私は「共感できる神様を見つけて、自分の守護神として日々相談したり、愚痴ったり、見張ってもらったりする」のが、楽になれる生き方だと思っています。
それはもしかしたら、空海が宇宙を遍く照らし、我々に慈悲を垂れ給う大日如来と同化しようとしたのと、似ているのかもしれないな、と、最近思っています。
それだから今、空海に惹かれて仕方ない。
それならばいっそ、「空海」を私の守護神にしようかな……と思い始めているところです。
空海に愚痴り、空海に相談し、空海に見張られて時に叱られる。
なかなか良い人生になりそうな気がしません?
日本においては、人が亡くなると神上がる……つまり、神になると考えられてきました。
悪人でも、罪びとでも、誰でも神になれるんです。
ならば、空海は「とても強力な神」じゃないでしょうか。
ということで、現身からすでに神がかっていた、「歴史上」の人物を挙げてみようかと思います。
まずは聖徳太子でしょう。
官位十二階や十七条憲法を定めるという、政治上非常に重要な功績があるだけでなく、十人の言葉を一度で聞き分けるといった、超人ぶりも発揮しています。
彼の実在は疑われつつありますが、1000年以上の間、「実在した」と信じられてきた歴史は重い。
山科涼子さんの『日出処の天子』をイメージすれば、日々愚痴ったり相談したりしやす……くないか、あのキャラじゃ(^^ゞ
そして役行者ですね。
言わずと知れた修験道の開祖。
鬼神をあやつり、空を飛んだとされる人物です。
ただ、その人物像がイマイチ見えてきづらいので、修験者さん以外は、彼に愚痴ったりとかは難しいかもしれません。
次に空海ですね。やはり。
空海は直接の弟子が書いた「御遺言」も残されていますし、肖像画もあります。
彼の教えも残っていますから、前者二人よりもずっと、イメージしやすいと思います。
それにね……。
金剛峯寺所蔵の、いわゆる「萬日大師」は、目が合うと、むちゃくちゃ見てきました。
一度目が合ってしまったら、脳内の会話はしやすい気がするな。
っていうか私は、未だに脳内にあの空海が住んでいます。
この空海像ね。
以上三人は、日本史ビッグ3だと思いますが、女性なら誰でしょう。
神功皇后は好きですが、彼女は全国の神社に祀られる、「押しも押されぬ神」だしな(^^ゞ
著作が残っている人ならば、信仰しやすいんじゃないでしょうか。
たとえば、今年の大河に登場する清少納言なんてどうでしょう。
枕草子はなんとか読み終わりましたが、清少納言がどれほどのプレッシャーを背負いながら、「教養を見せびらかしていた」のか、よくわかりました。
中宮定子が不遇だった時代、彼女を慰めるために書かれたというのが最近の定説らしいですが、泣いちゃいますよね。
大河ドラマの清少納言もほんっと素晴らしいと思うわ~……。
私は紫式部より清少納言派です。
最近尋ねた刈萱堂の、千里御前も私は大好き。
家に伝わる人魚のミイラを「苦しそう」と見て、「苦しみから救ってあげたい」と願い続けた女性です。
そういう無垢さをこそ、「神々しい」と私は思う。
あとは、北条政子とかどうですか?
源頼朝の死後、立派に御家人たちをまとめあげた女丈夫。
頼朝が義経を殺そうとしたとき、義経をかばって歌った静御前を「女性の鏡」と褒めたたえた義の人。
「日本三大悪女」だそうですが、御冗談でしょ???
日本人ならば、一般的に「神様」とされている神様じゃなくていいんです。
歴史上の人物で、好きな人はいますか?
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