野球放浪記『百聞不如一見』 -322ページ目

矢野の後継者

プロ野球練習試合、日本ハム-阪神より。


11日に行われたヤクルトとの練習試合はいいところなく、阪神は3安打完封負け。今日も若手中心の打線はいいところがなかった。


そんな中でもいいアピールできたのは小宮山選手だろうか。代打で登場してライトオーバーの二塁打。その後の柴田選手の送りバントはピッチャー前に強く転がり三塁でタッチアウトになった。判断よく二塁へ戻っていれば、もっとよかったのだが。


評価したいのは打撃面ではなくリード面。特に印象に残ったのは中田選手に対して追い込んでから3球連続で内角にまっすぐを要求した場面。中田選手は一発のある打者であり、今日の試合でもホームランを打っていた。普通ならビビってしまって、なかなか要求できない。結果的に内角球は上手くカットされて最後は外の沈む球を打たれてピッチャー強襲のタイムリー内野安打になったけど、これは中田選手が一枚上。大胆で意外性のあるリードは面白いものがあったし、中田選手との対戦も見応えがあった。


同点で迎えた9回裏、サヨナラのピンチもあったが、無失点で切り抜けた。こういう場面なんか、キャッチャーの腕の見せどころでもある。練習試合とはいえ、この痺れるような場面を乗りきったのは評価できる。


補足を付け足すが、筒井投手も投球内容には不満が残ったかもしれないが、苦しみながらもサヨナラのピンチを乗りきったことは評価できる。3人でピシャリが理想的なのかもしれないが、ピンチでいかに失点しないかが、本当の真価を問われる場面なのだから。


あと二死1、2塁でライト柴田選手の守備位置が深かったのが気になった。二塁ランナーが還ればサヨナラ負けなんだから、もっと前で守っていてもよかった。ちゃんと本番を想定してやっているのか疑問に残った。


話を小宮山選手に戻す。ある日のシート打撃で鶴投手をリードしていて、打者は岡崎選手。内角にシュートを要求して、それを打った岡崎選手は足に自打球を当てるという場面があった。猛虎キャンプレポートの解説を務めていた矢野輝弘さんが、この1球を褒めていた。


「味方相手に内角はなかなか要求できない。でも(岡崎選手は)同じポジションのライバルで競争しているわけだから攻めなきゃいけない。この1球は小宮山の成長が見えた」と。


ここまではいいアピールができているように思う。今年に限らず、前からリード面は評価されていた。今年から矢野さんがつけていた39番を背負う。現状に満足せず、背番号だけでなく名実共に矢野さんに追いつけ追い越せな存在になってもらえれば面白い。


“Dash on” NORI


引退表明

速かった。とにかく全盛期は速かった。まるで3倍速くらいの早送りの映像を見ているかのようだった。超人的なスピードと高いテクニックとは裏腹に、選手生活は怪我や病気との闘いでもあった。


彼がボールを持つと世界が変わった。「ファールをしてでも止められない」と言われたほどのスピード。ディフェンダーが2人がかりで止めにいっても、その狭い間を一瞬で突破してしまう。スピードだけでなく、体当たりしてでも止めにいったディフェンダーをも吹き飛ばしてしまう力強さ、フィジカルの強さがあった。まるでボールが足に吸いつくかのようなボールコントロールに正確なシュート。そのすべてが見るものの度肝を抜かせた。


そんな彼にも悪夢が襲いかかった。2大会連続の優勝を目指したW杯フランス大会。ブラジルは決勝まで進んだものの、自身は体調不良により精彩を欠きチームもフランスに敗れた。


4年後の日韓大会で雪辱を果たそうと、再スタートした矢先に再び悪夢が襲いかかる。2度にわたる右膝十字靭帯断裂。選手生命すら危ぶまれた。それでも1年半以上にも及ぶ懸命なリハビリを経て、戻ってきた。


W杯日韓大会、全盛期に比べるとスピードは劣ったものの高いテクニックは健在だった。この大会で8得点を挙げ得点王になった。神懸かり的な好セーブを連発していたドイツの正ゴールキーパー、オリバー・カーンですら止められなかった。チームも優勝に導き、復活を遂げた。その後、W杯ドイツ大会でも3得点を挙げ、W杯の通算最多得点に躍り出る。


数々の輝かしい実績を残しながらも、やはり大怪我が付きまとう。今度は左膝の腱を断裂。それに加え、甲状腺機能が低下する病気も患っていた。これが原因でサッカー選手としての人生に幕をおろした。


ロナウド、34歳で現役引退。若くして引退するサッカー選手は多いけど、彼が残した強烈な印象を思うと、まだまだやれそうな気がするし、まだまだ続けてほしかった。でも体は思った以上にボロボロだし、無理は言えない。


今までお疲れさまでした。あなたは、1990年代から2000年代にかけての最強のストライカーでした。


“Dash on” NORI


評論家も人間

実戦登板した斎藤佑樹投手の投球内容が新聞で批判されていた。


たしかに批判ばかりされてたら気分は悪い。斎藤投手は人気もあるので、絶対に成功してほしいという、期待の表れだとも思う。逆を言えば、絶賛ばかりして、もしシーズンで結果を残せなかったら評論家としての立場を疑われてしまう。このへんのさじ加減はむずかしい。


一昨年、阪神は赤星さんが惜しまれつつ引退をした。そこで赤星さんの穴埋めとしてやって来たのがマートン選手だった。


近年の阪神の外国人野手というのは期待外れの成績でファンを失望させてしまっていた。そんなこともあって、マートン選手に向けられる目は厳しかった。活躍できないだろうという意見も多かった。「赤星の代わりはマートンには無理」なんて見出しもあった。その時は赤星さんの代わりなんて世界中のどこを探しても見つからないと思ったものだ。


ところが、マートン選手は開幕から打ちまくった。終わってみれば、イチロー選手の持っていた年間210安打を超える214安打を記録し、日本プロ野球の歴史に名を残すほどの活躍をした。



開幕直前になると評論家がたくさん集まって、順位予想がおこなわれる。順位を予想して、評論家が熱弁をふるっているのだが、私はこれが大嫌いだ。


毎年、順位を的中させている評論家が何人いるのか?


ほとんどの評論家が予想を外している。これほどアテにならないものはない。


ほんのごくわずかな一例を挙げたが、ひとつ言えるのは、評論家の意見は鵜呑みにしてはいけないということだ。


なかには鋭い指摘で「なるほど」と思わせてくれる人もいる。時として疑問を解決してくれることもある。そういうのは、自分にとってもすごく勉強になるし、自分の中にも吸収したいと思う。


人の考えは、みんな一致するものではない。評論家の意見がすべて正しいとは思わない。だから自分の考えをベースにして、参考になる意見だけを取り入れたらいいと思う。


“Dash on” NORI