朝ドラの話しですけど、ヒロインがスター的男子に惚れられているのに気づかないという場面がありまして、
「少女漫画の定番だけど、気づかないもんか?」
とSNSに投稿しましたら、シナリオライターでもある知人から、
「物語創作のセオリーとして、女性は「最初嫌いだった男性をだんだん好きになる」は違和感ありませんが、逆は難しい。
そのため男性からの好意は「一目惚れ」か「最初から好きなのに、女性側が誤解などして好意に気づかない」という展開がしばしば採られる」
と、コメントをもらいました。
彼曰く、大半の男性は「人間関係をロジックで組み立てる」ことができないそうな。
・世間一般に言う「男の方が論理的」というのは「はたらくくるま」や「かっこいい機械」の仕組みなどの話であって、自他の気持ちや感情をロジカルに汲み取って対処することではない。
・そうすると、物語を作る際に「嫌いな奴だったが、様々な巡り合わせやエピソードが積み重なり、だんだん好きになっていく」ことを描こうとしても、男性は現実世界をそのようにとらえていないので、「そんな奴おらんやろ」と感じてしまう。
・もちろん現実には男性が「嫌いだった女性をだんだん好きになる」はよくあるだろうし、「会った瞬間に嫌いになる」ことも多々あるが、その過程を他人に説明はできない(単発のとってつけたような理由なら可能)ので、それなりに根拠をもって描かねばならない「物語創作」においては、それを避けて「一目惚れ」あるいは「誤解」という手法が採られがち。
とのことでした。
彼は非常~にロジカルな人で、かつ人間大好き。
誰に対しても公平で、(君ならできると)期待を持って接する人です。
その彼をして「男は人間関係をロジカルに捉えられない」と断定口調で言わせるわけなので、多分そういう傾向が多々あるのでしょうね。
……まぁ、旦那を見てると、「その通りである」と思いますが、他の男性もそうだとは思わなかった。
先日、権威ある大人たちが、自分の立場を守ろうとして妥協しなかったが、本当は妥協しなくてはいけないとわかっていて、振り上げたこぶしを下ろしたいけどいつどこで下ろしたらわからない……というところに、純粋で真っすぐで一生懸命な若者が現れ、
「みんな同じ方向を向いてるんですね!一緒にやればどんなこともできますね!!!」
とキラキラとした表情で訴えたところ、あっさりみなが、
「よし頑張ろう!!」
となるシーンが放映されました。
「これは納得しない人が多いだろうな」
と思ってTwitter(あくまでもTwitterだ!!)の「#反省会」タグを見に行ったら、やっぱり「コントか」という批判であふれてました。
……でしょうね。
でも、現実的には、よくあることです。
理屈でなんとかしようとする人が、理屈を弄して駆けずり回ってもうまくいかなかったことが、純粋で天然な善人が、
「頑張ろうよ!!」
とケロリと言うだけで、あっさり解決してしまうというようなことが、ほんと~によくあります。
私は理屈でなんとかしようとする人間なので、
「くきぃ、私ってば、なんて華がないの!!!」
と地団太踏みまくって生きてきました。
でも、説得力をもってこのシーンを描写するのはすごく難しいだろうなと思う。
時間をかけて、議論が硬直していく描写と、みながなんとかしたいけど、沽券があって自分から言い出せないという状況を描けば説得力も出るかもしんないけど、本題じゃないからそんなに時間かけられないしね。
そういう「そういう仕組みになってるってことに、多くの人が気づいてない」ことって、たくさんあるんだろうな、と、ドラマなんかを見てたら思います。
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