乱暴されそうになっている尼僧のサラ(シャーリー・マクレーン)をホーガン(クリント・イーストウッド)が救出。サラはメキシコ革命軍を助けたことからフランス軍に追われており、ホーガンは革命軍に協力してフランス軍の大金を奪おうと目論んでおり、彼女と旅をすることになります。革命軍のベルトラン大佐(マノロ・ファブレガス)と会ったホーガンは、チワワのフランス軍基地を襲撃する計画をたてますが……

南北戦争直後のメキシコを舞台に、エンニオ・モリコーネの音楽が流れ、無精ヒゲのイーストウッドが登場。あっというまに3人の男を撃ち殺すところは雰囲気的にはマカロニウエスタンですが、原作がバッド・ベティカーなので垢抜けた内容になっています。尼僧に化けた娼婦のマクレーンとイースドウッドの掛け合いが面白く、最後までダレルことなく楽しませてくれますよ。ドン・シーゲルの演出は各場面を丁寧に描いており、芸が細かいです。革命軍と一緒にフランス軍基地を攻撃するクライマックスより面白かったのが、フランス軍が革命軍を攻撃するという情報をつかんだ二人が、橋を爆破してフランス軍の列車を峡谷に転落させるシーン。イースドウッドが酔っ払っていて、仕掛けたダイナマイトにライフルで命中させることができず、マクレーンが殴って目を覚まさせるんですが、イーストウッドが酔っ払ったのは、インディアンに射ち込まれた矢を抜くためにウイスキーをラッパ飲みした為で、各場面が意味を持って繋がっていく展開に満足、満足。

画像は、『真昼の死闘』のサントラLPジャケット。洋盤でなく日本ビクターの国内盤。柳生すみまろが解説を書いており、邦題は何故か『ダイナマイト無宿』になっていま~す。

 

『大列車強盗』(1973年/監督:バート・ケネディ)

子どもを列車強盗の息子にしたくないというロン未亡人(アン・マーグレット)の頼みで、ロンが隠した50万ドルの金塊を鉄道会社に返すためにレーン(ジョン・ウェイン)は、古くからの相棒であるジェシー(ベン・ジョンソン)、グラディ(ロッド・テイラー)、それにベン(ボビー・ヴィントン)を呼び寄せます。それにグラディが連れてきたカルフーン(クリストファー・ジョージ)とサム(ジェリー・ガットリン)の新入り二人が加わって、ロン未亡人の案内でメキシコの荒野に隠されている金塊を探す旅に出発。報酬は鉄道会社から出る懸賞金の5万ドル。ロンの仲間だった列車強盗団が金塊を狙っていましたが、彼らを片付けロン未亡人に金塊を渡します。しかし、鉄道に雇われた探偵(リカルド・モンタルバン)がレーンに真相を明かすと……

バート・ケネディらしいユーモアを散りばめた本格西部劇。ロングショットを多用した映像が、西部劇らしい空間的広がりを持っていて素晴らしいです。西部劇はロングの魅力につきますな。

この作品はマイケル・ウェインが製作しており、ウェイン映画の顔なじみが出演。ベン・ジョンソンでしょ、クリストファー・ジョージでしょ。ボビー・ヴィントンは「ミスター・ロンリー」のヒット曲で知られる歌手ですが、『100万ドルの血斗』に続いての出演です。『100万ドルの血斗』では、冒頭で無法者にアッサリ撃たれて負傷するウェインの息子役でしたが、この作品ではちゃんとしたセリフがありましたよ。それにしても、アン・マーグレットに騙されるウェインは愉快、愉快。

ちなみに、『100万ドルの血斗』はココヘ⇒マクリントックと100万ドルの血斗 | 懐古趣味親爺のブログ (ameblo.jp)