ガラスの宝石と800番台

 

世の中には着色宝石が、かなり流通しています。宝石の内側に鉛ガラスを浸透させたり、宝石の代わりにガラスを代用させてしまう手の込んだものなので、ちょっとくらいではわかりません。なぜならメノウを含む多くの宝石が酸化ケイ素で出来ていて、そしてガラス自身も酸化ケイ素で出来ているからです。


宝石は、結晶化しているので、ガラスより比重が大きく、光を屈折する度合いがガラスより高いのです。それゆえ水晶玉とガラス玉は、透かした文字のゆがみ具合で区別できます。つまり水晶とガラスの最大の差は結晶化しているかどうかです。


ガラスは、結晶化していないので、(だからガラス質というのですよね)削る時、予期しないところで割れていきます。しかしながら、割れ方はちょっと変わっていて、カイヤナイトのようにパリパリと層に沿って割れていくわけではなく、また、ラリマーのように予期しないところでぼろっと割れていくわけではありません。


ガラスは、固まっているだけですから、浅草の雷おこしのように、つまり、おこしが割れる時のように、食塩の結晶大くらいのガラスの粒が、ガラスからぽろぽろと剥がれていくような感じで割れていくのです。

 

前回、シーグラスをガラスになるまで磨いたときに800番手は早めに通り過ぎました。実はガラスの場合、800番手くらいで、自分の納得のいくようにいくら磨いても、なんとなくザラザラしていて磨けないのです。ご説明したように、実は、これがガラスの性質を端的に物語っていることなのです。


800番手くらいで磨くと、(わかりやすく誇張して言うと)、食塩の粒くらいのガラスの粒が振動で踊り出て、次から次へと飛び出してしまうので、いつまでたってもしっくり磨けないのです。ここは、早く通りすぎて、もっと細かい番手でじっくり磨く必要があるのです。

 

下の写真は、800番手で磨いた時のガラスの写真です。少しオーバに力を入れています。さらに機械等で力を入れた場合には、2,3mm位の単位でポロポロと剥がれて(割れて)いきます。

 

つまり、石英やメノウや、その他宝石を海外から買って、磨いてみると、800番手くらいでガラスと同じように、小さくポロポロ割れていく場合には、ガラスが含まれているか、もしくは、材質そのものがガラスだとわかるのです。私は、このようにして、偽物の宝石を本物と区別しています。


残念ながら着色ガラスを内部に浸透している偽物はかなり多いのです。私は、初めのころ、このことに気が付きませんでした。しかしながら、あまりに流通している宝石と、原石の色が違うので、そこからいろいろ調べて行きました。


下の写真は海外のサイトでカイヤナイトです。おそらく石を処理した人と、手に取って写真を撮っている人が違うので、写真の人は、自分の手の中にあるカイヤナイトが、色ムラになっていることにさえ気づいていないのです。

 

 

ガラス浸透以外の着色方法もあります。放射線や熱による変色方法は、マグマを含む自然も行っているので悪い事だとは思いません。現に人間がおこなったかどうかの区別もつきません。また、もちろん着色していないで、そのまま綺麗な宝石も沢山あります。

 

湘南の石等をいろいろアクセサリーにしてみました

https://norimar.thebase.in