弥生文化博物館夏季特別展「土器研究の可能性-新たな分析と弥生社会-」 | 守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

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今日のラッキー神社

 

展示は第一章と第二章で構成されており、第一章は、最新の土器研究から何が新しくわかったのっかが展示されていました。

まず圧痕からの研究。
土器の表面に、穀物の形の穴が見つかることがありますが、それだけを見るだけでは、その穀物がなんなのかわかりません。
そんなわけで、縄文土器に米の圧痕がある=縄文時代から稲作が行われていたと考えられていた時期もありましたが、シリコンを穴に詰めてバカッと外して研究するようになり、もっと具体的な形がわかるようになりました。
その結果、縄文時代に栽培されていたのは、どうやら豆や粟らしい。
稲作が始まるのは弥生時代ということで良いようです。
とはいえ、狩猟文化と考えられていた縄文時代に、畑栽培が行われていたというのは、興味が惹かれます。

また、CTでスキャンして土器の土に何が混じっているのかも研究されています。
生駒山西麓は、縄文時代から高度な土器作りが行われていた地域ですが、この土器はチョコレート色の粘土が特徴で、中に生駒山西麓から産出する斑れい岩の石粒が入っています。
これら生駒山西麓独特の土器は、弥生時代末期には北九州まで運ばれているのですが、香川でも石粒を混ぜた土器が見つかっているということ。
つまり、石粒を混ぜることになんらかの効果か意味があるのでしょうが、それがなんなのかはわかっていないそうです。

残存脂質の研究からは、何を食べていたのか、どんな風に調理されていたのかがわかります。
弥生人が食べていたお米は、どうやら私達が食べているお米より長かったみたいです。
タイ米とまでは言わないけれど、長い。
ジャポニカ米のなかでも、熱帯型の米なんだとか。
調理も側面加熱蒸らしをともなう湯取り法で、たくさんの水で煮たあと、お湯を捨てる方式です。
お湯と一緒に粘りも逃げるでしょうから、かなりパサパサしたでしょうね。
また、魚やキビがよく調理されていたとわかったそうです。

私がもっとも興味を惹かれたのは、「民族考古学」の研究。
ある時代の日本と似た生活をしている人たちに、「これはどういう意味があってやっているのか」と質問すれば、その時代の人と同じとは言えなくとも、似たような考え方がわかるのではないか、という趣旨の研究です。

パプアニューギニアには、20世紀になっても土器を作って生活をしている人々がいるので、人形のついた土器を作った人に、「これは何か」と聞いたところ、「ご先祖様」「神様」と、なにかしら守護してくれるような存在だと答えた人が多かったそうです。

可愛い(^^♪


第二章は生駒山西麓の土器について。
チョコレート色の粘土、そしてそれに混じった石粒が特徴なのですが、相当大きなものもあります。当然重い。

それが兵庫県の日本海側で見つかっているというのですから、運ぶのは大変だったはず。
陸路では特に、難儀したでしょう。

粘土だけ運んだ可能性もないとは言えないようですが、技術的なものを考えても、成品を運んでいると考える方が自然だそうで、つまり、そこまでしても物々交換したいものがあったということでしょう。

それが何かというと、まだ日本では採掘されておらず、大陸から運ばれてきていた鉄じゃないかと考えられているそうです。
実際、生駒山西麓で鉄の鏃が見つかっているみたいですし。

また、羽釜やU字型土器といった、朝鮮半島で作られていたものも見つかっていることから、技術者がやってきていたのじゃないかとも。

また、テーマから外れますが、最新の研究で、銅鐸に描かれた文様のタイプ分けがされているそうです。
自然、人間、世界の3つのテーマがあるそうで、自然でも水に関する自然と地に関する自然があるとか。
そして、どうやら優位性があるらしい。最上位が人間なんですね。男女でいうと男が上。
男>女>水の自然>>地の自然
なんですって。

自然と折り合いを付けてうまくやろううという縄文精神が、弥生時代になって「自然を支配しよう」と変わってきているとのことでした。
それが本当かどうかはわかりませんが……。

ディズニーアニメとか、あとキャメロン監督の「アバター」を見ると、人が自然を理解しようとする、ひいては支配しようとする意識に辟易しちゃうんです。
でもそれは多分一神教の国だから。
神が自然をつくったと考えるからそうなるのかなと思いました。

でも、日本においては自然こそが神です。
……弥生人は、自然を拝まなかったのだろうか……。

それから、この謎の土器がなんなのかについての新説の説明も。

膝くらいの高さみたいですけど、踏み台にしたら簡単に壊れちゃいそうです。
テーブルにするには卓が小さい。

……ろくろじゃないかという説があるんですって。
でも、まわりません。
だから、人間が周囲を回りながら模様をつけたのじゃないかと。
実際、タイでは「人間ろくろ」が行われているんだそうですよ。

で、普通のろくろと、人間ろくろとでは、どちらが模様をつけやすいか、体験コーナーがありました。
これが普通のろくろで模様をつけたところ。

 

こっちが人間ろくろで模様をつけたところ。


自分で周りながら模様をつけようとすると、どうしても力が入りづらい。
だから、模様も薄いですね。

あと、中腰で周ってるうちに、高さがどんどん変わってしまうのが難しいなと感じましたね~……。
たとえば、切り株の上に置いて、腕の高さに土器を設置できるんなら、作業しやすいかな?

土器の展示なんて地味かと思われるかもしれませんが、新しいトピックスがいっぱいで、目からウロコが落ちまくりでしたよ。
ぜひ、学芸員さんの展示解説がある、土曜日に訪問を!

 

 


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