「知らない」という怖さ | 守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

弱音を飲み込み、人に頼られるのが得意な長女タイプのあなたへ
ふとしんどさを感じたとき、気軽に愚痴を言える相手のような
自分だけの守護神をさがしてみませんか?

今日のラッキー神社

 

もし、不謹慎だったらごめんなさい。

 

まだSNSがなく、掲示板がネット上の交流の場だったとき、神社仲間が亡くなりました。

彼の掲示板に、「友人」を名乗る人が「彼は亡くなりました。理由は不明」と書き込んだのでわかったのですが、私はそれを信じ込む気はしませんでした。

いやがらせだったら最悪だし、様子を見よう……と思っていたら、それに対するレスの形でお悔やみがズラズラと並び、ものすごく胸糞悪く感じてしまったんです。

 

人の生死に関することなのに、もう少し慎重になれよ……と。

 

あまりにも簡単に信じ込んだ人たちは、慇懃なお悔やみの言葉とは裏腹に、彼の死(死が事実だとしたら)をまったく悼んでいないように感じました。

 

ただ、「友人」を名乗る人はメールアドレスを入力していましたので、嘘か本当か確かめることはできます。

そこで、

「お線香をあげにいきたいから」

と、彼の家がどこにあるのかメールで聞いたんです。

 

もし嘘ならば、それでわかると思ったので。

そうしたら丁寧な返事が届き、彼の家の住所や電話番号、家族構成などが書かれていたので、信じざるをえませんでした。

 

「お線香をあげにきてくださったら、彼も喜ぶと思います」

と、お礼の言葉もあったので、今更、

「信じられなかったので試すために書いた」

とも言えず、彼の家に電話をして、お線香をあげにいきたい旨を伝えました。

 

すると、

「遺品の中に、お守りのたぐいがある。ご迷惑とは思うが、神社などで焚き上げていただくことはできないか」

と相談されたので、懇意の神社に聞いてみたら、

「持ってきたらいいですよ」

とのこと。

私が一旦預かることになりました。

 

が。

なんとなく気鬱だったんです。

 

亡くなった人の想いが籠ったお守り類を、私が一時保管するということに、プレッシャーを感じました。

家の中に、彼の思いを持ち込んでしまうんじゃないかという、言葉にはしづらい恐れがあった。

 

でも、約束してしまったものを反故にもできないし、とりあえず線香をあげにいったんです。

そして遺影を見ました。

生前に会ったことはなかったけど、なんとなく想像していた通りの、柔和そうな、少し気弱そうな顔でした。

 

そしてそれを見た途端、私の中の恐怖が消えたんです。

 

多分、故人が、私の中で「知っている人」になったからだと思います。

 

彼に向って、「お預かりしますね」と伝えたら、私の中でもちゃんと折り合いがついた。

 

知らないということは、恐怖を無駄に大きくする。

だから、怖いのなら、ちゃんと知るのが建設的だと思うのです。

 

それはなんでもそう。

 

人は怖いと逃げたくなる。

 

そこをちょっとだけ我慢して、10秒間だけ立ち止まり、「怖い」と思うものを観察してみる。

「本当に怖がらなくちゃいけないもの?」と、自分の恐れを疑ってみる。

 

それだけで、ずいぶん生きやすくなるんじゃないかな。

 

10秒間。

たった10秒間で、恐れが消えることも少なくない。

 

経験的に、そう思います。

 

 

 

 

 


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